DVD 松竹 2003/06/25 ¥3,990

今月は母と歌舞伎座で「桜姫東文章」を観る予定である。
歌舞伎は高校生のときに人からいただいた招待券で初めて見て以来、20歳〜24歳ぐらいまで夢中だった。その知り合いのお陰で結構人気の公演でもチケット購入が簡単だったこともある。
そして母が、子供の頃には花街に憧れ、若い頃には三味線や踊りなど習っていたという流れで歌舞伎好きだったこともあって、二人でよく観に行った。
今からかれこれ20数年も前だ。
孝玉(現・仁左衛門と玉三郎)の全盛期から児太郎(現・福助)か昇り竜の勢いだった頃にかけて。
先代辰之助も元気で、この人の世話物が大好きだったなあ。

あの頃見た中でも強烈に印象に残っているもののひとつが鶴屋南北の「桜姫東文章」だ。
孝玉の全盛期の、宇宙100億年の歴史の中でもあの一瞬にしか咲かなかった美しい華(優れた舞台というのはそういうものだと思っている)。
それが20年ぶりに上演されるという。
今回は仁左衛門ではないけれど、玉三郎だ。
これは観に行きたい!
ちょっとヘソクリ使っちゃおう、と決心して、現在、新生・海老蔵にハマリ中の母を誘った。

20年前、2度観ている。1度は京都南座で。2度目は歌舞伎座で。京都は1人だったが(なぜならダンナと遠距離恋愛中だったから♪)、歌舞伎座は母と行った・・・はず。
なのに・・・。
母は「桜姫は観たことない」と言うではないか。
「そんなはずないよ、京都はともかく、東京では行ってるはずだよー」と力説する私に「そうだっけー・・・?」

しかもだ。
歌舞伎座の特等席(前から7,8列目のど真ん中)で観て、「玉三郎の揚巻と目が合ったよ!」と大騒ぎした、孝玉の「助六」も「行ったっけ・・・?」などと言う。

おかーさーん、たのむよー。
今年は6回目の年女かもしれないけど、まだまだボケるにゃ早いよー。

もしかしたら私の方の記憶違いなんだろうか?
いやいやそんなことはありえない。
あの頃の歌舞伎友達といえば母しかしなかったのだから。

でも、そうやって思い出してみると、一緒に観劇に行っても途中で“こっくり”してることがよくあったかもしれない。
そういえば、朝早いパートに行ってたっけ。で、帰ってきてから商店をやってる父を手伝って。
私も、今の私の子供たちみたいに「家事は主婦の仕事でしょ」なんて思って、食事の後片付けも自分の下着の洗濯も、なんにもしてなかった。
私は若さのパワーで日曜日に出かけることなんてなんともなかったけど、母は疲れていたのかもしれないなあ。
覚えていなくても仕方ないのかもしれない。

でも今度はきっと、楽しんでくれるのではないかと思う。
父がいなくなっちゃって寂しくなっちゃった反面、誰にも気兼ねなく芝居を見に行けるようになったって、それはとても嬉しそうで楽しそうだから。
時々「私1人でこんなに遊びほうけてていいのかしら・・」などと落ち込んでるが、いいんじゃない?永らえたものの特権だと思って。

歌舞伎を観に行くことも、母と二人で出かけることも、私にとってもとても久ぶりのこと。
今月はこのほかに、子供たちと「レ・ミゼラブルコンサート」にも行くし、28日には吉井の新曲も出る。

実は今月でまたひとつ歳をとってしまうのだが、こんなにてんこ盛りの楽しみが待っているというのは、神様からの誕生日プレゼントなのかもしれない、うん。せいぜい謙虚に暮らさねば。

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