エリザベート スペシャルガラ・コンサート
TAKARAZUKA WAY TO 100th ANNIVERSARY と銘打ったシリーズ、4作目にして豪華な企画が実現。

宝塚歌劇の「ベルばら」と並ぶ宝、「エリザベート」。
1996年初演から不定期で何度も再演され、今後も再演があるだろうが、今回は現役歌劇団生だった時にキャストを演じたOGたちによるガラ・コンサート。

先週、東京・東急シアターオーブでドリームキャスト版を、昨日は大阪・梅田芸術劇場で紫苑ゆうのトート閣下を観劇。

キャストの組み合わせが複数パターンあり、日によって出演者が違っていたのだが、ドリームキャスト版は1回の公演で一つの役を複数のスターさんが演じ繋いでいく、というもの。
作品としての一貫性には欠けるものの、1回の公演で何人ものスターさんの復活の姿を見れるというオイシイ公演で、このチケットを確保してくれた東京の友人には、一生足を向けて寝られないと思うほど。

そして昨日の「紫苑ゆうバージョン」。

もう~、泣けた。

紫苑ゆう=シメさんは、元星組のトップさん。
私が宝塚を一番好きだった時代のトップさんで、しかも私は星組が一番好きだったから、特に思い入れも深い人。
そして実は、エリザ初演はシメさん退団後で、今回はシメさんにとって初演のトート。
こんなこと、普通はありえないんですよ。
退団した人が再び宝塚の男役として舞台に立つなんて。

でも、このエリザの宝塚版主役のトートは、誰よりもシメさんにこそふさわしい役だということは、歌劇団のスタッフも、ファンも、そしておそらくご本人にもその自負があったと思われ。
今回のキャスティングは「よくぞ実現してくださった」と歌劇団に拍手喝采したい。

とはいえ、退団後18年。年齢だって、退団時で35歳だったから・・・・・
正直なところ「どうかな」という思いもあったけど。

でも反面、「シメさんなら絶対間に合わせてくれるはず」という確信もあって。

その確信は裏切られることはなかったです。

裏切られるどころか・・・・・!

やっぱりシメさんはすごい。

「これぞ宝塚」を見せてくれた。

やっぱり伊達に先生やってないよ!(シメさんは現在、宝塚音楽学校の先生をやってます)
音楽学校の生徒さんたちが観に来てたけど、これこそお手本というのをきっちり見せてくれてた。
みんな、よく観て勉強するように・・・とつい思ってしまったワタシ。

このトートと言う役は、原作では「死の象徴」、宝塚版では「黄泉の帝王」となっていて、人に死を与える神のような人が感情を露わにしていいのか、ということはしばしば論じられるところだったんだけど。

シメさんのトートは「普段冷静な死神が恋をしてしまったんだから、感情的でいいんだ!」と心から納得させてくれるものだった。
その点で、「ああ、これは星組バージョンだ」という思いもまた、私の涙腺を緩くして、もうホントに泣けた。

というのも、かつて初演の雪組・一路真輝の次にエリザをやったのが星組の麻路さきというトップさんで、歌の面では苦しい部分があったのだけど、トートとしての役作りとしてはこの人を超える人はいまだに出ていないと思われる、非常に魅力的なトートだった。
エリザに恋をする、という人間的な部分と、末期のハプスブルグ家を死に導く、目に見えない不吉な存在という、原作のもつ象徴的な部分の両面をしっかり見せてくれて、解釈としても一番腑に落ちたし、見せ方としても一番魅力的だった。
シメさんのトートは、そのマリコさん=麻路さきのトートを踏襲する・・・というより、これこそが私の大好きだった星組のエリザだ・・・という思いで、ホントに、あの頃に戻れるなんてことがあるんだという奇跡が起きたような感覚だった。

全体的なことでいえば、今回、コーラスがとにかく素晴らしかった。
歌える人を集めているので聴きごたえがあるのはもちろんなんだけれど、シアターオープでは音量が大きすぎて音が割れて聞こえて耳障りだと思うこともあった。
これは出演者の罪ではなくて、2階、3階席だった人からは「音が良かった」という感想も出てるので、1階前寄りという座席位置の関係だったかもしれない。
昨日は1階のうしろより中央、とにかく音がすばらしくてコーラスで鳥肌が立つような感覚が何度もあった。

ルキーニのわたるくん=湖月わたる、ゾフィーのタキちゃん=出雲綾、フランツのユキちゃん=高嶺ふぶき、マックスのまゆちゃん=大峯麻友、みなさんおなじみの方々なんだけど、現役時代よりずっとずっと上手くなっていて感動。
そういう意味でやっぱり宝塚で「生徒」でいるうちは半分素人なんだな、卒業してみんなプロになったんだな・・・と感慨深く。


ああ、もうキリがない。

とにかく、宝塚って素晴らしい、と改めて思ってしまい、100周年に向けて私の心にも火がついてしまったかも。


ああ、そう、もう一つだけ。

今回シメさんとともに「初演」した、涼紫央さん。
今年の8月まで現役星組2番手さんだった人。
よかったよ。素敵だった。歌も芝居もしっかりした男役さんだった。
キャスティングの経緯を邪推していろんなこと言う人がいるみたいだけど、ファンはやっぱり嬉しかったと思う。
私も、現役時代を観てみたかったと思った。

そんなことも、また宝塚に戻ってみようかと思わせてくれたことの一つだった。

コメント

ありす
2012年11月28日19:50

わーーー、盛り上がってたのですね。すごいなあ・・・。私はぜんぜん宝塚をご縁がないのですが、紫苑ゆうさんて、たぶん、同じガッコの同学年だと思うんですよね~・・・直接は知らないけど。

もりのいずみ
2012年11月30日0:48

☆ありす様
え~~~、そうなんですか~~~、すごーい、うらやましい~~~(*^O^*)/
本名、渡辺奈津子さんと言うのです、やっぱり同窓の方でしょうか?
関西に住んでいると、宝塚ってわりと身近ですよね。職場などでも、親戚で音楽学校を受験した人がいるとか、友達で宝塚に行った人がいるとか、良く効きます。
なんかそういう環境もうらやましいです。

ありす
2012年12月13日18:57

今頃のコメントで失礼します。
その方ですよ。彼女はたぶん2組か1組だったような?私は8組にいたので教室がある階も違っていたので面識はありませんが。部活の友達が同級生でいろいろ話をしていました。

ホントに身近です。娘がいたバレエ教室の後輩も宝塚にいますし。でも、私があんまり興味がないので、しょうがないですよねえ・・。高校の時もみーんな、学校の帰りに着替えてベルバラに行っていたのに、私はテニスコートにいましたし(^^ゞ

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