宝塚星組「ロックオペラ・モーツァルト」

週末に東京へ行き、母の様子を見て、宝塚を見てアナ雪を見て旧友たちと忘年会をして、また母に会って、帰ってきました。
あ、帰りがけに大阪によって、梅田芸術劇場で「ファントム」も観て来た。

宝塚は星組次期トップコンビ・礼真琴＆舞空瞳のプレお披露目公演「ロックオペラ・モーツァルト」
ものすごいチケ難公演で、関西・東京とも手当たり次第にトライして奇跡的に取れた東京公演。
ネットには観に行った人たちの絶賛のブログが溢れています。それも、ちょっとやそっとの「良かった～」ではなく、「幕が下りてもしばらく動けなかった」的な「すごいものを観た！」的な。
この「ことひとコンビ」はともに首席入団の優等生コンビ。歌もダンスもお芝居も申し分ない二人。
なので、そんな感想も「さもありなん」と期待に胸膨らませて行ったのだったけど・・・。
期待を膨らませすぎたのか・・・正直なところ、そこまでの衝撃的な感動というのはなかった・・・・・

それは何故だろうか、ただ単に期待しすぎただけなんだろうか、とずっと考えながら帰ってきました。

思うに、ひとつは脚本、演出が・・・薄っぺらい。
モーツァルトとその周辺の人物たちについては、もういろんな作品からそれぞれのイメージというのは固まっているわけで、見に来ている人たちの中にそのイメージがあるのが前提で書かれているように感じられました。
つまり、ストーリーは今更だよね、ということで、あとはことひとコンビを「どう見せるか」というコンセプトで作られた作品なのかな・・・という印象・・・ぶっちゃけ、「話が全然おもしろくなかった」の、私には。
しかも、コンスタンツェだけは可愛くて健気な女の子になってるし・・・。みんな「これはヅカバージョン」と納得しているみたいだけど、最後はなんか陳腐な恋愛ものみたいになっちゃったし・・・
「結局、モーツァルトの何が描きたかったの？」という。

まこっちゃんもひっとんも、歌ウマいし、ダンスも素晴らしいし、そういうパーツについては文句なしなんだけど・・・作品としてのまとまりが感じられなかった部分で、私はうまく乗れなかったというか。
演出面でも、オリジナルがそうなのかもしれないけど、1幕最後のモーツァルトの苦悩を見せる場面とか、最後にコンスタンツェとハッピーな感じで終わるとことか、同じフレンチミュージカルのロミジュリがダブって、新鮮味も感じられず。

あと、これを書くのは少し勇気がいるけど、まこっちゃん自身が、今のところはまだ「優等生」から出られてないな、というのも感じました。
モーツァルトという規格外の人物を、きっちり枠の中に収めた、という印象で、こちらについても「まこっちゃんなりのオリジナリティ」というのが感じられなかったというか。
トップとしての色というのはこれから出てくるものなんだろうな、やっぱりトップって特別なものなんだな、と実感しました。
ある意味、前トップの紅ゆずるとは正反対のキャラなわけだから、これからの星組が「礼真琴色」に染まっていくのが、いったいどんな色になっていくのか、すごく楽しみだとは思いました。

そして、今回の公演で、私にとって一番印象的で目を奪われたのはカチャ・・・専科の凪七瑠海でした。
この人はホントにうまくなった！月組の頃は、路線の割にはホントに線が細くて、男役としてどうなんだと思った事もあったけど、専科に出てからホントにメキメキ良くなって、今回、一番タカラヅカ的キラキラを感じてときめきました。
「蘭陵王」、見に行けばよかった・・・（今更）

アナ雪とファントムの感想はまた、改めて。