宝塚宙組“6代目”トップスター凰稀かなめさんの、東京宝塚劇場での大千秋楽。
一昔前なら、ちょっとやそっとのコネがあっても観ることの叶わなかったサヨナラショー付のその最後の公演を、今の時代は幸せなことにライブビューイングというものがあり、映画館で生中継で見ることができました。

いつも通りの公演が終了した後、組長さんからご挨拶があり、サヨナラショー。
その後、再び組長さんから退団者の紹介があり、退団者の挨拶、という流れです。
今回初めてこの宝塚公演千秋楽というものを観て、ああ、何年宝塚を観てきていてもこれを知らずしてホントに宝塚を知ってることにはならないなと思ってしまった、そのくらい特殊な、独特のセレモニーでした。
宝塚歌劇団は、学校なのですね。そういう建前でやっているのだと理解はしていましたが、いや、建前ではなく、その精神は紛れもなく学校なのだと認識しました。
退団者というのは卒業生。私たちが学校を卒業したら2度とそこには戻ることがないように、彼女たちも2度とこの舞台に戻ってくることはないのです。
宝塚がいつもまぶしいほどに輝いて見えるのは、きらびやかな衣装やお化粧のせいではなく、本当の意味でその時その瞬間だけの“時分の花”だからなのだと実感しました。

サヨナラショーでのかなめさん、素に近いシンプルなヘアスタイルに純白の衣装。
息を飲むほどに美しかったです。
銀河英雄伝説の曲、ロミジュリのティボルトの曲、モンテ・クリスト伯でのみりおんとのデュエットダンスと続きます。
その後かなめさんは一旦はけて、他の退団者さんたち、緒月遠麻・風羽玲亜・留美絢の歌、そして宙組のみんなとの「明日へのエナジー」。
これは私がかつて大ファンだった宙組初代トップ・姿月あさとのトップお披露目の時の名シーンで、ビデオテープが擦りきれるほど見た大好きなショーだったので、何か18年前に突然タイムスリップしたような不思議な感覚もあり、それを今、当時はまだ音楽学校生でもなかった子たちがこんなに大きく立派になってあのシーンを再演してる、また、当時は下級生だった寿つかさが今は組長としてそこにいるって言う、かなめさんのサヨナラとはまた別のいろんな感慨がこみ上げてきて胸がいっぱいになりました。
あの、宙組がスタートしたときの気持ちというのをこうして受け継いでくれてるって言うのがすごく嬉しいと思ったし、組替えで宙組トップになったかなめさんがサヨナラショーにこれを選んだ気持ちというのを考えると、そこにはいろんな思いが詰まってるように思えて、それもまた切ないような気持ちにもなりました。

ご挨拶は黒燕尾。
宝塚では白の軍服だったということで、もしかしたらこちらでも、と思いましたが、さすがに大千秋楽はフォーマルにキメて来られたなと。
やはりかなめさんには洋装が似合います。
白の肩飾りと白ばらの花束。
最後の最後まで、美しく毅然としたかなめさんでした。

本当に、寂しい寂しいことですが、開幕した第二の人生が素晴らしいものであることを、心よりお祈りいたします。




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