宝塚歌劇団月組のトップ・珠城りょうの退団が発表された。
退団公演の締めくくりは、来年2021年2月・・・約1年後!
こんな時期での退団発表は、聞いたことない。これだけでもいろんなことが想像できちゃう。
退団記者会見が昨日行われ、主にスポーツ新聞が詳細を伝えてくれている。
それを読んでから劇団の公式サイトのお知らせを読むと、都合よく切り張りされていて、もう白々しくてげんなりしてしまう。
新聞の紙面に出ていたこともすべてではないだろうが、それでも、隠そうとしても隠し切れない辛さが滲み出てしまっているような会見だった。
宝塚のトップは平均12年~13年目あたりで就任することが多い中、珠城りょうは9年目で就任した。
過去には天海祐希の7年目というのがあるけど、これは伝説にもなってるくらい異例な事。そして天海の場合は音楽学校入学時から話題になった程の人材で、入団後も「トップになるべき生徒」として育てられたサラブレッドだったから、実際、舞台人としての力はまだまだだったけどそんなことはどうでも良く、ファンは納得して受け入れたし応援した。
だけどその育成が成功したかというと、ヅカファン的には失敗だったという評価になってる。劇団の思惑がどうであれ、徹底的な縦社会である生徒の立場としては常に強風向かい風の中にいたであろうことは想像に難くないし、もともと宝塚もヅカ文化も知らずに入って来た彼女はファンにも距離をおいて、入り出待ちのファンに愛想を振りまくこともしなかった。
舞台人としての力もまだまだなのが目立ったけど本人にそこで向上しようという姿も感じられなかったのは、余裕がなかったのか気持ちがなかったのか、とにかく「トップになったからもういいでしょ」と言わんばかりに就任から2年で退団してしまった。その後も、ヅカ出身を隠すことはしないけれど、タカラヅカ〇周年的な記念イベントには一切かかわることなく今日まで来ている。
劇団が、天海のようなアドバンテージを持たない珠城りょうを、なんで異例の抜擢の対象にしたのか、これはもう宇宙的謎といってもいいくらいの謎だ(とある説があることは知っているけど、それならもっとチケットが売れたんじゃないかと思うんだよね?)
龍真咲のトップ時代に3番手の位置にいたころのたまきちは、確かに3番手格としての輝きがあった。場を任される時にはセンターとして目を引く光も吸引力もあった。本人もきっとその頃は楽しかったに違いない。ファンとしてもその頃は「いつかトップになる日」を楽しみにもしていた。
だけど、その頃の月組には、他にも輝いている生徒さんがたくさんいた。組プロデューサーの謎運営で、トップ以下の番手がはっきりとはされていなかったけれど、そういう過酷な中での切磋琢磨はちゃんとあったと感じられて、私はその頃の月組を観に行くのは楽しみだった。
たまきちもその中でちゃんと「珠城りょう」としての色を輝かせていたのに、トップになってその光が一気に弱くなった。
そこから、今の時点で3年、ついに本来の輝きを取り戻すことなく退団発表になった、と感じている。
今思えば、トップお披露目の「グランドホテル」、初演でのトップ涼風真世の役オットー・クリンゲラインをやったのは美弥るりかだった。
その後も常に、美弥るりかが影のトップみたいに言われていて、みやるりはそのことでたまきちのトップとしての立場や成長を邪魔してしまうと感じて身を引いたのかもしれない。
でも、それでたまきちは心の支えを失ったようだった。
2番手が辞めることが、自分の終わりを決めるきっかけになるなんて、よほどのことだと思う。本来だったら、本当に「自分の組、自分の時代」を作ろうという野心のある人だったら、自分が飛び越えてきた上級生が辞めてくれたらある種の解放感があるのではないだろうか。「いざ、これからこそ」と思うのではないかと思う。実際、今まで見て来たトップたちは、就任後の人事をきっかけに段階的に花開いて行った印象がある。
トップとしてのたまきちは、見てられなかった。どうしても自信が持てなかったんだろうと思う。開き直れなかったんだろうと思う。私は「グランドホテル」から「I am from Austria」までの本公演と梅芸の「ON THE TOP」を観たけど、どれも舞台作品として及第点があがられなかった。観ていて辛すぎて、毎回「もう月組は見るのをやめよう」と思いながら帰路についた。そして、そんなこと言わずに応援してあげなきゃ、と思い直すことの繰り返しだった。
記者会見の記事は、ホントに辛くてこちらも泣けて来た。
月組の人事は昔からホントにおかしい。翻弄されてきた生徒は何人もいると感じる。大人の事情があるんじゃないかと邪推せずにはいられない。
1年も先の退団を今発表することにも違和感がある。チケ難と言われるタカラヅカで、月組はいつも「だだ余り」と噂されている。次回は4月から大劇場公演が予定されてるけど、私は今度こそ観るのやめようと思って、トライすらしなかった。次の大劇場の売り出しは3月28日。友の会やぴあ先行はすでに終わっている段階ということを考えると、推して知るべしとも思ってしまう。
まだ発表されていないけど、ミュージック・サロンが決まってるという事は、相手役の美園さくらも添い遂げなんだろうな。本人、辞めたくなさそうな気もするけど、月組には、男役から娘役に転向した蘭世 惠翔・研4(らんぜけいと 君島十和子の娘)がいるからな~・・・娘役で研4ならね・・・ちょうどいいよね・・・
やだやだ。宝塚はある種タニマチ文化だから、大人の事情もそりゃあるだろうけど、外に見えないようにやってくれよと思う。
なんでこう、次から次へと、気持ちが下がることばかりなんだろう・・・・・
退団公演の締めくくりは、来年2021年2月・・・約1年後!
