宝塚音楽学校に関するニュース

“生徒間の伝統的な指導方法 下級生に負担 宝塚音楽学校が見直し”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200912/k10012615141000.html

このほかにも、朝日新聞では社会面にでかでかと載っていたので、タカラヅカに興味がない方も「何事？」と思われたのではないでしょうか。

不文律というのはやっかいですよね～。私はPTAで、それが原因でおおモメした経験もあり。

でも、タカラヅカについては、ファンもそういうことがあることを知っていて、「大変そうだな～」とその性質についても大方の想像はついていながらも、それこそが「清く正しく美しく」を守るもの、というような解釈をしている部分があり、ファンからの批判というのはあまり耳にしたことがありません。

今回、内部から改善が始まったことは画期的なことだと思います。
天海祐希さんが音楽学校の生徒だった時に、不必要と思われるいくつかの「きまり」をなくした、という話を、ご自身の経験談として聞いたことがあるけど、彼女は入学時から別格だったのでできたことだったのでは、と想像します。

音楽学校では、10年程前に裁判沙汰になるようないじめ問題が起こったことがありました。
当時、コアなファンは、まだまだ子どもに近い年齢の生徒さんたちを心配するのではなく、むしろ「神聖な宝塚においてそういう問題を起こした」ことに対する怒りを、当事者であるその期の生徒さんたちに向けて大いに怒り、その期の生徒さんたちが劇団員になって舞台に出るようになった時に、チケットの不買運動や、拍手をしない、などの、ファン側のいじめみたいな行為が横行しました。
私はその時に、生徒さんにその感情を、そのように直接的に向けるのは違うだろう、と非常に腹立たしかったものです。

今になってこんなニュースが出てみると、やっぱり当時のその事件は、単なる虐めというよりは音楽学校の構造的な問題により起こったものだと思わずにはいられません。
宝塚に入ろうとする人の多くは、元から宝塚ファンであり、宝塚を良く知った上で入る人がほとんどだと思われるので、その中に「タカラヅカとはどういうところか」という基礎知識を持たずにポンと入った人がいたら、その非常識に驚き抵抗するかもしれませんし、良く知っている側は「これこそが宝塚の伝統」と思えばこそ、「宝塚の伝統」を守ろうとして攻撃的になっても不思議はないと思うのです。
当時、学校側が教育者の立場で解決の努力をせずに、未成年の生徒さんたちを法廷に立たせたことに対して、とても残念に感じたものでした。

10年経ってやっとか、と思わないでもありませんが、ニュースでは「見直しを進めていることが分かりました。」という書き方をしているので、もしかしたらその時以来、少しずつ劇団なりの努力をしてきていたのかもしれません。
もしそうなら、少し救われるな・・・と思いました。
宝塚の生徒さんたち（舞台に出るようになっても、宝塚では基本的には生徒です）は、舞台の上では完璧な美を体現して私たちを夢の世界に連れて行ってくれます。
その努力が、辛いことばかりの積み重ねの上にあるのが当たり前、とは思いたくありません。
どのような学校であっても、学生時代は楽しい方がいいに決まってます。

この「構造改革」が順調に進んで、古き「しきたり」というものから完璧に脱却できる日が来ることを祈ってやみません。