ふと思う、つらつら思う
2020年5月24日 日常 コメント (10)夜、お風呂上がりにテレビをつけたら、NHKBSで英国ロイヤルバレエの「ロメオとジュリエット」をやってて思わず見入ってしまった。
主役の二人は日本人-高田茜さんと平野亮一さん。
すごい時代になったなぁ、なんて思うこと自体が時代遅れなのかもしれないが。
私が物心ついた頃には、身近にディズニーのシンデレラや白雪姫の絵本や、眠れる森の美女のソノシートがあり、「きいちのぬりえ」があり、お陰で私の将来の夢は「お姫様」一択、ピンク色とふわふわヒラヒラキラキラしたものに目がない女子になった。
幼稚園の年長の時に、谷桃子バレエ団のバレエ「白鳥の湖」を観た記憶は、消そうにも消せない。
「白鳥の湖」にはいくつかの演出パターンがあって、最近はほとんどが、王子の誕生日パーティーで始まり、狩りに出たさきで白鳥にされたオデット姫に出会う、というものだが、その時のは冒頭に、呪いをかけられる前のオデット姫が湖のほとりで花を摘んでいるシーンがあるものだった。
母が、王子の背が低いとか足が短いとかブツブツ言ってたのも覚えてるけど、そんな事より、爪先で立って優雅に踊るバレリーナに、足の甲でリボンがバッテンになってるトゥシューズに、チュールレース(なんて言葉は知らなかったけど)が重なりあって揺れるチュチュに、白鳥の羽のような飾りと小さな王冠の髪飾りに魅了されて、その日から私の夢は「バレリーナ」になった。
なのに私の親は、特に母親は、私にそういうものを見せるだけ見せておいて、私が望むリボンもレースもパフスリーブも広がったスカートもピンクの服も、何もかもを「みっともない」「センスが悪い」と否定してきて、許されたのはレースのついたソックスぐらいだったし、バレエも絶対に習わせてくれなかった。そして、バレエはダメだけどピアノなら良い、と言うことで、私はピアノを習うことになったのだけど、よく考えれば私はピアノなんか別に習いたかったわけではなかった。
なんでバレエはダメなのかと訊いたときに、「バレエは家で踊って楽しめるものではない。ピアノなら家で弾いて楽しめるから」と言われたことは憶えている。まだ小学校に入る前の私には、それに対して反論する力はなかった。
その後、小学6年になるぐらいまでは諦められずに、折に触れ「バレエを習わせてくれ」と懇願していたけど許可されず、バレエが好きだったからこそ中学生になってしまってはもう遅いと諦めをつけたのだった。
今日、テレビでバレエを見ていて、母はなぜあのような矛盾した事をしたのだろうかと考えていた。
そして思うのは、見ることは教養になるというところまでは理解していても、演る側になるのは別、つまり自分の娘を見せ物にはしたくない、という感覚があったのかなと。
思えば、性的なことに敏感な人で、男性と触れ合うこと(手を繋ぐことすら)にいちいち「いやらしい」「気持ち悪い」と眉をひそめて嫌悪を示す人だったから、「自分の娘がバレエを踊るなんてそんな下品でいやらしいこと、みっともない、とんでもない!」ということだったのかもしれない。
(そういえば「いやらしい」なんて言葉、最近聞かなくなったような?)