こんな時期での退団発表は、聞いたことない。これだけでもいろんなことが想像できちゃう。
退団記者会見が昨日行われ、主にスポーツ新聞が詳細を伝えてくれている。
それを読んでから劇団の公式サイトのお知らせを読むと、都合よく切り張りされていて、もう白々しくてげんなりしてしまう。
新聞の紙面に出ていたこともすべてではないだろうが、それでも、隠そうとしても隠し切れない辛さが滲み出てしまっているような会見だった。
宝塚のトップは平均12年~13年目あたりで就任することが多い中、珠城りょうは9年目で就任した。
過去には天海祐希の7年目というのがあるけど、これは伝説にもなってるくらい異例な事。そして天海の場合は音楽学校入学時から話題になった程の人材で、入団後も「トップになるべき生徒」として育てられたサラブレッドだったから、実際、舞台人としての力はまだまだだったけどそんなことはどうでも良く、ファンは納得して受け入れたし応援した。
だけどその育成が成功したかというと、ヅカファン的には失敗だったという評価になってる。劇団の思惑がどうであれ、徹底的な縦社会である生徒の立場としては常に強風向かい風の中にいたであろうことは想像に難くないし、もともと宝塚もヅカ文化も知らずに入って来た彼女はファンにも距離をおいて、入り出待ちのファンに愛想を振りまくこともしなかった。
舞台人としての力もまだまだなのが目立ったけど本人にそこで向上しようという姿も感じられなかったのは、余裕がなかったのか気持ちがなかったのか、とにかく「トップになったからもういいでしょ」と言わんばかりに就任から2年で退団してしまった。その後も、ヅカ出身を隠すことはしないけれど、タカラヅカ〇周年的な記念イベントには一切かかわることなく今日まで来ている。
劇団が、天海のようなアドバンテージを持たない珠城りょうを、なんで異例の抜擢の対象にしたのか、これはもう宇宙的謎といってもいいくらいの謎だ(とある説があることは知っているけど、それならもっとチケットが売れたんじゃないかと思うんだよね?)
龍真咲のトップ時代に3番手の位置にいたころのたまきちは、確かに3番手格としての輝きがあった。場を任される時にはセンターとして目を引く光も吸引力もあった。本人もきっとその頃は楽しかったに違いない。ファンとしてもその頃は「いつかトップになる日」を楽しみにもしていた。
だけど、その頃の月組には、他にも輝いている生徒さんがたくさんいた。組プロデューサーの謎運営で、トップ以下の番手がはっきりとはされていなかったけれど、そういう過酷な中での切磋琢磨はちゃんとあったと感じられて、私はその頃の月組を観に行くのは楽しみだった。
たまきちもその中でちゃんと「珠城りょう」としての色を輝かせていたのに、トップになってその光が一気に弱くなった。
そこから、今の時点で3年、ついに本来の輝きを取り戻すことなく退団発表になった、と感じている。
今思えば、トップお披露目の「グランドホテル」、初演でのトップ涼風真世の役オットー・クリンゲラインをやったのは美弥るりかだった。
その後も常に、美弥るりかが影のトップみたいに言われていて、みやるりはそのことでたまきちのトップとしての立場や成長を邪魔してしまうと感じて身を引いたのかもしれない。
でも、それでたまきちは心の支えを失ったようだった。
2番手が辞めることが、自分の終わりを決めるきっかけになるなんて、よほどのことだと思う。本来だったら、本当に「自分の組、自分の時代」を作ろうという野心のある人だったら、自分が飛び越えてきた上級生が辞めてくれたらある種の解放感があるのではないだろうか。「いざ、これからこそ」と思うのではないかと思う。実際、今まで見て来たトップたちは、就任後の人事をきっかけに段階的に花開いて行った印象がある。
トップとしてのたまきちは、見てられなかった。どうしても自信が持てなかったんだろうと思う。開き直れなかったんだろうと思う。私は「グランドホテル」から「I am from Austria」までの本公演と梅芸の「ON THE TOP」を観たけど、どれも舞台作品として及第点があがられなかった。観ていて辛すぎて、毎回「もう月組は見るのをやめよう」と思いながら帰路についた。そして、そんなこと言わずに応援してあげなきゃ、と思い直すことの繰り返しだった。
記者会見の記事は、ホントに辛くてこちらも泣けて来た。
月組の人事は昔からホントにおかしい。翻弄されてきた生徒は何人もいると感じる。大人の事情があるんじゃないかと邪推せずにはいられない。
1年も先の退団を今発表することにも違和感がある。チケ難と言われるタカラヅカで、月組はいつも「だだ余り」と噂されている。次回は4月から大劇場公演が予定されてるけど、私は今度こそ観るのやめようと思って、トライすらしなかった。次の大劇場の売り出しは3月28日。友の会やぴあ先行はすでに終わっている段階ということを考えると、推して知るべしとも思ってしまう。
まだ発表されていないけど、ミュージック・サロンが決まってるという事は、相手役の美園さくらも添い遂げなんだろうな。本人、辞めたくなさそうな気もするけど、月組には、男役から娘役に転向した蘭世 惠翔・研4(らんぜけいと 君島十和子の娘)がいるからな~・・・娘役で研4ならね・・・ちょうどいいよね・・・
やだやだ。宝塚はある種タニマチ文化だから、大人の事情もそりゃあるだろうけど、外に見えないようにやってくれよと思う。
なんでこう、次から次へと、気持ちが下がることばかりなんだろう・・・・・
今年もまた、またしても、ミュージカル「エリザベート」が上演されます。
去年は帝劇だけだったけど、今年は全国ツアー(といっても、帝劇、御園座、梅芸)
キャストは昨年とほぼ同じで、私は昨年の帝劇で、超良席でマチソワしたばかりなので、今年はいいや〜、と達観してたのです。
ところが、今年は山崎育三郎が初トートだと言うではありませんか。
こりゃあ、観なければなるまい、となりますよね。
娘は娘で、あっちこっちの友だちから一緒に行こうと誘われて、御園座と梅芸はなんとかゲットしたいと言う。
そんなわけで、思い付く限りの先行抽選に申し込んで来ましたが、今のところ全滅。
少なくとも帝劇はほぼムリになった感じで、「あ〜、もういいや〜」とちょっと自暴自棄になってます。
一応、チケット転売サイトも覗いてますが、出品があると即売れてるようで、残っているのはS席1枚10万円近くするようなモノばかり。
そもそも、いっくんトートの回は、出品そのものが少ないようで、今回、狙いは誰しも同じということがわかります。
こんなに集中しちゃったらもうムリだよね〜、宝くじに当るようなもんだわ、と気持ちは荒むばかり。
今回はチケットぴあの先行抽選がなかったので、いつも以上に間口が狭かったし。
転売規制法のような法律ができたはずなんだけど、どこ吹く風で、高額で転売が出てるし。
もうさー、エリザベート専用劇場作ってさー、ロングランしよう!
