才能の勝利です

2009年6月13日 音楽
辻井くんがすごいのは、「目が見えないのにピアノが弾ける」ことではありません。

そういう取り上げ方は、してほしくないと思います。

ピアノは、鍵盤を見ながら弾くのではないので、目の見える人でも見ないで弾きます。最終的には身体が覚えるので、見なくても弾けるのです。
楽譜は、目の見える人は楽譜を見て曲を覚えて行くけれども、辻井くんはたぶん目の不自由さを耳が補っているので、ことピアノを弾くことにあたり、目の見えないことは不自由でもなんでもない、むしろ誤解を恐れずに言えば有利かもしれないくらいです。

そしてピアノは、目の見える人でも耳で聴いて弾くものなんです。
私は、10年以上ピアノを習っても音大に入れなかった程度の人間ですが、ピアノの先生からはとにかく「楽譜を見るな、自分の音を良く聴け」と言われました。
自分の弾く音を客観的に聴ける耳がないと、ピアノは上達しないのです。

辻井くんのすごいのは、音楽的な才能です。表現できる心です。
目が見えるとか見えないは全く関係ないのです。
バン・クライバーンコンクールで優勝したのは凄いこと。
でもそれは純粋に、辻井くんの音楽的才能が勝ち取ったものです。

メディアは、ピアノを弾くということについてもう少し専門的なことも勉強して報道していただきたいと、切に思うニュースです。

(っていうか、たぶんわかっててこういう報道の仕方をするんだろうからいやだ)

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