最初の2週間。

息子がサラリーマンになって2週間が経ちました。

普通は「まずは最初の1週間」なのかもしれないけど、何事においても滑り出しがスローな息子なので、1週間経ったぐらいではとてもとても気を抜くことができず。
「もう少し様子を見よう」と思いながらの2週間目でした。

息子は、面接などである程度自分をアピールすることはできるのです。
その昔、その時は父親と一緒に受けた面接（縁故でした）で、帰宅した夫が「あいつはしっかりしてる、大丈夫だ！」と喜ぶような立派な受け答えをして、めでたく入社が決まり、将来への道が繋がったかなと思えた時がありました。
ところが、実際にそこに所属して通うようになったら、どうにも自分に自信が持てず、どんどん委縮して行き、ついには行けなくなってしまったことがありました。

そういう“前科”があるので、会社に入れたという段階ではまだまだ安心ができないのです。
この2週間、平静を保っていたつもりですが、その実、夕方帰宅してからの息子の様子にはかなり神経を立てて様子を見ていました。

初日、「本当に会社に入れたんだ」的な実感からか、少しほっとしたような様子。
2日目「仕事を教わり始めた」ということで、早くも「やっていけるかな・・・」と不安。
3日目「また新しい仕事を教わったけど、昨日教わったこととごっちゃになる。先輩や周囲の人たちにどこまで訊いていいのかもわからない」と混乱した様子。この時は少し心配しました。
けれど、4日目から、帰宅すると会社で教わった仕事の手順をワープロでまとめ始めて、それをプリントアウトして会社に持って行くようになってから、少し落ち着きました。
それ以降毎日、帰宅するとその文書を整理したり内容を追加したりして“復習”していて、それを見ていて、「こういうことが出来ていたら、まあ、大丈夫かな」と思えたのでしたが。

今日、2週間目を終えて帰宅した時はかなり疲れた様子で、「疲れた～、夕飯まで少し寝る」と部屋にこもったので、夕食時、控えめに「どう？」と聞いてみると、仕事自体がどうこうということはないが、周りにどう思われているのか気になってしんどい、と。できなくてめんどくさいヤツと思われてるのではないか、とか、考え過ぎなのはわかっているけれどもどうしても気になってしまう、と。

ここなんですよね、やっぱり。
人並みにできないことが多い、能力的に追い付かない部分がある、そこを知ってもらった上で働きたい、ということで障碍者雇用を社会への入り口と選び、希望が叶ったわけですが、それでもやっぱりそこが最初の山になってしまうのです。
それを、「自ら受け入れる」という表現が正しいのか「開き直る」という表現が正しいのかは私にもわかりませんが、どういう形にせよ、その山を乗り越えることが最初の試練なのです。

人目なんか気にしてもしょうがない。
それは、障害があるから、ということは関係なく、人が本当の大人になっていく成長過程だと思うので、今度こそなんとか踏み越えて行って欲しいと祈るのみ。

でも、私自身、最初に抱えていた不安よりは少し、3ヵ月、半年、1年先にどんな風に変わるかなと楽しみに思えるようになった2週間でした。