見たい人たちが気の済むまで観れるくらい、ずーっとやろう!
エリザ女優にはヅカOGがどんどん供給されるし、トート俳優も、2.5次元からも、三浦春馬とか中村倫也とか高橋一生とか歌える俳優さんもいっぱいいるし、全然無理な話じゃないと思うんだよね。
で、時々、合間に他のウィーンミュージカルをさ、「貴婦人の訪問」とか「レベッカ」とか「ダンスオブヴァンパイア」とか「アイアムフロムオーストリア」とか、いくらでもあるよ。
絶対採算取れるよ、ってか、ぶっちゃけ儲かるよ、絶対!
·····と、誰かに訴えたくなるのでした。
昨年でチケ運使い果たしたかなー、はぁ〜(TOT)
去年は帝劇だけだったけど、今年は全国ツアー(といっても、帝劇、御園座、梅芸)
キャストは昨年とほぼ同じで、私は昨年の帝劇で、超良席でマチソワしたばかりなので、今年はいいや〜、と達観してたのです。
ところが、今年は山崎育三郎が初トートだと言うではありませんか。
こりゃあ、観なければなるまい、となりますよね。
娘は娘で、あっちこっちの友だちから一緒に行こうと誘われて、御園座と梅芸はなんとかゲットしたいと言う。
そんなわけで、思い付く限りの先行抽選に申し込んで来ましたが、今のところ全滅。
少なくとも帝劇はほぼムリになった感じで、「あ〜、もういいや〜」とちょっと自暴自棄になってます。
一応、チケット転売サイトも覗いてますが、出品があると即売れてるようで、残っているのはS席1枚10万円近くするようなモノばかり。
そもそも、いっくんトートの回は、出品そのものが少ないようで、今回、狙いは誰しも同じということがわかります。
こんなに集中しちゃったらもうムリだよね〜、宝くじに当るようなもんだわ、と気持ちは荒むばかり。
今回はチケットぴあの先行抽選がなかったので、いつも以上に間口が狭かったし。
転売規制法のような法律ができたはずなんだけど、どこ吹く風で、高額で転売が出てるし。
もうさー、エリザベート専用劇場作ってさー、ロングランしよう!
見たい人たちが気の済むまで観れるくらい、ずーっとやろう!
エリザ女優にはヅカOGがどんどん供給されるし、トート俳優も、2.5次元からも、三浦春馬とか中村倫也とか高橋一生とか歌える俳優さんもいっぱいいるし、全然無理な話じゃないと思うんだよね。
で、時々、合間に他のウィーンミュージカルをさ、「貴婦人の訪問」とか「レベッカ」とか「ダンスオブヴァンパイア」とか「アイアムフロムオーストリア」とか、いくらでもあるよ。
絶対採算取れるよ、ってか、ぶっちゃけ儲かるよ、絶対!
·····と、誰かに訴えたくなるのでした。
昨年でチケ運使い果たしたかなー、はぁ〜(TOT)
今日は、宝塚歌劇団宙組、次期公演の“集合日”(お稽古始めの日)でした。
宝塚では、この集合日にこの公演で退団する組子が公式に発表されます。
それで、ちょっとコアなファンにとって集合日というのは、ちょっと構えて迎える日であるわけですが・・・。
今回発表されたのは、なんと7名。
純矢ちとせ(89期)
澄輝さやと(91期)
愛白もあ(93期)
蒼羽りく(93期)
風輝駿(98期)
はる香心(100期)
雪乃かさり(100期)
大量退団と言っていい人数だと思います。
しかも、89期から93期の4人は、今の宙組にはなくてはならない脇の要である人たちばかり。喪失感は大きく、物理的に大きな穴が開く感覚があります。
ただ、劇団が穴が開いたままにはしておくはずがないので、近いうちに組替え(宝塚の人事異動)も発表されるでしょう。
星組のトップコンビが退団することも決まっており、次期トップの発表も含めて、割とびっくり目の組替えが発表されるのではないかな・・・と思っています。
ヅカ歴30年の口で言わせてもらうと、昔はトップが変わっても「組のカラー」を守る、踏襲する、という傾向だったと思うのですが、最近はトップが変わるたびに「トップのカラー」に染め変える、という傾向を感じます。
つまり、その時のトップさんによって作り上げられた組が一旦壊される、という感覚をここ最近は感じることが多いのです。
それは、その時はとても辛いのですが、交代した新しいトップの「組」が出来上がっていくのを見る喜びというのもまた大きいもので、常に新鮮であり続けるための劇団の「今どきの戦略」なのかなと思います。
宙組も、まかまどコンビ(真風涼帆と星風まどか)に代わってちょうど1年のタイミング。正直、この1年の宙組はぱっとしなかった印象です。
今回の退団、寂しいと思う反面、いよいよ「真風涼帆の宙組」が始動するんだな、と感じています。
宝塚では、この集合日にこの公演で退団する組子が公式に発表されます。
それで、ちょっとコアなファンにとって集合日というのは、ちょっと構えて迎える日であるわけですが・・・。
今回発表されたのは、なんと7名。
純矢ちとせ(89期)
澄輝さやと(91期)
愛白もあ(93期)
蒼羽りく(93期)
