1997年にこの作品が第1回手塚治虫文化賞優秀賞をとった時に途中までを一度読んでいる。その時までに出ていたプチフラワーコミックスの10巻までだったと思う。
実家に里帰り中で退屈で、萩尾望都だし賞を取ってるし、というだけでどんな物語かも知らずに、大人買いして一気に読んで・・・・・
辛い、というより恐ろしくて、家に持ち帰ることも捨てることも出来ず、誰の目にも触れさせたくもなくて、実家の使ってない部屋のクローゼットになぜかあった空のダンボールの中に隠して帰った。そしてその後今に至るまで、その段ボール箱はおろかクローゼットを開けたことすらない。実家に帰れば、というより、実家を思うときには常に、「あそこのあの中にアレがある」と思うのに、近づくことが出来ないまま今まで。
でも、今度実家に行った時にはあの部屋のクローゼットを空けて、あの箱を探すことができる。
もしかしたらないかも知れない。母が捨てたかも知れない。
私は本当はそれがずっと怖かった。
クローゼットを開けてもしあの箱がなかったら・・・と思うと。
母がアレを見つけて黙って捨ててるかもしれないことが。
でも今なら、その恐れこそが私のトラウマだということもわかる。
あの当時、隠すしかないほどこの作品が自分にとって辛かった理由というのが、そこから繋がっているのだということがわかる。あれが単に「隠す」と言う行為だったんじゃなく、「なかった(買わなかった、読まなかった)ことにする行為だったということも。そのくらい私は、この作品が恐ろしかったんだということも。
その後、続きが出ても完結しても、どうしても読むことの出来なかったこのマンガを、今回やっと読み終えることができた。
日課のように書店に行っててもどうしても、手を伸ばすことはおろか目を向けることもできなかったのに、数日前いつもの書店で文庫版が全巻並んでいるのを見たときに何故か「買おう」という気になって。
あの頃から今日までの間に、多分ほんの少し問題が解決されてたんだと思う。
それが何によってか、何のお陰かということも、多分わかってる。
それらは、正直言ってあんまり嬉しいことではないんだけど。ホントに「解決」なのかどうかもわからないし、一つが薄らいだことで他の問題点が浮き上がってきてる側面もあるし。
でもとにかく「もう怖くない」ことは確かだ。
少なくともそれは悪くないことなんだろうと思う。
これを読んで、自分の傷に気付く人って結構いるんじゃないかと思ったりする。
萩尾望都と言う人は、どうしてこんな物語を描いたんだろうか。
実家に里帰り中で退屈で、萩尾望都だし賞を取ってるし、というだけでどんな物語かも知らずに、大人買いして一気に読んで・・・・・
辛い、というより恐ろしくて、家に持ち帰ることも捨てることも出来ず、誰の目にも触れさせたくもなくて、実家の使ってない部屋のクローゼットになぜかあった空のダンボールの中に隠して帰った。そしてその後今に至るまで、その段ボール箱はおろかクローゼットを開けたことすらない。実家に帰れば、というより、実家を思うときには常に、「あそこのあの中にアレがある」と思うのに、近づくことが出来ないまま今まで。
でも、今度実家に行った時にはあの部屋のクローゼットを空けて、あの箱を探すことができる。
もしかしたらないかも知れない。母が捨てたかも知れない。
私は本当はそれがずっと怖かった。
クローゼットを開けてもしあの箱がなかったら・・・と思うと。
母がアレを見つけて黙って捨ててるかもしれないことが。
でも今なら、その恐れこそが私のトラウマだということもわかる。
あの当時、隠すしかないほどこの作品が自分にとって辛かった理由というのが、そこから繋がっているのだということがわかる。あれが単に「隠す」と言う行為だったんじゃなく、「なかった(買わなかった、読まなかった)ことにする行為だったということも。そのくらい私は、この作品が恐ろしかったんだということも。
その後、続きが出ても完結しても、どうしても読むことの出来なかったこのマンガを、今回やっと読み終えることができた。
日課のように書店に行っててもどうしても、手を伸ばすことはおろか目を向けることもできなかったのに、数日前いつもの書店で文庫版が全巻並んでいるのを見たときに何故か「買おう」という気になって。
あの頃から今日までの間に、多分ほんの少し問題が解決されてたんだと思う。
それが何によってか、何のお陰かということも、多分わかってる。
それらは、正直言ってあんまり嬉しいことではないんだけど。ホントに「解決」なのかどうかもわからないし、一つが薄らいだことで他の問題点が浮き上がってきてる側面もあるし。
でもとにかく「もう怖くない」ことは確かだ。
少なくともそれは悪くないことなんだろうと思う。
これを読んで、自分の傷に気付く人って結構いるんじゃないかと思ったりする。
萩尾望都と言う人は、どうしてこんな物語を描いたんだろうか。
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