そして、ふと気づいたのが、私の娘が、いわゆる「女の子っぽいこと」を好まないという以上に忌み嫌う、そういうのが母にもあったのかも、ということ。私の娘なのに、なんでこの子はこんなにも私と好みが正反対なんだろうと思っていたのが、ちょっと腑に落ちたりした。
大人になってから、一度ちゃんと訊いてみたら良かったなと思う。今となってはもう何も訊けなくなっちゃった。これからもいろんな事でこんな風に、訊いときゃよかったと思うんだろうなあ。
母親の施設に入れるのは、いつになるかなあ。
主役の二人は日本人-高田茜さんと平野亮一さん。
すごい時代になったなぁ、なんて思うこと自体が時代遅れなのかもしれないが。
私が物心ついた頃には、身近にディズニーのシンデレラや白雪姫の絵本や、眠れる森の美女のソノシートがあり、「きいちのぬりえ」があり、お陰で私の将来の夢は「お姫様」一択、ピンク色とふわふわヒラヒラキラキラしたものに目がない女子になった。
幼稚園の年長の時に、谷桃子バレエ団のバレエ「白鳥の湖」を観た記憶は、消そうにも消せない。
「白鳥の湖」にはいくつかの演出パターンがあって、最近はほとんどが、王子の誕生日パーティーで始まり、狩りに出たさきで白鳥にされたオデット姫に出会う、というものだが、その時のは冒頭に、呪いをかけられる前のオデット姫が湖のほとりで花を摘んでいるシーンがあるものだった。
母が、王子の背が低いとか足が短いとかブツブツ言ってたのも覚えてるけど、そんな事より、爪先で立って優雅に踊るバレリーナに、足の甲でリボンがバッテンになってるトゥシューズに、チュールレース(なんて言葉は知らなかったけど)が重なりあって揺れるチュチュに、白鳥の羽のような飾りと小さな王冠の髪飾りに魅了されて、その日から私の夢は「バレリーナ」になった。
なのに私の親は、特に母親は、私にそういうものを見せるだけ見せておいて、私が望むリボンもレースもパフスリーブも広がったスカートもピンクの服も、何もかもを「みっともない」「センスが悪い」と否定してきて、許されたのはレースのついたソックスぐらいだったし、バレエも絶対に習わせてくれなかった。そして、バレエはダメだけどピアノなら良い、と言うことで、私はピアノを習うことになったのだけど、よく考えれば私はピアノなんか別に習いたかったわけではなかった。
なんでバレエはダメなのかと訊いたときに、「バレエは家で踊って楽しめるものではない。ピアノなら家で弾いて楽しめるから」と言われたことは憶えている。まだ小学校に入る前の私には、それに対して反論する力はなかった。
その後、小学6年になるぐらいまでは諦められずに、折に触れ「バレエを習わせてくれ」と懇願していたけど許可されず、バレエが好きだったからこそ中学生になってしまってはもう遅いと諦めをつけたのだった。
今日、テレビでバレエを見ていて、母はなぜあのような矛盾した事をしたのだろうかと考えていた。
そして思うのは、見ることは教養になるというところまでは理解していても、演る側になるのは別、つまり自分の娘を見せ物にはしたくない、という感覚があったのかなと。
思えば、性的なことに敏感な人で、男性と触れ合うこと(手を繋ぐことすら)にいちいち「いやらしい」「気持ち悪い」と眉をひそめて嫌悪を示す人だったから、「自分の娘がバレエを踊るなんてそんな下品でいやらしいこと、みっともない、とんでもない!」ということだったのかもしれない。
(そういえば「いやらしい」なんて言葉、最近聞かなくなったような?)
そして、ふと気づいたのが、私の娘が、いわゆる「女の子っぽいこと」を好まないという以上に忌み嫌う、そういうのが母にもあったのかも、ということ。私の娘なのに、なんでこの子はこんなにも私と好みが正反対なんだろうと思っていたのが、ちょっと腑に落ちたりした。
大人になってから、一度ちゃんと訊いてみたら良かったなと思う。今となってはもう何も訊けなくなっちゃった。これからもいろんな事でこんな風に、訊いときゃよかったと思うんだろうなあ。
母親の施設に入れるのは、いつになるかなあ。
コメント
私は自分がバレエを習うという選択肢を全く知らず、クラスで1人だけ習いに行っている子がものすごくお金持ちだったので、別の世界でしたねえ。
テレビでふと見たローザンヌバレエコンクールの放映があって、その解説をしているのが大屋政子さんでふうん、バレエの世界をどうこうできるセレブがいるんだねえ、なんて思いつつ、さすがにロシア人はじめ(いや、ソビエトだったか?)ヨーロッパの人は身体つきが全く違うなあ、なんて思って見ていました。本当に日本人がバレエ界で活躍できる日が来るなんて当時は全く思いませんでしたねえ。
すごい時代になりましたね〜〜!!