風輝駿(98期)
はる香心(100期)
雪乃かさり(100期)
大量退団と言っていい人数だと思います。
しかも、89期から93期の4人は、今の宙組にはなくてはならない脇の要である人たちばかり。喪失感は大きく、物理的に大きな穴が開く感覚があります。
ただ、劇団が穴が開いたままにはしておくはずがないので、近いうちに組替え(宝塚の人事異動)も発表されるでしょう。
星組のトップコンビが退団することも決まっており、次期トップの発表も含めて、割とびっくり目の組替えが発表されるのではないかな・・・と思っています。
ヅカ歴30年の口で言わせてもらうと、昔はトップが変わっても「組のカラー」を守る、踏襲する、という傾向だったと思うのですが、最近はトップが変わるたびに「トップのカラー」に染め変える、という傾向を感じます。
つまり、その時のトップさんによって作り上げられた組が一旦壊される、という感覚をここ最近は感じることが多いのです。
それは、その時はとても辛いのですが、交代した新しいトップの「組」が出来上がっていくのを見る喜びというのもまた大きいもので、常に新鮮であり続けるための劇団の「今どきの戦略」なのかなと思います。
宙組も、まかまどコンビ(真風涼帆と星風まどか)に代わってちょうど1年のタイミング。正直、この1年の宙組はぱっとしなかった印象です。
今回の退団、寂しいと思う反面、いよいよ「真風涼帆の宙組」が始動するんだな、と感じています。
星組トップコンビ退団
2019年2月5日 演劇もう、ボロボロです、ワタクシ……(T0T)
大好きな人たちがどんどん卒業していく……
ヅカファンにとっては、受け入れるしかない宿命なんだけど、こういっぺんに来られるとね……
でも、大好きな紅あーコンビが添い遂げ退団っていうのは、せめてもの慰めです。
最後まで追いかけたい。チケットの神様、1枚でいいですから、どうか最後のナマ紅あーに会わせてくださいませ。
あー、でも、他の誰よりも、紅ゆずるのいない宝塚はあまりにも寂しい、考えられないよ。
※ここから先は私の妄想です。
星トップの退団が発表されて、なんかちょっと腑に落ちたところがある。
多分、劇団はさゆみさんの後継に美弥ちゃんを持ってくる考えはあったと思う。美弥ちゃんにとっては星組は古巣だし、まこっちゃんはまだあと2~3年先でも決して遅くないし。
でも、美弥ちゃんはもともと今年いっぱいでの卒業の意志を固めてたんじゃないかな。だけど、劇団に伝える前にさゆみさんの卒業が決まって、美弥ちゃんに後継の話が来て、美弥ちゃんは断ったんだろうね。で、じゃあ申し訳ないけど、時期は星トップより前にしてってことで、ここまでとなったんだろう。なんかそれで全部辻褄が合う気がする。
うん、きっとそうだ。そう思うことにする。
大好きな人たちがどんどん卒業していく……
ヅカファンにとっては、受け入れるしかない宿命なんだけど、こういっぺんに来られるとね……
でも、大好きな紅あーコンビが添い遂げ退団っていうのは、せめてもの慰めです。
最後まで追いかけたい。チケットの神様、1枚でいいですから、どうか最後のナマ紅あーに会わせてくださいませ。
あー、でも、他の誰よりも、紅ゆずるのいない宝塚はあまりにも寂しい、考えられないよ。
※ここから先は私の妄想です。
星トップの退団が発表されて、なんかちょっと腑に落ちたところがある。
多分、劇団はさゆみさんの後継に美弥ちゃんを持ってくる考えはあったと思う。美弥ちゃんにとっては星組は古巣だし、まこっちゃんはまだあと2~3年先でも決して遅くないし。
でも、美弥ちゃんはもともと今年いっぱいでの卒業の意志を固めてたんじゃないかな。だけど、劇団に伝える前にさゆみさんの卒業が決まって、美弥ちゃんに後継の話が来て、美弥ちゃんは断ったんだろうね。で、じゃあ申し訳ないけど、時期は星トップより前にしてってことで、ここまでとなったんだろう。なんかそれで全部辻褄が合う気がする。
うん、きっとそうだ。そう思うことにする。
嵐の活動休止表明で世間が揺れた2日後、ヅカファンにも突風が吹きました。
前回に日記で書いた、月組「アンナ・カレーニナ」の主役だった美弥るりかが、次回本公演で退団するとのこと。
そのショックは、ヅカファンに復帰してから、いや、ヅカファンになってから最大級かもしれません。
その昔、一旦ヅカファンを辞めるきっかけになった姿月あさとの退団。あれもショックだったけれど、今考えれば、曲がりなりにもトップとしての退団だったから、本人が満足して希望したのなら仕方ない、という受け止め方もできた。
だけど今回は、トップ待望論の真っただ中にいた人が、トップにならずに辞めるという・・・なんなんでしょう、この納得のできなさは。
宝塚には組ごとにプロデューサーがいますが、月組P、出てこい、と言いたい。
2年前、円熟期に入ったともいえる美弥るりかをすっ飛ばしてトップの器には程遠い珠城りょうをトップに据えた理由は?
