帝国劇場「エリザベート」マチソワ
2019年8月13日 舞台 コメント (2)
来年で東宝上演20周年を迎える「エリザベート」ですが、今回は帝劇のみで3か月のロングラン。
奇跡的に8/10の昼と夜のチケットが確保できて、娘と遠征してきました。
主な役のほとんどを役替わりで見れたので、その感想など。
花總さんのエリザ、さすがに少しお歌が苦しくなってきたかな、と感じることがあったけど、夜の部のちゃぴのエリザを見てみると、芝居の深みが全然違うことがわかります。
でも、ちゃぴのエリザは宝塚版の時から「自分なりのエリザ」を作ろうというのが感じられるので、再演を重ねたら花總さんの後継になれるかもしれないと思います。
それにしても、トートの個性によってエリザベートが違って見えるのが面白い。
ちゃぴのエリザも、宝塚の時のたまきちトートが無色透明に近かったからこそ、今までにない力強いエリザに見えたんだなと、改めて感じました。
古川くんのトートは「美しい悪魔」のよう。エリザベートが「これで少しは自分の人生に自信や安心を抱いていいのかな・・・」と思うタイミングでふわっと表れて誘惑する。
皇后たる自分に自信を持てなくて人生を彷徨うという、強いようで実は弱いエリザベートという、今までにはなかったエリザが観られたと感じました。
井上くんは2度目という事もあり、井上くん自身が自信をもって役に入っていることが感じられました。「闇を支配する帝王」という揺るぎなさがすごい。
エリザベートに「まとわりつく死の影」と「それを振り払って自分の人生を自分らしく生きようとする」エリザベートとのガチ対決、という、今までの構図がより鮮明です。
この井上トートには、ちゃぴのエリザはもっと強くてもいいように感じました。
いや~、とにかく二人のトートがとにかくお美しくって・・・・・(#^.^#)
特に古川くんは、身のこなしも軽く、本当に「見えざる者」を体現していました。この人は、2.5次元をやってきているからか「耽美」をわかってくれているな、と思います。少女マンガから抜け出たようなトートでした。
ルキーニも正反対なタイプの二人。
でも、私の好みとしては成河。メリハリが効いているというか、観ていて面白かったのは成河の方でした。ルキーニも実在の人で、貧困層から出て無政府主義に傾倒した人で、そういう極端な感じというのがより強かったと思います。
田代万里生くんのフランツは安定、安心に加えて、再演を重ねて来た深みがありました。純粋に妻を愛して愛して届かなかった悲しさがあって、そして東宝版は最後にフランツが見る「悪夢」の場面があるので、本当に可哀想なのはフランツだよね~、と娘と話したりして。
ゾフィーもまた、全然違う二人。お歌は涼風さんの方が断然安定してる、けど、私は剣ゾフィーが好きです。
剣さんのゾフィーは「皇太后」である前に「皇帝陛下の母」なんですね。王家の要として正しく子や孫を育てなければという使命感に、常に「情」があるんです。反発してくるエリザベートに対して「どうしてわからないんだろう、この子は」っていう心の内が見えるようで、エリザベートもいずれはこの立場になる人なんだよな・・っていうのを感じさせるゾフィーでした。
そして、ルドルフ。
三浦涼介くんは三浦浩一・純アリス夫妻の息子さんで、お母さん譲りのキレイな容姿が舞台映えする役者さんで、外国物の舞台をやるには強みだと思います。
なにより、容姿だけでなく歌もお芝居もしっかりしていて、これからどんどん舞台で活躍してほしい!と強く期待する役者さん。
今回のルドルフも、真っ暗なお部屋でママの帰りをいつも待っていた子供がそのまま大人になった繊細なルドルフ、というのは今までになかったルドルフだと思います。
2幕にトートと絡む見せ場が集中しているのですが、何度見ても「目が二つでは足りない」と思うシーンです。
そして、長くなったけど書いておきたい、夜の部の子ルドルフの加藤憲史郎くん!
がっつり役作りをしていて、ちゃんと役者なんです。自分なりのルドルフをちゃんと作っていて、見ごたえがありました。将来が楽しみすぎる!
