Beauty & Fear

2019年10月30日 TV コメント (2)
NHKBSプレミアムドラマ「怪談牡丹灯篭」。
放映のタイトルは「令和元年版 怪談牡丹灯篭」ですが、公式ページには「Beauty & Fear」のサブタイトル(?)がついてます。
それがもう、なによりもこのドラマの魅力を表現している言葉。
本当に、美しくて怖くて、「日本の美」が見事に表現されていたと思います。

「牡丹灯篭」としてお馴染みなのは、恋煩いで死んだお露が夜な夜な「カランコロン」と下駄の音を鳴らしながら化けて出てくる・・というくだりですが、もともとの話は人の欲の因果応報+仇討というドロドロな物語。
それを「令和元年の新たな視点と演出で、初めて完全映像化」したもの。
録画しての後追いでしたが、見終わった後消してしまうのを躊躇うような素晴らしいドラマでした。
◆キャスト
お国/ 尾野真千子…飯島家の奥方付き女中。
宮辺源次郎/柄本佑…旗本・宮辺家の次男。
黒川孝助/若葉竜也…飯島家に奉公する若い武士。
萩原新三郎/中村七之助…お露が恋する若い浪人。
お露/上白石萌音…平左衛門の一人娘。
お米/戸田菜穂…お露の侍女。
山本志丈/谷原章介…医師。新三郎の友人。
伴蔵/段田安則…新三郎の下男。
お峰/犬山イヌコ…伴蔵の妻。
飯島平左衛門/髙嶋政宏…旗本。剣の達人。


この、キャストの皆さんがみなさんそれぞれハマリ役で完璧!

その中でも特に目を惹かれるのが、お露の侍女の戸田菜穂さんの「臈長けた」という言葉を見事に体現した佇まい。
お露の上白石萌音ちゃんの、幼さと色気と怪しさと怖さが全部入り混じった複雑な役を完璧に演じている芝居力と度量に唖然。
最後に仇討をやり遂げる黒川孝助役の若葉竜也くんの鮮烈な印象。
この方、「チビ玉三兄弟」の一人で、芸歴は長いのに、私はあまり目に留まったことはなかったのですが、今回のこの役は、他には考えられないほどハマっていました。

あと、メインキャストではないものの、キラッと光って見えたのが、孝介を婿に取るお徳の石橋菜津美さん。きりっとした武家の娘がとても良かった。今年初めのNHKドラマ「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」で主役だった女優さんなんですね。「ゾンみつ」で話題だったけど見てなかったので、これを機に見てみようかな。

主役の尾野真千子さん、仇討で死んでしまうのですが、最後の最後までお美しい~!この役をするにあたり「自分は美しい」と言い聞かせながら演じたそうなのですが、役になりきるとはこういうことかと思うお国の最期でした。

さすがのNHKで、時代劇のセットは完璧だし、音楽も美しいし、映像の全体的なトーン、コントラストというのかな、それが少し抑え気味に感じられるのは、今は編集とかでそういうのができるのかな、なんかもう、4回の放送でしたが毎回魅入られました。

エンドクレジットの映像が、夜、幽霊になったお露が「牡丹灯篭」を持ったお米に導かれて新三郎の家に入っていくシーンなのですが、ぞっとするような幻想的な映像で、大好きでした。

これ、映画にして海外に持ってったら受けるんじゃないかなぁ。
外国にもゴシックホラーというのがあるけど、その日本版という感じで、こういうの好きな人、いると思うんだよねー。

いずれ4kでも放送があるらしい・・・のだけど、NHKのHPにはまだ全然告知が出てないので、見逃さないようにしなければ。

コメント

ありす
2019年10月31日0:30

見ましたー!キレイー!怖いー!でも、面白いー!と録画して一気に見ました!
それぞれのシーンの背景が工夫されてて、めちゃ良かったですね。新三郎が釣りをしている池が、これまたあやうい感じで。最後の、わわわっ!
私、昔からおばあちゃんにこの話をよく聞かせてもらったのですが、怨霊になったお露がもっと怖い(物理的でなく)感じで家の周りをうろつくのが、やや物足りなかったかもです。もう少しそこは粘って欲しかったかもー。

もりのいずみ
2019年10月31日21:35

☆ありす様
御覧になりましたか!良かったですよね~♪
そうそう、隅々まで完璧な絵でタイムスリップしたみたいな気分で観てました。
最後のって、伴蔵の、ですよね?私もいっしょに「え?」って思う間に・・・で、ぞっとしました。
おばあちゃんのお話、怖そうですね~。雰囲気ありそう。
私はお露には、怖いよりいじらしいが勝ってしまって、新三郎が幽霊とわかってて迎え入れたシーンにはキュンとしてしまいました。

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索