そこには、みやるりはどうする、という展望があって然るべきだったと思うけれど、今回の結果は想定内なのか。どういう利があって、こうなったのか、説明してくださいよ。
たまきちは、3年先、4年先でのトップ就任でも充分だったと思うし、むしろその方がもっと輝いたと思う。今の月組、どうなんですか?毎回「美弥ちゃんがいたからこそ」と言われる現状を、どう思っているんですか。
私は、組運営の失敗、プロデューサー失格だと思う。
宝塚は大きな逸材を花開かせることなく失わせました。
本人が納得してるならいいじゃないかとか、もはやそういう問題ではありません。
タカラヅカ人事には、いろんな大人の事情が絡んでいるというのはある意味周知の事ではあるけれど、ヅカを生かしているのはそういう人たちだけなのか。
私たちの、60公演の中の1枚は、そんなにも力がないのか。
こんな形の退団でも、みやちゃんは「これからも月組をよろしくお願いします。」って言って辞めていくんだろうと思うと辛い。
私は、こんな形でみやちゃんがいなくなった月組を、見続けることができないような気がします。
前回に日記で書いた、月組「アンナ・カレーニナ」の主役だった美弥るりかが、次回本公演で退団するとのこと。
そのショックは、ヅカファンに復帰してから、いや、ヅカファンになってから最大級かもしれません。
その昔、一旦ヅカファンを辞めるきっかけになった姿月あさとの退団。あれもショックだったけれど、今考えれば、曲がりなりにもトップとしての退団だったから、本人が満足して希望したのなら仕方ない、という受け止め方もできた。
だけど今回は、トップ待望論の真っただ中にいた人が、トップにならずに辞めるという・・・なんなんでしょう、この納得のできなさは。
宝塚には組ごとにプロデューサーがいますが、月組P、出てこい、と言いたい。
2年前、円熟期に入ったともいえる美弥るりかをすっ飛ばしてトップの器には程遠い珠城りょうをトップに据えた理由は?
そこには、みやるりはどうする、という展望があって然るべきだったと思うけれど、今回の結果は想定内なのか。どういう利があって、こうなったのか、説明してくださいよ。
たまきちは、3年先、4年先でのトップ就任でも充分だったと思うし、むしろその方がもっと輝いたと思う。今の月組、どうなんですか?毎回「美弥ちゃんがいたからこそ」と言われる現状を、どう思っているんですか。
私は、組運営の失敗、プロデューサー失格だと思う。
宝塚は大きな逸材を花開かせることなく失わせました。
本人が納得してるならいいじゃないかとか、もはやそういう問題ではありません。
タカラヅカ人事には、いろんな大人の事情が絡んでいるというのはある意味周知の事ではあるけれど、ヅカを生かしているのはそういう人たちだけなのか。
私たちの、60公演の中の1枚は、そんなにも力がないのか。
こんな形の退団でも、みやちゃんは「これからも月組をよろしくお願いします。」って言って辞めていくんだろうと思うと辛い。
私は、こんな形でみやちゃんがいなくなった月組を、見続けることができないような気がします。
宝塚月組「アンナ・カレーニナ」ライブビューイング
2019年1月24日 演劇
どうしても観たかったけど大劇場SS席より入手困難なバウホール公演。
今はライブビューイングというものがあって、本当にありがたい。
おかげさまで観ることができました。
ちょっと興奮気味です。
もっっっのすごく良かった!
一応「ミュージカル」なんですが、ストレートプレイに近い、見ごたえのあるお芝居でした。
将来を嘱望されている美しい青年貴族将校のヴィロンスキーに、月組2番手・美弥るりか。美とエロスがあふれ出る完璧なヴィロンスキー。
どんな一瞬の表情も完璧。そして、情熱的な愛のセリフの数々が似合うこと似合うこと。メモっておきたいくらいだった(原作から取られてるなら読みたい)。
アンナを抱きしめ、唇から迫っていくの。キスをするのではないのよ、ただ抱きしめるだけなんだけど、まず唇がね、アンナに吸い寄せられるの。あんな風に迫られて心が揺れない女はいないと思うよ~、クラクラするよ~。
アンナ・カレーニナに研8の海乃美月。美しい!お芝居も歌も完璧!どんなに恋に溺れても品を失わない佇まいが素晴らしい!
アンナの夫・アレクセイ・カレーニンに、3番手の月城かなと。冷徹なように見えて、内面に深い愛情と寛容を湛えている大人。ほとんど表情が変わらない中で、その人間性が少しずつ見えてくる過程をしっかり表現していて素晴らしかった。
冒頭、ヴィロンスキーの結婚相手と思われている貴族の娘・キティに、研1のきよら羽龍。まだふっくらしている子供っぽさが役にハマっているアドバンテージがある上で、お芝居も歌もすでに安心できるレベル。
そのキティにずっと片想いをしていて、最後は想いが叶う田舎貴族のコンスタンチンに研9の夢奈瑠音。田舎の領地を誠実に守る朴訥な貴族という役どころで、若さ、誠実さ、潔さ、そして貴族としての品がそろっていて素晴らしい。
ヴィロンスキーの旧友でライバルのセルプホフスコイの英かおと、なんと研6、ヴィロンスキーの美弥るりかとは10年差がありながらも同期の役を堂々と!素晴らしい!
お芝居にどんどん引き込まれるにつれ、私の中では心の奥底に抑え込んでいた思いがムラムラと湧き上がって着てしまいました。
2016年に引退した龍真咲の後継が、なんで美弥ちゃんじゃダメだったの?
どんな理由があって、どう考えても力のある美弥ちゃんをすっ飛ばして、当時研9だったたまきちを強引にトップに据えたの?
私は、今日だけ、正直な事を書いちゃいます。
今の月組はチケット買って1時間半かけて劇場まで行って観ようとは思わないです。トップになってからの珠城りょう、お披露目からの本公演作品4作観てきて、これから先はライビュでいいなと思っています。なぜならばね、今までは、トップ娘役が愛希れいかだったから観て来たけど、見る度に、美弥ちゃんの方がイイのね。なんでたまきちだったんだろうって、どうしても思っちゃって、そのモヤモヤを晴らしてくれるたまきちではないのね。
でも、たまきちに罪はない、本人は頑張ってるから。
だから明日からはもう言わないけど、今日はもう、強烈に思ってしまった。この二人(美弥るりか&海乃美月)のトップコンビが観たい!って。
一昨日の星組は「タカラヅカを観る幸せ」を感じた舞台。
今日の月組は「お芝居を観る幸せ」を感じた舞台。
今日観たものがブルーレイになるらしいので、絶対に買います。
永久保存版です。
今はライブビューイングというものがあって、本当にありがたい。
おかげさまで観ることができました。
ちょっと興奮気味です。
もっっっのすごく良かった!
