ISBN:4569572162 文庫 佐藤 勝彦 PHP研究所 1998/12 ¥500 「相対論を楽しむ本」というタイトルは本書の内容を言い当てて妙である。相対性理論とは1人の物理学者の日常的な現象についての素朴で純粋な問題意識と単純な思考の積み上げによるものである。相対性理論は難解であり「道具」を知らない人は近づくことができないと思われているがそれは必ずしも正しくない。特殊相対性理論についての基本的…

副題に「よくわかる」とあるのは、本当だった。
自慢じゃないが、高校生時代の物理の成績は数学とともに赤点のオンパレード。
そんな私にも、ほんとうに良くわかった。
「時空」と言われる、私たちが存在しているこの世界というか空間というかが、どんな風なものなのか、イメージとして理解することができた。
最後まで、すごく面白く読めて、つい「宇宙論」なんかの本も買ってしまった。
物理の授業も、こんなことやってくれたらよかったのに。

それにしても物理学者(科学者、と言うべきか)の頭の使い方ってすごい、と思う。
科学は「なんだろう?」と思うことから始まるというけれど、まさに、「光ってなんだろう」なんて、普通考えないし。
でも、ふとそう思うところから、光の速度は有限で、それがこの世の中の最速のスピードで・・・なんてことがわかってくるのがすごい。

しかも更にすごいと思うのは、この世の中のことは全て数式で解明できるらしいということ。
数式で表せるってことは、規則性があるってことだよね?
この世の中に、「適当」とか「デタラメ」なものって、存在しないんだろうか?

その上にもすごいと思ったのは、「虚数」というものについて。
二乗して−1になる数字。
それがありえないってことは、一応乏しい数学の知識で理解できるけど、更にこの本を読むと、そのありえない数字で説明できてしまうことがあるってこともわかってしまうのだ!

この本が面白かったのは、ただわかりやすかったから、だけではない。
筆者(監修者?)の、学問に対する情熱のようなものが伝わってくるものだった、ということもある。
「勉強は嫌なもの辛いもの」というイメージが吹き飛び、「学問の喜び」というものが実感できるような、いかにも楽しげな文章。
子供たちにも是非、読ませたい。

で、夜。
夕刊に「高校生のノーベル賞」と言われる賞を、日本の18歳の女の子が受賞した、というニュースが載っている。
「日なたに置いた鉄板がなぜ熱くなるのかを論じた」とのこと。
ひぇ〜〜〜\(◎o◎)/!
そんなの、当たり前じゃん。
日なたに置いた鉄板が熱くなるのは、太陽に照らされるからに決まってるでしょお〜
私の思考はそれ以上にはどこをどうつついても進みません。
科学者の頭脳って、本当にすごい。

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