オーデュボンの祈り (新潮文庫)
2007年9月26日 読書
長い夢を見ているような小説。
こういうのは、すごく好き。
荻島、の景色−文章から見える景色−がとてもキレイ。
景色だけでなく島の空気感というものも、すごく心地よくて。
人が、多くを望まず現状に満足して生きている島っていう感じが。
島にとって大切な存在が殺されてしまうこと、「島にたった一つ欠けている物」は何か、というナゾがあること、でこの小説はミステリーに分類されるらしいけれども、その辺の謎解きについてはあまり興味を惹かれなかった。
誰が殺したのか、ということより、殺されてしまったことで状況がどう変わってしまうのか、と言うことのほうが不安で、だから最後まで読んでものすごく安堵したというか。
ああ、優午はちゃんとわかってて逝ったんだな、と。自分の死も必然であることをわかってたんだな、と。
城山、という極悪警察官が出てくるのだけど、コイツの最期については、「ちゃんと罰せられてる」という正当性を物凄く感じてしまい。それだけでも、この夢のような小説がとても正しい世界を描いているような気がしてしまった。
現実的にはありえない罰ではあっても、むしろ現実の中で、悪いことをしたヤツはこのくらい「ちゃんと」罰せられないといけないよな、と思う。
現実にはそれがとても難しい。なぜなんだろう。特に日本は・・・犯罪者に甘いよね、絶対的に。ここ2,3日の新聞を読んでいても、無関係な人間であっても歯がゆくなるほどに。
・・・で、「オーデュボンの祈り」という題名はつまりはどういうことだったんだろう?
=「優午の祈り」ってことで、その祈りは天に届いたって思っていいのかな。
というのも、私は、読後感がとてもよかったから。心から晴れ晴れとした気持ちになれたから。
静香が丘の上でアルトサックスを吹く情景が、その音が広い空に広がっていく情景が、ありありと見え、聞こえるようで、今日は一日その余韻に浸っていたい気分。
こういうのは、すごく好き。
荻島、の景色−文章から見える景色−がとてもキレイ。
景色だけでなく島の空気感というものも、すごく心地よくて。
人が、多くを望まず現状に満足して生きている島っていう感じが。
島にとって大切な存在が殺されてしまうこと、「島にたった一つ欠けている物」は何か、というナゾがあること、でこの小説はミステリーに分類されるらしいけれども、その辺の謎解きについてはあまり興味を惹かれなかった。
誰が殺したのか、ということより、殺されてしまったことで状況がどう変わってしまうのか、と言うことのほうが不安で、だから最後まで読んでものすごく安堵したというか。
ああ、優午はちゃんとわかってて逝ったんだな、と。自分の死も必然であることをわかってたんだな、と。
城山、という極悪警察官が出てくるのだけど、コイツの最期については、「ちゃんと罰せられてる」という正当性を物凄く感じてしまい。それだけでも、この夢のような小説がとても正しい世界を描いているような気がしてしまった。
現実的にはありえない罰ではあっても、むしろ現実の中で、悪いことをしたヤツはこのくらい「ちゃんと」罰せられないといけないよな、と思う。
現実にはそれがとても難しい。なぜなんだろう。特に日本は・・・犯罪者に甘いよね、絶対的に。ここ2,3日の新聞を読んでいても、無関係な人間であっても歯がゆくなるほどに。
・・・で、「オーデュボンの祈り」という題名はつまりはどういうことだったんだろう?
=「優午の祈り」ってことで、その祈りは天に届いたって思っていいのかな。
というのも、私は、読後感がとてもよかったから。心から晴れ晴れとした気持ちになれたから。
静香が丘の上でアルトサックスを吹く情景が、その音が広い空に広がっていく情景が、ありありと見え、聞こえるようで、今日は一日その余韻に浸っていたい気分。
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