一応「ミュージカル」なんですが、ストレートプレイに近い、見ごたえのあるお芝居でした。
将来を嘱望されている美しい青年貴族将校のヴィロンスキーに、月組2番手・美弥るりか。美とエロスがあふれ出る完璧なヴィロンスキー。
どんな一瞬の表情も完璧。そして、情熱的な愛のセリフの数々が似合うこと似合うこと。メモっておきたいくらいだった(原作から取られてるなら読みたい)。
アンナを抱きしめ、唇から迫っていくの。キスをするのではないのよ、ただ抱きしめるだけなんだけど、まず唇がね、アンナに吸い寄せられるの。あんな風に迫られて心が揺れない女はいないと思うよ~、クラクラするよ~。
アンナ・カレーニナに研8の海乃美月。美しい!お芝居も歌も完璧!どんなに恋に溺れても品を失わない佇まいが素晴らしい!
アンナの夫・アレクセイ・カレーニンに、3番手の月城かなと。冷徹なように見えて、内面に深い愛情と寛容を湛えている大人。ほとんど表情が変わらない中で、その人間性が少しずつ見えてくる過程をしっかり表現していて素晴らしかった。
冒頭、ヴィロンスキーの結婚相手と思われている貴族の娘・キティに、研1のきよら羽龍。まだふっくらしている子供っぽさが役にハマっているアドバンテージがある上で、お芝居も歌もすでに安心できるレベル。
そのキティにずっと片想いをしていて、最後は想いが叶う田舎貴族のコンスタンチンに研9の夢奈瑠音。田舎の領地を誠実に守る朴訥な貴族という役どころで、若さ、誠実さ、潔さ、そして貴族としての品がそろっていて素晴らしい。
ヴィロンスキーの旧友でライバルのセルプホフスコイの英かおと、なんと研6、ヴィロンスキーの美弥るりかとは10年差がありながらも同期の役を堂々と!素晴らしい!
お芝居にどんどん引き込まれるにつれ、私の中では心の奥底に抑え込んでいた思いがムラムラと湧き上がって着てしまいました。
2016年に引退した龍真咲の後継が、なんで美弥ちゃんじゃダメだったの?
どんな理由があって、どう考えても力のある美弥ちゃんをすっ飛ばして、当時研9だったたまきちを強引にトップに据えたの?
私は、今日だけ、正直な事を書いちゃいます。
今の月組はチケット買って1時間半かけて劇場まで行って観ようとは思わないです。トップになってからの珠城りょう、お披露目からの本公演作品4作観てきて、これから先はライビュでいいなと思っています。なぜならばね、今までは、トップ娘役が愛希れいかだったから観て来たけど、見る度に、美弥ちゃんの方がイイのね。なんでたまきちだったんだろうって、どうしても思っちゃって、そのモヤモヤを晴らしてくれるたまきちではないのね。
でも、たまきちに罪はない、本人は頑張ってるから。
だから明日からはもう言わないけど、今日はもう、強烈に思ってしまった。この二人(美弥るりか&海乃美月)のトップコンビが観たい!って。
一昨日の星組は「タカラヅカを観る幸せ」を感じた舞台。
今日の月組は「お芝居を観る幸せ」を感じた舞台。
今日観たものがブルーレイになるらしいので、絶対に買います。
永久保存版です。
宝塚星組「霧深きエルベのほとり/ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~」
2019年1月22日 演劇
星組、観てきました・・・ほわぁ~…* ゚ + 。・゚・。・ヽ(*´∀`)ノ・。・。・゚+ ゚*…えがった・・・
星組はやっぱり私には特別。いつも書いてることかもしれないけど、「タカラヅカ、観た♪」っていう満足感と至福感を一番たくさんくれる組。
◇霧深きエルベのほとり
作・菊田一夫、1963年初演の宝塚の古典を、今、悲恋を描かせたら右に出る者はいない上田久美子氏が潤色・演出。
良家のお嬢様とガサツな船乗りの身分違いの恋。
今、これ?って思ったんでしたが。私は昭和の少女漫画の洗礼をどっぷり受けている世代なのでドツボだけど、「ガサツだけど純で優しい男」とか「船乗り」とかのカッコよさが、今は通じないんじゃないかな、とか。
実際、娘なんかと一緒に行ったらクソミソだったかもしれないけど、一人だったので「古き良き宝塚」の世界を堪能してきました。
紅ゆずるのカールがイイ!港の酒場で、家出してきたマルギットと出会って、誘い出して、口説く。
マルギットが惹かれていくのがすごくよくわかる。一緒にドキドキ、キュンキュン。
マルギットに悪気は微塵もないのよね、ただ世間知らずなだけで。単細胞なようで、そこはやっぱり大人なカール、それを良くわかっていて、彼女の想いを断ち切るために芝居を打って身を引く。
だけど、自分の想いは簡単には断ち切れなくて、酒場の女の膝で男泣きに泣く。
もうね、よしよし、偉かったね、頑張ったねって・・・ぐすっ
ハンブルグのビール祭りの1週間の物語で、オープニングはひとしきり祭りの盛り上がりをショー形式で展開して、その後も暗くなる一方の物語の折々に祭りの喧騒を差し込んで、うまい展開だなと思いました。
カールの船乗り仲間の面々もそれぞれ個性的で面白かったし、今回で卒業となるかいちゃん(七海ひろき)の見せ場もちゃんとあって、隙のないしっかりした作品に仕上がっていたという印象です。
◇ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~
お正月にNHKで初日公演が放送された時には、「うーん、微妙~・・・」という印象で、それは私だけでなく多くのヅカファンが同じように感じたらしかったのだけど。
実際に見てみたら、とっっっても良かった!!!