そういえば音楽(ピアノやバイオリンなど)も日本の方が活躍なさってますものね。
それってすごいですよね。
お母様のところもまだ面会禁止ですか?
こちらもです。あれしてこれしてと言われても…入れないのですからね…。
我慢してもらってますが、母もきっとストレスでしょう。
知らなかった 日本人って 凄いんですね
私も私の周囲も全くセレブではありませんでしたが、バレエを習っている友達は何人かいて、お団子結ってレオタードでレッスンしてる友達が羨ましくて羨ましくて。
放課後、遊んでいる友達が「これからバレエだから」と帰っていくのについて行って、レッスンを見学させてもらったりしてると先生に「やってみる?」なんて言われてちょっと参加させてもらったりして、私のバレエ熱は燃え盛るばかりでした(笑)
高校生の時にパリオペラ座バレエ団が来て、新聞社が出した無料招待券が当たって観に行った時に、楽屋出待ちをして身近に見たバレリーナの足の細さは衝撃でしたね。
英国ロイヤルは吉田都さんという先駆者がいるので、日本人も受け入れられやすいのかもしれませんが、それでも主役が二人とも日本人というのはすごいなあと、やっぱり思ってしまいます。
今日、全国的に非常事態解除宣言となりましたので、もしかしたら夏までには施設の面会禁止も解かれないかなとちょっと期待します。
そうなんですよ、やっぱり凄いことですよね。
容姿も体型も、もうまったく外国人に引けを取っておらず、時代は進んだなと痛感します。
小学校低学年の時、目鼻立ちがはっきりして、髪が長くてスラッとしたきれいな子がバレエ習ってました。あの頃はまだ敷居が高くて、お母さん的には見るだけで満足して、娘に習わせる(間接的に自分も参加する)勇気がなかったのかも。
いずみさんの宝塚好きは、そんなところから誕生したんですね。
でも、女の子女の子した服くらい買ってもらいたかった気持ち、よくわかります^^)
バレエやってる人って(最近だと新体操なんかも)、手足も首も長くてすら~ってしてますよね。中学生になってどんどん丸くなっていった時期、私もバレエ習ってれば・・・って思ったけど、たぶんそれは関係なかった(笑)
母はモノトーン、ストライプ、幾何学模様、といった直線的でモダンな感じのものが好きな人でした。私の好みは今でいえば「ダサい」ってとこだったのでしょう。
「くるみ割り人形」を観た機会はロンドンのバレエスクールに通っていた高校生との縁でした。その道の厳しさも伺っています。その方も今はバレエが続けられる環境にないそうなのですが・・
トップクラスで頑張っている日本人の方(そうでない方も)、応援したいですね。
バレエ、大好きです!造詣があるとまでは言えませんが・・・(^_^;)
クラシックバレエはもとより、ダンス全般、そこから歌や演劇まで、人が生身の身体で表現すること、その想像力とか表現力とかに魅力を感じます。その道を極める方々のストイックともいえる努力も含めて、憧れます。
ただ、地方に住んでいると観ることのできる機会が多くないし、お値段もお安くないので、生の舞台はなかなか・・・
東京に住んでいた若い頃は、お小遣いで行ける日本のバレエ団の公演によく行っていましたが、そんな中で観たパリオペラ座バレエ団(無料チケットが当たった♪)の、すべての要素において日本とのあまりのレベルの違いに呆然としたのも、忘れられない思い出です。
あれからすでに40年ぐらい経って・・・今は、能力のある方は国外に出て評価され、ご活躍されていますが、反面、国としての芸術面の進化はなかなか・・というのが焦れったいところです。