児玉清さんが亡くなってしまった。

僭越ながら、父親を亡くした時と同じような寂しさを感じている。
胸にぽっかり穴があいた様な。


数年前に自伝的なこの本を読んだ時、内容はうろ覚えだけど、この人が俳優になるプロセスっていうのが、大学を卒業した若者がどこかの会社の採用試験を受けるように、東宝ニューフェイスを受けて、試験に通ってサラリーマンになるように、オーディションに合格して俳優になったっていう印象を受けた。
そして、俳優という自分の仕事に真面目に取り組んで研究して努力して、サラリーマンが平から係長、係長から課長、と昇進するみたいに、少しずつ実績を重ねてきた人なんだなあ、と。

そういう印象を持ったからか、他の俳優さんにはなかなか感じられない「地に足のついた感」のある人だった。
芸能界の人なんだけども、芸能界のスキャンダルとかゴシップとか、そういうもののつけいるスキがないような印象の人。


私にとって「児玉清」のファーストインパクトは、多分30年以上は前に坂口良子と不倫関係の上司をやったドラマ。
普通に起きてる時間帯のドラマだったのに、ベッドシーンがかなり濃厚だった記憶があって、児玉清って言う俳優さんがこんな濡れ場を演るっていうイメージがなかったのですごくびっくりして強烈に記憶に残ってる。

で、その後は、調べてみれば「沿線地図」にも出てるし「思い出づくり」にも出てるし、あれもこれも出てたんだ~と思うものの、私の中ではずーーーっと「アタック25」の司会の人であり、小説の解説者だった。
あの「意外な児玉清」が自分にとっていかに「意外」だったかってことなんだけど、そのハードルを越えさせてくれたのが「鹿男あをによし」のリチャードだった。

うわー、いい俳優さんになってたんだなぁ~って思って。

その後の「龍馬伝」の父親も、すごく良かったし。

だから、これからの俳優・児玉清を楽しみにしていたところもあったのに。


優しげで、インテリで、でもちょっとユーモアもあって、まさに理想の男性でした。


ご冥福をお祈りします。

コメント

ポピー
2011年5月18日23:11

紳士でしたよね。ロマンスグレーの礼儀正しくてインテリで家庭を大事にしてる感じ・・
小さい頃大好きだったホームドラマ「ありがとう」にも出ていたというから(どんな役か忘れたけど)物心ついた頃からブラウン管でおなじみの俳優さんだったし、
アタック25が36年も続いていたなんて、あらためてビックリです。
龍馬伝の実直な父親役も適役でしたよね。
ホント、残念です。

もりのいずみ
2011年5月20日10:19

☆ポピーさま

そうそう、「紳士」っていう言葉がぴったりでしたね。
派手な俳優さんではなかったけれども、惜しんでいる人は多いと思います。

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