もう、キラッキラですよ、星組の星たちが、もうみんな輝いていて眩しかったです。
照明とかセットとかも、実際に見た方がずっとずっと華やかで、ホントにステキなショーでした。
今回、特徴的に感じたのが、トップコンビでの絡みが多かったっていうのと、まこっちゃん(礼真琴)を筆頭に若手のダンスが光っていたっていうこと。
紅ゆずる&綺咲 愛里のコンビは、すごく良い状態に出来上がって来たなと思います。
っていうか、この「年の差コンビ」が個人的にすごく好きなんです。さゆみさん(紅ゆずる)の包容力とか、あいりちゃんのさゆみさんへの信頼と安心感とかが伝わってくる、ような気がして、久しぶりに見ていてときめくコンビです。
そんな2人の絡みが多い構成になっているってことは、そんな印象もあながち外れてはいないんじゃないかなー、と。
知っている曲が多くて、それに関しても賛否両論だけど、私は楽しくてよかったです。
それに、けっこう各場、工夫が凝らされていてよかったよ。特に「銀河鉄道の夜」をモチーフに作られた場はとても宝塚らしくて素敵だったし、あいりちゃんがセンターのダンスシーンが2場あるのも、カッコよくて色っぽくて、娘役さんたちのこんなシーンもなかなか見られないと思うし。
録画してあるお正月のNHK放送、しばらくリピートしまくってしまいそうです。
ところで、蛇足なんだけど・・・。
今日、さあこれから観劇、というタイミングで、どこぞの国のM子姫の婚約者(仮)のK氏が、結婚のネックになっている金銭問題に関してコメントを出す、というニュースが入ってきて。
観ていたお芝居がまさに、「由緒ある良家のお嬢様と、貧乏船乗りの恋」の物語、周囲から結婚に反対され、カール本人もマルギットのためには自分は身を引くべきだと思いを決めて、手切れ金を受け取って「あばよ」、と見せておいて、最後に酒場の女に「折を見てこれを返しておいてくれ」って渡して去る。
・・・・という展開を観ていて、どうにも現実に引き戻されること度々で。
やっぱり、お金って、そう簡単に「もらって」はいけないものなんじゃないのかなぁ、と。
なにがあっても、そこは「最後の砦」で、キレイにしておくべきところなんじゃないのかなぁ、と。
野次馬的に、いろいろ思うことはあるけれど、親の問題であって子どもは関係ないだろう(母親はなにをしているわけ?)とか、相手方の、こういうタイミングでマスコミに暴露するというやり方はどうなん?とか。
だけど、とりあえず、「もらったと思った」お金であっても、相手が「あげてない」というなら、「返せ」と言われたら返すのが筋なんじゃないのかなぁ、それでキレイさっぱり片付く問題なんじゃないのかなぁ、なんでそれをしないのかなぁ・・・などど、私が考えても仕方ないことに、しばし思考を奪われた帰り路でした。
星組はやっぱり私には特別。いつも書いてることかもしれないけど、「タカラヅカ、観た♪」っていう満足感と至福感を一番たくさんくれる組。
◇霧深きエルベのほとり
作・菊田一夫、1963年初演の宝塚の古典を、今、悲恋を描かせたら右に出る者はいない上田久美子氏が潤色・演出。
良家のお嬢様とガサツな船乗りの身分違いの恋。
今、これ?って思ったんでしたが。私は昭和の少女漫画の洗礼をどっぷり受けている世代なのでドツボだけど、「ガサツだけど純で優しい男」とか「船乗り」とかのカッコよさが、今は通じないんじゃないかな、とか。
実際、娘なんかと一緒に行ったらクソミソだったかもしれないけど、一人だったので「古き良き宝塚」の世界を堪能してきました。
紅ゆずるのカールがイイ!港の酒場で、家出してきたマルギットと出会って、誘い出して、口説く。
マルギットが惹かれていくのがすごくよくわかる。一緒にドキドキ、キュンキュン。
マルギットに悪気は微塵もないのよね、ただ世間知らずなだけで。単細胞なようで、そこはやっぱり大人なカール、それを良くわかっていて、彼女の想いを断ち切るために芝居を打って身を引く。
だけど、自分の想いは簡単には断ち切れなくて、酒場の女の膝で男泣きに泣く。
もうね、よしよし、偉かったね、頑張ったねって・・・ぐすっ
ハンブルグのビール祭りの1週間の物語で、オープニングはひとしきり祭りの盛り上がりをショー形式で展開して、その後も暗くなる一方の物語の折々に祭りの喧騒を差し込んで、うまい展開だなと思いました。
カールの船乗り仲間の面々もそれぞれ個性的で面白かったし、今回で卒業となるかいちゃん(七海ひろき)の見せ場もちゃんとあって、隙のないしっかりした作品に仕上がっていたという印象です。
◇ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~
お正月にNHKで初日公演が放送された時には、「うーん、微妙~・・・」という印象で、それは私だけでなく多くのヅカファンが同じように感じたらしかったのだけど。
実際に見てみたら、とっっっても良かった!!!
