映画「ROOM」

2016年4月9日 映画
映画「ROOM」
17歳で誘拐され7年間監禁されているジョイ。
暗証番号でしか開かない鉄扉の、小さな天窓が一つしかない「部屋」に、5歳になる息子のジャックと暮らしている。
ジョイは狭い空間の中で、できるだけ「普通」にジャックを育てようと工夫をしている。
でも、そろそろ限界を感じている。
そして、ある賭けに出る。
・・・ここまでが前半。

危うい賭けはどうにかこうにか成功して、二人は外の「世界」に出る。
そこからの、新たな試練を描く後半。
もがきながら少しずつ乗り越えて、ようやく一つだけ大きな山を越えたかな、これからはなんとか歩いていけるかな・・・というほんの少しの安心感を余韻に残して映画は終わる。
ハッピーエンドなんていう明るい言葉はそぐわないし、きっとこれからも大変だろうけど、でもなんとか先が見えたかな、という程度の。

5歳のジャックが、生まれて初めて「外の世界」に出たときの体感が見事に表現されている。
警察に保護されたジャックと婦人警官とのパトカーの中でのやりとりには泣けた。
婦人警官の粘りがうれしくて、「なんかおかしい」と思ってくれることが嬉しくて。

部屋にいる時に、夜になると来て偉そうに振る舞ってからベッドをギシギシさせて帰っていく男(ジャックは男が帰るまではクローゼットの中のベッドに寝かされるので音しか聞こえない)のおぞましさも大概だけれど、外に出てから、孫を直視できないジョイの父親とか、「子供だけ外に出すことを考えなかったのか」と聞くテレビキャスターとか、外の世界にもおぞましいヤツはいる。
誰だって他人の心の中なんてわからないけれど、わかろうと寄り添うことこそが大事なんだと思う。
そういう行動をする人たちがいて、辛い展開の中で、ホントに救われる思いがあった。

日本でも最近また似たような事件があり、興味本位で観に行く人も多いのではないかと思われるけど、そういう邪心に対してものすごく毅然とした映画になっていることに、胸のすくような思いもあり。

辛い映画なんだけど、もう一度観たいと思う。

役者がみんな素晴らしいのだけど、特に子役の子は信じがたいほどすごいです。


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