星組公演「霧深きエルベのほとり/エストレージャス-星たち」東京宝塚劇場での大千秋楽。
ライブビューイングで観て来ました。
今回の公演で、3番手をつとめてきた七海ひろきが卒業。
ファンの多い男役さんだったので、映画館でもあちこちからすすり泣きと、それ以上の、嗚咽に近い声も終始聞こえてきました。
宙組時代、「もひとつハジけたらいいのにな~」と思いながら見ていたかいちゃんが、星組に移ってから一つ殻を破ったように、シャープに美しく洗練されていった変化を眩しく頼もしく見てきたので、私にとっても寂しさはひとしおでした。
霧深き・・・は、熟成されてました。
カールは、遊ぶだけのつもりだったマルギットに本気になっちゃうけど、前の恋の痛手が残っていて臆病にもなってる。遊び人を気取っていても芯は純な男のカールは、そこで結婚を口にするのにすごく葛藤し、勇気を振り絞るんです。そこが大劇場の時よりずっと、くっきりはっきりしたことで、マルギットの「無垢の罪」も、フロリアンの気持ちの複雑さと深さも、カールの辛さもよりはっきり見えるようになってました。
「宝塚版寅さん」とも言われるこの作品のカールですが、菊田一夫の脚本は、荒くれ水夫の話であってもきちんと品性があるのが素晴らしいです。
カールを演じるトップ・紅ゆずるは、今日でオーラス、という気合があったのでしょう、熱演でしたが、終盤で喉を傷めたようでした。
ご本人は「お芝居の終盤で」とおっしゃっていたけど、なんとなく、そもそも幕開けから本調子ではないようにも見えてたので、悪化させてしまったのかもしれません。
とにかく、お芝居はそれとわかるほどの破綻はなく終わったものの、30分後にショーが始まってみると声が出ていない状態でした。
全く歌えない一瞬があったりもして、多分宝塚を観慣れている人はみんな「なにがあった?」とハラハラしていたと思うのだけど、中詰めの「チャンピオーネ(オレンジレンジ)」でのアドリブで「喉、ごめんなさい」と繰り返し手を合わせ、観客に事情が知れることとなりました。
それで、多分、張り詰めていた客席の空気が一変したのだと思うのですよね。
私も映画館でスクリーンのむこうのさゆみちゃん(紅ゆずる)に、「大丈夫だから」「無理しなくていいから」「あと少しだから頑張って」という気持ちで何度もうなづきながら見ていたんですが、どうやら劇場のお客さんの多くもそんな状態だったようで、そんなファンの気持ちがストレートに舞台に届いたのでしょう。
終演後のご挨拶では、そんなお客様へのお詫びやら感謝やらの気持ちが涙とともにあふれてとまらないさゆみちゃんでした。
星組トップコンビとしては、まだあと2作、残っていますが、もうあと2作、です。
今日はなるべく考えないようにしていましたが、やっぱり寂しい。
梅田芸術劇場のチケットはなんとか確保できましたが、最後の大劇場公演、これも1回でいいから、なんとか手に入りますように(祈)
ライブビューイングで観て来ました。
今回の公演で、3番手をつとめてきた七海ひろきが卒業。
ファンの多い男役さんだったので、映画館でもあちこちからすすり泣きと、それ以上の、嗚咽に近い声も終始聞こえてきました。
宙組時代、「もひとつハジけたらいいのにな~」と思いながら見ていたかいちゃんが、星組に移ってから一つ殻を破ったように、シャープに美しく洗練されていった変化を眩しく頼もしく見てきたので、私にとっても寂しさはひとしおでした。
霧深き・・・は、熟成されてました。
カールは、遊ぶだけのつもりだったマルギットに本気になっちゃうけど、前の恋の痛手が残っていて臆病にもなってる。遊び人を気取っていても芯は純な男のカールは、そこで結婚を口にするのにすごく葛藤し、勇気を振り絞るんです。そこが大劇場の時よりずっと、くっきりはっきりしたことで、マルギットの「無垢の罪」も、フロリアンの気持ちの複雑さと深さも、カールの辛さもよりはっきり見えるようになってました。
「宝塚版寅さん」とも言われるこの作品のカールですが、菊田一夫の脚本は、荒くれ水夫の話であってもきちんと品性があるのが素晴らしいです。
カールを演じるトップ・紅ゆずるは、今日でオーラス、という気合があったのでしょう、熱演でしたが、終盤で喉を傷めたようでした。
ご本人は「お芝居の終盤で」とおっしゃっていたけど、なんとなく、そもそも幕開けから本調子ではないようにも見えてたので、悪化させてしまったのかもしれません。
とにかく、お芝居はそれとわかるほどの破綻はなく終わったものの、30分後にショーが始まってみると声が出ていない状態でした。
全く歌えない一瞬があったりもして、多分宝塚を観慣れている人はみんな「なにがあった?」とハラハラしていたと思うのだけど、中詰めの「チャンピオーネ(オレンジレンジ)」でのアドリブで「喉、ごめんなさい」と繰り返し手を合わせ、観客に事情が知れることとなりました。
それで、多分、張り詰めていた客席の空気が一変したのだと思うのですよね。
私も映画館でスクリーンのむこうのさゆみちゃん(紅ゆずる)に、「大丈夫だから」「無理しなくていいから」「あと少しだから頑張って」という気持ちで何度もうなづきながら見ていたんですが、どうやら劇場のお客さんの多くもそんな状態だったようで、そんなファンの気持ちがストレートに舞台に届いたのでしょう。
終演後のご挨拶では、そんなお客様へのお詫びやら感謝やらの気持ちが涙とともにあふれてとまらないさゆみちゃんでした。
星組トップコンビとしては、まだあと2作、残っていますが、もうあと2作、です。
今日はなるべく考えないようにしていましたが、やっぱり寂しい。
梅田芸術劇場のチケットはなんとか確保できましたが、最後の大劇場公演、これも1回でいいから、なんとか手に入りますように(祈)
コメント
なんか、いずみさんの興奮が私にまで移ってきたようで…。(*^^)v
組によって、そんなにも、変化があるんですね~。
宝塚は奥が深いです!
宝塚歌劇は、いろんな舞台演劇の中でも特に、組によって、日によって、お客さんの層によって、演者である組子たちのコンディションによってetc.・・・いろんな要因で空気感の振れ幅の大きいものだと思います。
それが許されているところが「アマチュア」を残している部分なんですよね。
観客にとっては舞台上の組子さんたちとの一体感が得られることなので、ハマってしまうと情も湧くし、なかなか抜け出せなくなるのです。
よく言われることですが、AKB48とかの有り様と似ています。ヅカファンとしては「一緒にしないでよ」と思いつつも、確かに構造的には似ているな、と思います。