もう、キラッキラですよ、星組の星たちが、もうみんな輝いていて眩しかったです。
照明とかセットとかも、実際に見た方がずっとずっと華やかで、ホントにステキなショーでした。
今回、特徴的に感じたのが、トップコンビでの絡みが多かったっていうのと、まこっちゃん(礼真琴)を筆頭に若手のダンスが光っていたっていうこと。
紅ゆずる&綺咲 愛里のコンビは、すごく良い状態に出来上がって来たなと思います。
っていうか、この「年の差コンビ」が個人的にすごく好きなんです。さゆみさん(紅ゆずる)の包容力とか、あいりちゃんのさゆみさんへの信頼と安心感とかが伝わってくる、ような気がして、久しぶりに見ていてときめくコンビです。
そんな2人の絡みが多い構成になっているってことは、そんな印象もあながち外れてはいないんじゃないかなー、と。
知っている曲が多くて、それに関しても賛否両論だけど、私は楽しくてよかったです。
それに、けっこう各場、工夫が凝らされていてよかったよ。特に「銀河鉄道の夜」をモチーフに作られた場はとても宝塚らしくて素敵だったし、あいりちゃんがセンターのダンスシーンが2場あるのも、カッコよくて色っぽくて、娘役さんたちのこんなシーンもなかなか見られないと思うし。
録画してあるお正月のNHK放送、しばらくリピートしまくってしまいそうです。
ところで、蛇足なんだけど・・・。
今日、さあこれから観劇、というタイミングで、どこぞの国のM子姫の婚約者(仮)のK氏が、結婚のネックになっている金銭問題に関してコメントを出す、というニュースが入ってきて。
観ていたお芝居がまさに、「由緒ある良家のお嬢様と、貧乏船乗りの恋」の物語、周囲から結婚に反対され、カール本人もマルギットのためには自分は身を引くべきだと思いを決めて、手切れ金を受け取って「あばよ」、と見せておいて、最後に酒場の女に「折を見てこれを返しておいてくれ」って渡して去る。
・・・・という展開を観ていて、どうにも現実に引き戻されること度々で。
やっぱり、お金って、そう簡単に「もらって」はいけないものなんじゃないのかなぁ、と。
なにがあっても、そこは「最後の砦」で、キレイにしておくべきところなんじゃないのかなぁ、と。
野次馬的に、いろいろ思うことはあるけれど、親の問題であって子どもは関係ないだろう(母親はなにをしているわけ?)とか、相手方の、こういうタイミングでマスコミに暴露するというやり方はどうなん?とか。
だけど、とりあえず、「もらったと思った」お金であっても、相手が「あげてない」というなら、「返せ」と言われたら返すのが筋なんじゃないのかなぁ、それでキレイさっぱり片付く問題なんじゃないのかなぁ、なんでそれをしないのかなぁ・・・などど、私が考えても仕方ないことに、しばし思考を奪われた帰り路でした。
梅田芸術劇場「新演出版ミュージカル マリー・アントワネット」
2019年1月15日 演劇 コメント (2)12日(土)、「インフル治った~、間に合った~♪」とウキウキ出かけた梅田芸術劇場。
もちろん、しっかりマスクして行きましたが、観劇中に、なんだか咳が出るわ、劇場の空気のせいかしら、とのど飴舐めながらなんとか凌いだものの、帰宅途中から喉が痛みだして、夜寝るころにはつばを飲み込むのもしんどい、という状態に。
結局また熱が出て、市販の薬は全く効かず、昨日休日診療の病院に行って2時間待って抗生剤をもらってきてようやく回復に向かっています。
こんなにこじらせたのは人生初めてぐらいでは?
参りました。
ですが、インフルと喉風邪のはざまでなんとか観れてよかった「マリー・アントワネット」。
キャストは
アントワネット:花總まり
マルグリット・アルノ―:昆夏美
フェルゼン伯爵:古川雄大
ルイ16世:佐藤隆紀
レオナール:駒田一
ローズ・ベルタン:彩吹真央
ジャック・エベール:坂元健児
ランバル侯爵夫人:彩乃かなみ
オルレアン公:吉原光夫
ロアン大司教:中山昇
ラ・モット夫人:真記子
べメール:中西勝之
ギヨタン博士:松澤重雄
2006年、日本初演のミュージカルですが、日本ではぱっとせず、逆にヨーロッパで受け入れられて、韓国で改訂版が作られてそれがまたヨーロッパで公演されて、ようやく日本でも「新演出版」として再度披露されることになった、という作品。
初演版の原型がどのくらい残っているのか、こうなってみると「見ておけばよかったな~」と今更なことを思います。
きっと、この10年超のミュージカルの進化が如実に反映されてるんだろうな~、と、それを実感してみたかったな、と。
遠藤周作の「マリー・アントワネット」を原作として取っているので、マリーアントワネットともう一人、マルグリット・アルノ―という庶民側の女性もほぼ主役級として登場します(つまり二人のMAの物語、なんですね)。
最初は対極にいる二人が、紆余曲折を経て距離が近づくことで、人として通じる瞬間が出てくる・・・という感じでしょうか。
「エリザベート」のように、王家に生きる個人的苦悩を掘り下げるというのではなく、「レディ・ベス」のように1人の女性が王になるまでの成長を描くのでもなく、「革命」という事象におけるそれぞれの階級の役割を描く、みたいな・・・そんな風に私には見えました。
史実から見てもフェルゼン伯爵との恋愛は確かなことだったようですが、今回は2人が「アクセル」「マリー」と呼び合うのがすごく新鮮で、本当にアントワネットにとっては大きな心の支えだっただろうなぁと実感しました。
それでも最後まで王妃として全うすることを選んだのもまた史実であって、それだけで彼女は天から与えられた役割を果たしたと言えるんじゃないかと思いましたねー。
まあ、なんにしても大変な時代でしたよね。人の進化の過程なのかもしれないけど、あらためて「革命とはなんぞや」と勉強し直したくなるような作品でもありました。
もちろん、しっかりマスクして行きましたが、観劇中に、なんだか咳が出るわ、劇場の空気のせいかしら、とのど飴舐めながらなんとか凌いだものの、帰宅途中から喉が痛みだして、夜寝るころにはつばを飲み込むのもしんどい、という状態に。
結局また熱が出て、市販の薬は全く効かず、昨日休日診療の病院に行って2時間待って抗生剤をもらってきてようやく回復に向かっています。
こんなにこじらせたのは人生初めてぐらいでは?
参りました。
ですが、インフルと喉風邪のはざまでなんとか観れてよかった「マリー・アントワネット」。
キャストは
アントワネット:花總まり
マルグリット・アルノ―:昆夏美
フェルