書字障害

2004年8月7日
うちのおぼっちゃまのLD(学習障害)のもっとも端的な症状は「書字障害」です。
これは「視覚認知障害」というものからくるものです。
目で見ているものを脳が正しく認知できないのです。
でも、丸いものをみて丸いかどうかもわからない、というほどのことはなく、非常に微妙なものなので、日常生活にほとんど支障はないのですが・・・。

しかし「書字障害」はちょっと深刻です。
なにせ「字」が書けないのですから。
読めるけど書けないんですよねー、私にも不思議なんですが。
そこらへんが「脳の機能障害」という部分なんでしょうね。
パソコンでいえば、入力はできてもプリントアウトすると文字化けする、みたいな?
そこのデバイス間の情報のやりとりがうまくいかない、みたいな??

しかもやっかいなことに「全く書けない」のではなく「ビミョーに書けない」状態。
これはなぜやっかいかというと、ビミョーに書ける為に普通に字が書ける人たちに「練習すれば書ける様になる」と思われてしまうからです。

で、つい親の私たちもふと、「もう(中3にもなれば)このくらいは書けるだろう」と思ってしまう瞬間があるのです。
障害に「いくつになったんだから」などという概念は通用しないというのに、つい。

今日、その「つい」が出てしまいました。
部屋の蛍光灯が切れたので取り替えたのです。
そして使用済みの電球(電管?)を箱に入れて「『済』って描いとけ」とパパが息子に言いました。
「漢字で書けよ、そのくらい」とつい、言いました。
息子「えー、わかんないよ、どう書くの?」
母 「さんずいに斉藤さんの斉っていう字」
息子「さんずいってナニ?」
父 「(呆)さんずいぐらい知っとけ!」(パパはいつもこういうものの言い方をします)
母 「海の左っかわのちょんちょんちょんっていうヤツ」
息子「ああ・・・。でも斉藤さんの斉がわかんない」
母 「パソコンのどこででも出てくるから、スミって打ってみな」
息子「・・・わかった・・・」

しばらくして息子が「これでいい?」とマジックで「済」と書いた箱を持ってきました。
大きな四角い箱の上の方にちーっちゃく、でっかいさんずいの横にこれまた小さな「斉」が・・・。
父に「こんなとこにこんなちっちゃく書いてもわかんないだろう。箱の真ん中にでっかく書くんだよ!」
と言われて、書いてみたものの、それは「済」の字ではなくでっかいさんずいとそれより小さな「斉」の字でしかなく・・・。

彼の脳はさんずいの横に「斉」のある字を「済」というひとつの文字として認識することが出来ないのです。あくまでも「さんずい」と「斉」。

改めて「字が書けないとはこういうことか」と思い知らされた両親なのでありました。

でもまあ、わかるから。
わかればいいし。ね、息子ちゃん。

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