奥田英朗に本格的にハマりました。
もう、全部読まないと気がすまない!
とりあえず今ある在庫を全部読んだら買い漁ろう。
(今読んでいるのは伊坂幸太郎の「オーデュポンの祈り」そのあと宮尾登美子の「天障院篤姫 上・下」が控えている)

で、これ。

オモシロイというより「凄い!」の言葉の方が合う。
町工場の経営者・川谷信次郎、不良青年・野村和也、銀行OL藤崎みどり、の3人の“最悪”な日々が延々と描かれ、「で、要するにナンなの?」と焦れはじめた頃(ページ数で言うと648ページの502ページ辺りから)、突然この3人の時間が交差する。
そこから先は、それまでの鬱々とした展開から一気に大笑いな展開になる。
そりゃあもう、あっけに取られて笑うしかない、という展開に。

「イン・ザ・プール」「東京物語」「最悪」と読んできて見て、この作家の持ち味は「飄々としてる」っていうことかなあ、と。
なにかこう、深刻なことを書いていても追い詰められないというか。

あとがきによれば、過去に沢田研二主演でドラマ化されたが出来は“最悪”だったらしい。三谷幸喜とかが脚本化してくれたら、ものすごく高度な喜劇になるような気がする。
映画とかで観たいなあ・・・

それにしても、最後に川谷信次郎が、結果的にヤクザに撃たれることになり、そのときに「これで救われた・・・」と思ったというのが余りにリアルに理解出来てしまって、羨ましくすら思ってしまった。
そしてその後、思ったより傷は浅くて入院は3週間でいいといわれたときの落胆も・・・。

本が面白く読めるっていうのは、私自身の状態はまだ「最悪」ではないってことなんだろうな・・・と思うことにして、とりあえず今は「オーデュポン・・」の世界に浸ろう。

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