いや～、ベタベタな“お芝居”だった・・・けど、結構楽しめた。
主演は沢口靖子さん。
ミヤコ蝶々をやるには美人過ぎる気はしたものの、売れてからの芸能人っぽい鷹揚な感じとかすごく上手くて「確かに、こんな感じだったんだろうなあ」というリアルさがあった。
出演はほかに、風間トオル（元メンズノンノモデル）、渋谷天外（松竹新喜劇）、高汐巴（元宝塚花組トップ）、紅萬子、芦屋小雁、島崎俊郎、長原成樹（吉本新喜劇）、そして西川きよし。
なんというか、微妙なキャスト（^^;）。
でも、演技的には安心して観ていられる。
西川きよしが一瞬「ほぉ～」と思うものの、実はこれが演劇の舞台出演としては初舞台なんだそうで、びっくりだったけど。
客席はわりといっぱいだったように見えたんだけど、どうにも反応がよくないんですなあ。笑いとか拍手とか、なんかもうちょっと「観てるよっ」っていう反応をしてあげようよ～と思ってしまうような。
芝居の途中で、ミヤコ蝶々が有名になってきてこんな、あんな有名な人たちと共演するようになりましたっていう説明で出てくるのが「花登筐」とか「花紀京」とか「佐々十郎」とかで、そういう名前に「ほ～、なつかしい～」というような反応が起こる、そんな年齢層のお客さんたちだったので、なかなか素早く力強い反応というのは難しかったかもしれないですが。
芝居としては、途中笑いあり涙ありでそこそこ楽しめたものの、これが実在した人物の人生だったと思うと、とても笑えないと思った。
芸が好きで目指してなった芸人、というのでもなし、子供の頃からこれしか出来ないような育てられ方をした人で、そのためにたくさんの物を犠牲にしてきていて、おそらく自分でもあまり幸せだとは感じていらっしゃらなかったんではないでしょうかねえ・・・。
芝居のラスト、あの世に行ってもやっぱり劇団率いて芸をやっていくんだ、この人はこれしかないんだっていう締め方だったんだけど、なんかちょっと辛かった。
きっとこの人は、できればもっと平凡な女としての人生を望んでいただろうなあって思ったから。
で、それなりにしみじみとした気分で劇場を出てポスターをふと見て目玉が飛び出た。「S席12600円」
ええぇぇぇ～～～＼(◎o◎)／！
高すぎるだろう、いくらなんでもあのキャストで。
実は私は知り合いからもらったチケットだったんだけど、結構な入りだったあのお客さんたちはみなさん自分でお買いになったのでしょうか・・・
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