苦節7年〜PART1〜

2005年3月4日
今日は感無量なことがありました。

息子が歯医者さんで“治療”を受けてきたのです。

私にとってこのことは、先日高校に合格したこと以上の喜びです。

9歳のときに“LD・ADHD”の診断を受けた息子ですが、では幼児期に親としてなにかおかしいと思ったことはなかったのかと訊かれれば、皆無ではありません。
息子は「音」に敏感な子供でした。
端的だったのが「花火」。
その怯え方は尋常ではありませんでした。
もう、空を見上げる余裕もあらばこそ。
抱かれている私にしがみついて、胸に顔をうずめて震えながら泣きじゃくる。
怖がってるチビをあやしながら、親とおねえちゃんは花火を眺める、とかいうレベルではなく、とにかく早く音の聴こえないところまで、と逃げるように帰ったことがありました。

だから、待合室で待ってる間に“あの音”が聴こえてくる歯医者は、最大の難関だったのです。

気をつけていたつもりでも、小2の時に虫歯発生。
とりあえず、近所のお母さん仲間に評判の良いところを教えてもらって行きましたが・・・。
年配の男の先生は、怖がる息子となんのコミュニケーションをとろうともせず、側にいる私に「こんなに怖がってたら治療できません」と言って終わりました。

次に、「小児歯科」の看板を掲げているところに行きました。
ところがここが、とんでも「小児歯科医」で・・・。
その歯医者は泣いてる息子の唇をいきなり、「これでもか!」と言うほどつねりあげたのです。
息子は痛さでますます泣き叫びます。
私は思わず「どうしてそんなことするんですか?!」と訊きました。するとその歯医者曰く
「こっちの痛みで歯の痛みが緩和されるでしょ」

そんなわけあるかー!!!

挙句、泣き止まない息子を眺めて溜息をつき「これじゃあ治療は無理だよ」

こっちの方から願い下げだよ!

と心の中で悪態をつきながら帰ってきました。
息子の口元は内出血で真っ黒になり、医師会に訴えてやろうかとすら思ったものです。

そのあざがようやく消えかけたころ・・・。
とにかく早く治療してしまわなければ、という焦りがあって、また別のところに行きました。
そこでは、今までのことを丁寧に説明し、前の歯医者でつねられたことも話し、やってもらえますか?と訊きました。
で、やってみましょうと言うから治療台に座らせたのに・・・。
私が一生懸命なだめて、なんとか口を開けさせても、歯医者さんがとんがったモノを持って迫ってくると怖くて泣いてしまう。
それを何度か繰り返すうちにその、比較的若いその歯医者さんはだんだんイライラし始め、ついにはキレました。
「もうできないよっ、こんなじゃあっっ!無理だよ、無理!」と怒鳴りつけられ、「おとなしくしてられるようになったら来て」と言われて、帰されました。

そうこうしているうちに、3年生に。
5年生になった娘も、初めて「虫歯あり」のお知らせを持ち帰り、二人の子を連れて駅前に開業したばかりの歯科に行きました。
常連もなく、お客さん(患者さん)を求めているだろう、良い評判を流したいだろう、だからきっと丁寧に治療してくれるに違いない・・・という下心(?)を持って。

ところが、ここがまた胡散臭い歯医者だった・・・

まだ患者さんが少なくてヒマなので、治療の前に虫歯のメカニズムを、写真入りの専門的な本で事細かに“講義”してくれる・・のはいいんだけど、子供たちに治療の大切さを教えたかったのか、「放っておくとこんなになっちゃうんだよ」と、目を覆いたくなるようなグロい状態の虫歯の写真をいくつも見せられ・・・。

「お姉ちゃんがなんでもなく治療しているところを見たら、きっとボクも『ああ、大丈夫なんだ』って思えるでしょう」と、娘の治療を何度か“見学”したのですが、親の私でも見たくないようなことばかり・・・細い針みたいな器具でつついたり、“あの音”の出るドリルを口に突っ込んで削ったり・・・
まったく逆効果で、歯医者の日になると「ボクは行かない、家で待ってる」と言うようになってしまいました。
しかも・・・。息子が治療しないなら、おとなしく治療を受けられる娘に親が付いていくこともないわ、と娘一人で通わせていたら、ある日帰ってきた娘が泣きながら「もう絶対に行かない!」というではありませんか。
「どうしたの?」と訊くと、何の説明もないままいきなり目隠しをされて、麻酔の注射を打たれて削られた、というのです。
娘は「怖くて痛かった」と泣くし、それを訊いた息子はますます怯えるし、私は別の想像をしてしまって別の意味でぞっとしてしまって・・・。

治療半ばで娘は歯医者に行かなくなり、その歯医者は1年もしないうちにいなくなりました。

そんなこんなで、更に1年。
4年生になって、新学期の検診でまた「虫歯があります」という紙をもらってくる。
しかも虫歯の数が確実に増えている・・・。

もう、どうしよう、どうしよう、と私は追い詰められた気分でした。
というのも、夫の父親の家系が歯が弱い体質で、義父は29で結婚したとき既に総入れ歯だったと言う人。
夫も虫歯だらけで、甘栗を食べて歯が欠けたことがある、というような人なので、スチャラカ母を自認する私も、子どもの歯にだけはかなり神経質になっていたのです。

思い余ってPTAのお母さん仲間に相談したところ、「大学病院で全身麻酔で治療してもらう」方法と、「電車で2駅言ったところに、子供がじっとしてられない場合治療台に縛り付けてくれるところがある」ということを教えてもらい・・・。東京の友達に相談したら、「縛るのはよくない。うちの近所には縛るんじゃなくて、ネットでくるんでくれるところがある。夏休みに里帰りしてそこに通ったら」と勧められ・・・。もうそのいずれかしかないのか・・・と本当に心の底から悩みました。

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この日記を書き始めて初!
3000字を超えてしまったので、PART2につづく。
(このことだけは、なんとしても書き残しておきたいので)

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