は~、これで私の夏は終わった・・・
あとは舞台の残り香で乗り切ろうと思います。
奇跡的に8/10の昼と夜のチケットが確保できて、娘と遠征してきました。
※キャスト
昼の部:エリザベート:花總まり トート:古川雄大 ルキーニ:山崎育三郎
フランツ:田代万里生 ゾフィー:剣幸 ルドルフ:三浦涼介
夜の部:エリザベート:愛希れいか トート:井上芳雄 ルキーニ:成河
フランツ:田代万里生 ゾフィー:涼風真世 ルドルフ:三浦涼介
主な役のほとんどを役替わりで見れたので、その感想など。
花總さんのエリザ、さすがに少しお歌が苦しくなってきたかな、と感じることがあったけど、夜の部のちゃぴのエリザを見てみると、芝居の深みが全然違うことがわかります。
でも、ちゃぴのエリザは宝塚版の時から「自分なりのエリザ」を作ろうというのが感じられるので、再演を重ねたら花總さんの後継になれるかもしれないと思います。
それにしても、トートの個性によってエリザベートが違って見えるのが面白い。
ちゃぴのエリザも、宝塚の時のたまきちトートが無色透明に近かったからこそ、今までにない力強いエリザに見えたんだなと、改めて感じました。
古川くんのトートは「美しい悪魔」のよう。エリザベートが「これで少しは自分の人生に自信や安心を抱いていいのかな・・・」と思うタイミングでふわっと表れて誘惑する。
皇后たる自分に自信を持てなくて人生を彷徨うという、強いようで実は弱いエリザベートという、今までにはなかったエリザが観られたと感じました。
井上くんは2度目という事もあり、井上くん自身が自信をもって役に入っていることが感じられました。「闇を支配する帝王」という揺るぎなさがすごい。
エリザベートに「まとわりつく死の影」と「それを振り払って自分の人生を自分らしく生きようとする」エリザベートとのガチ対決、という、今までの構図がより鮮明です。
この井上トートには、ちゃぴのエリザはもっと強くてもいいように感じました。
いや~、とにかく二人のトートがとにかくお美しくって・・・・・(#^.^#)
特に古川くんは、身のこなしも軽く、本当に「見えざる者」を体現していました。この人は、2.5次元をやってきているからか「耽美」をわかってくれているな、と思います。少女マンガから抜け出たようなトートでした。
ルキーニも正反対なタイプの二人。
でも、私の好みとしては成河。メリハリが効いているというか、観ていて面白かったのは成河の方でした。ルキーニも実在の人で、貧困層から出て無政府主義に傾倒した人で、そういう極端な感じというのがより強かったと思います。
田代万里生くんのフランツは安定、安心に加えて、再演を重ねて来た深みがありました。純粋に妻を愛して愛して届かなかった悲しさがあって、そして東宝版は最後にフランツが見る「悪夢」の場面があるので、本当に可哀想なのはフランツだよね~、と娘と話したりして。
ゾフィーもまた、全然違う二人。お歌は涼風さんの方が断然安定してる、けど、私は剣ゾフィーが好きです。
剣さんのゾフィーは「皇太后」である前に「皇帝陛下の母」なんですね。王家の要として正しく子や孫を育てなければという使命感に、常に「情」があるんです。反発してくるエリザベートに対して「どうしてわからないんだろう、この子は」っていう心の内が見えるようで、エリザベートもいずれはこの立場になる人なんだよな・・っていうのを感じさせるゾフィーでした。
そして、ルドルフ。
三浦涼介くんは三浦浩一・純アリス夫妻の息子さんで、お母さん譲りのキレイな容姿が舞台映えする役者さんで、外国物の舞台をやるには強みだと思います。
なにより、容姿だけでなく歌もお芝居もしっかりしていて、これからどんどん舞台で活躍してほしい!と強く期待する役者さん。
今回のルドルフも、真っ暗なお部屋でママの帰りをいつも待っていた子供がそのまま大人になった繊細なルドルフ、というのは今までになかったルドルフだと思います。
2幕にトートと絡む見せ場が集中しているのですが、何度見ても「目が二つでは足りない」と思うシーンです。
そして、長くなったけど書いておきたい、夜の部の子ルドルフの加藤憲史郎くん!
がっつり役作りをしていて、ちゃんと役者なんです。自分なりのルドルフをちゃんと作っていて、見ごたえがありました。将来が楽しみすぎる!
は~、これで私の夏は終わった・・・
あとは舞台の残り香で乗り切ろうと思います。
コメント
嬉しいコメントありがとうございます!
うちの息子も「オーズですごく良かった人だから」と、昨年、舞台の「るろうに剣心」を観に行きました。経歴を見ると頑張っているようですが、おそらくお顔が綺麗すぎて映像向きではないんだろうなと思います。
でも、舞台映えはピカイチで、これからも頑張ってくれたら、あの名作もこの大作も、いずれ主役を担える人だと期待しているのです。