正気の沙汰とは思えない

昨日の夜の報道ステーションで、40年前の袴田事件の死刑判決について「実は自分は当時から無罪だと思っていた」という当時の裁判官が登場した。
この事件は冤罪が強く疑われて今でも再審を求める活動が続いているようだが、それでも被告は30歳での逮捕以来40年間拘置所に収監され、既に70歳、精神的にも異常をきたしてしまっているという。

その元裁判官は「これだけはなんとしても言っておかなければと思った」「家族のことを思わない日はあっても、このことを忘れたことはない」「私の説得力不足だった」と涙にくれるのだが、そんな、今更何を言われても。
40年前にそこんところをもっと追求しておいてくれれば40年を棒に振らなくても良かったかもしれない被告にしたら、なんの救いにもならないだろうよ。

だけど、その元裁判官が今に至っても辛いであろうこともまた、真実だと思う。善良な人であればあるほど、そりゃあそりゃあ辛かったことだろう。

けれどそんなニュースを見ていて思った。
再来年の9月までには実施されると言われている「裁判員制度」。
本当にこんなものが現実的に実施されるようになったら、こんな風に一生苦しんでしまう人がたくさん出てくるのではないかと。
裁判官という専門家ですら判断を誤ってこんな風に一生思い悩むことがあるというのに、いわんや素人をや、なんじゃないかと。

子供たちと「イヤだね、こんな制度」という話をしながらふと、「でも素人に凶悪犯罪や重大犯罪の事実認定をさせて量刑を決めさせるなんて、考えてみればそんなバカなことあるわけないじゃん」と思い「私たちはきっと新聞を浅読みしすぎて、なにか重大な誤解をしてるんだよ」と思って「裁判員制度」のホームページに行ってみたら・・・。

そんなバカなことが・・・あった。
信じられないことがまことしやかに解説されてあった。
素人にわかりやすいように、優しい口調で一通りのことが説明されてるのだが、その内容は現実のものとは思えないものばかりだった。
これを読んで納得して積極的に協力しようと思う人なんているんだろうか。
私は、大げさでなく、「裁判員」に選ばれてしまった為に一生を左右されてしまう人が出ると思うよ。
せめて「死刑」を廃止してから実施すべきじゃないかとも思うよ。
なんでこんな身の毛もよだつ制度が大した話題にもならないうちに決まってしまってるわけ？

「選ばれちゃうヤツは運の悪いヤツ」なんて思わず、選挙権のある人は漏れなく一度しっかり知っておくべき。

というわけで↓へGo!
http://www.saibanin.courts.go.jp/