数日前にレビューした「クレイジーカンガルーの夏」の所謂“スピンオフ”というものです。

カンガルーもそうなんだけど、検索すると著者になぜかイラストの藤本みゆきさんの名前しか出てこないんだけど、この小説の著者は 誼 阿古(よしみ あこ)さん という方で、「クレイジーカンガルーの夏」がデビュー作です。
・・・ということを、この素晴らしい作品を生み出した作者の名誉のために明記しておきます。

さて、フラミンゴ。
カンガルーが男の子の話なら、フラミンゴは女の子のお話です。
(クレイジーカンガルーとフラミンゴの由来については作者のあとがき参照)

男の子の13歳と女の子の13歳の世界の違いというもの。
真っ只中に居れば誰も気付かないし、通り過ぎて振り返れば当たり前すぎて誰も気に留めないようなこの時期のこの違いを、こんなに鮮烈に描けるなんて。

フラミンゴの主人公の女の子は、大人から見れば「どこにでもいる普通の13歳」ではないけれど、本当はこんな13歳は1クラスに1人や2人は必ずいる“普通の”女の子の一人で、ただ大人がそれに気付かないだけなんだということ。

ここでもたくさんのいろんな大人がでてきますが、主人公・菅野晴をはじめとする子供たちの視線の鋭さ、確かさに、大人として赤面したり、反省したり、いじらしくて抱きしめたくなったり、「大人としての感情」も揺さぶられました。

ホントに何の気なしに手に取った本だったのに、この二冊は私にとってめったに出会えない宝物のような作品となり、なんだか、語りたいことが山ほどあるようで、何も言葉にしたくないような、そんな気分ですが・・・・

最後の50ページ。

個人的には「キュン死」でした。

作者は三作目に着手している様子。
願わくば「大人編」を、と思うけど・・・
それではラノベというジャンルを逸脱してしまうかもしれないから、無理かなあ・・・。

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