ペンギンも大好きだけど、雪と氷だけの何もない世界にしばし浸りたかった。
「生まれ変わるならペンギンに」と言ったのはQueenのブライアン・メイですが、そう思う人は人生に少し疲れている人なのではないかと思います。
自然を淡々と映しているだけの映画です。♂ペンギン（大沢たかお）♀ペンギン（石田ひかり）子ペンギン（神木隆之介）の邪魔にならない程度のナレーションが入ります。
それでも、娘に言わせれば、ペンギンにとっての天敵＝アザラシやカモメの撮り方に、「敵の恐ろしさ」を感じさせる演出があるんじゃないか、ということでした。確かに、ものすごく獰猛で憎たらしく見えたよね。
それにしても、こんな世界がこの地球上にあるなんて・・・・・。
四季を享受し、あらゆる物質に溢れ返る自分の住む世界と地続きにこんな世界があるなんて。
この動物はどうしてこんな過酷な生き方をしているんだろう、と思ってしまいました。
でも、当然のことながら、彼らは文句も言わず淡々とその営みを続けているわけで。
長い旅路の間に仲間がはぐれてしまっても、卵をうまく抱くことの出来ない仲間がいても、ブリザードに負けてしまう仲間がいても、雛を死なせてしまう仲間がいても、助けるものもいなければ、だれも責めるものもいません。
みんな、自分だけの力を頼りに生きているのです。
人間という生き物が、とても甘ったれたものに思えてしまい・・・・。
生き物というものは、命というものは、こういう形こそが一番自然で一番良い形なのではないかと・・・・・
癒されるより逆に、人間として生きることのしんどさみたいなのを、感じてしまったかもしれません。
生まれ変わるなら、私もペンギンでいい・・・という言い方は不遜ですが・・・もう人間でなくてもいいと思ったのでした。
音楽が良かった。
エミリー・シモンと言う人の、特にテーマ曲（歌）は、確かに私を癒してくれました。
コメント