息子が「オレってLDなの?」と訊いて来たのは1〜2ヶ月ぐらい前だったかなあ。

それについては診断を受けて学校で普通学級を追い出された小2の頃以来、折に触れて伝えてきたことだったけど、17歳半ばにして初めて自分自身のこととして自覚したっていうことなんだろう。

最近ネットで調べたりしているらしくて、「疾患と障害はどう違うの?」とか「治るの?」とか「学校で一緒だったA君はどういう障害だったの?」とか訊いてくる。
知っている限りのことは応えているけれど、子供のことではどんなことがあっても結構大丈夫な私だけど、こういうことを訊かれると正直戸惑う。
打たれ強い息子なので顔には出さないけれど、多分内心では結構今凹んでいる時期なんだろうなあ・・・・・とつい思ってしまうんのだが、親バカからくる杞憂だろうか。

今、毎年恒例の「宿題追い込み期」に入っている。
彼の通う学校は所謂フリースクールと言うやつで、スクーリングは週3回、その授業に基づいて出されるペーパーテストを家でやって期限内に提出する、という学習形態なのだが、小中学校時代に基礎すら教わらなかった数学と英語だけは独りではどうにも歯が立たなくて提出が遅れる。

はっきりいって私は、今更英語も数学もできなくたっていいと思っている。学校で学ぶこと=生きていく上で役立つこと、とは限らないし、特に学校英語と数学はその最たるものだと思っているから、日常生活で不自由していない程度に計算も暗算もできるならもういいじゃないかと。ただ「資格を取る」と言う目的達成のために、このプリントはしなけりゃいけないよ。テストには通らないといけないよ。私はそのスタンスで彼の勉強を見ている。

けれど最近の彼は、特に英語に対して「覚えたい」「出来るようになりたい」という欲求が出て来ていて、そういう自分の欲求と、学校から与えられる教材に対する困難さとのギャップに悩んでいる。こんなに出来るようになりたいと思っているのにどうして覚えられないのか、と。

多分そういう中から、自分の障害ってなんだろう・・・と思い始めたんだろうなーと思うのだが。

今日は「アルジャーノンって知ってる?」って訊いてきた。
「アルジャーノンって『アルジャーノンに花束を』の?」
「そうだよ、その本うちにないの?、読みたいんだよ」

私はこの本を持っていたけれど、捨てて(正確には○ックオ○に売って)しまったんだよねー。
今となっては詳しいあらすじは覚えていないが、ずっと手元においておきたいとは思わなかった、そういう内容だったような記憶がある。なんとなく「健常者側から障害者を考える本」というような気がして、「実際に障害を持ってる人が読んだらどうなんだろう」という感じがしたような気がして、そして息子にはあんまり読ませたくないと当時思ったような、そんな気がする。本人が読みたいというのなら私にそれを阻止する権利はないけれど、なんとなく危ういような気がするのも、それもやっぱり親バカの杞憂だったらいいんだけど。

コメント

ままなっつ
ままなっつ
2007年1月10日0:33

もりのいずみさん。なっつです。
今更ながらですが、あけましておめでとうございます。
「アルジャーノン」は昔、読みましたが、
その時は自分の子に障害があるとか思ってなかったので、
ただのSF小説のように読んだ記憶があります。
知能の低かった青年が治療して急に知能が高くなるが、
やがて元に戻ると言うあらすじ(ちょっといい加減)です。

テレビ化されたのを、少し見ましたが、
急に知能が高くなった主人公が大学で、
同級生と話題が合わないと言う場面があり、
ちょうど子どもが周りと適合していなかった時期だったので、
普通に生きるとはどういう事かちょっと考えました。

ウチの子が読んで面白かったと言っている本を書きますね。
ご本人がアスペルガーだと大人になって分かった方で、
ニキ リンコさんと言う方が書いた本です。

「俺ルール」は、字もほどほどで、イラストも多く、
面白く、そして共感する本だったようです。
私はぱらぱら見ただけですが・・。
よろしかったら、検索かけて見てください。
他にも何冊が出ていますが、
高校生にもとっつきやすい感じがします。

もりのいずみ
もりのいずみ
2007年1月10日23:26

なっつさん、コメントありがとうございます。
アルジャーノンは、息子が自分で買ってくるようなことでもあれば、私ももう一度読んでみようと思います。
そうそう、ドラマ化されたんでしたよね〜、ユースケ・サンタマリアさんでしたね。毎日毎日お母さんが迎えに来るのを待ってるのがすごく切なかったのと、いしだあゆみさん(だったかな?)のお母さんもすごく辛い印象で残ってます。私の中のマイナーイメージはもしかしたらこっち(ドラマ)からのものかな?

ニキリンコさんって「片付けられない女たち」の人ですよね!自分が家事に身が入らなくて悩んでいた頃読みました^^;

そうかあ、息子が読んでもいいようなものもお書きになってるんですね。早速探してみます。

夫は「自分のことを考えるようになったのはいいことだよ〜」とノンキなんですが、今私、仕事してなくて昼間も家にいるじゃないですか。
部屋でカチャカチャキーボード叩いて「何してるのかな〜」と思ってると、なにか調べてたらしく部屋から出てきて、私にさりげなーくいろんなことを訊いてくるのが、母親としてはちょっと切ないこのごろです。

ままなっつ
ままなっつ
2007年1月14日0:50

なっつです。返事が遅くなりました。

そうです。ニキさんは「片付けられない〜」を翻訳した方です。
「アルジャーノン〜」はドラマと小説は別物です。
母親も出てきませんしね。
ウチの息子が中学の時に本見せたら、
字が多いので、読むの躊躇しました。
私は障害者を題材にした小説と言うより、
やはりSF物だと思ってます。

二キさんの「俺ルール」のことアマゾンで検索してみたら、
読者レビューが面白かったですよ。

息子さんが自分のこと考えるようになったのは、
私もいいことだと思いますけど、
心配も分かります。

もりのいずみ
もりのいずみ
2007年1月15日1:17

SFモノ、という捉え方もできるのですね、息子にちょっと伝えておこう。

今まで自分が割と気楽に来られたのは、まだまだ自分の手の届く範囲にいて自分がどうにでもしてやれるんだと安心していたってことなんだなあと感じます。
少しずつ親離れ、自立、が始まっているってことでしょうね。私も子離れ、失敗しないようにしなくては・・・。

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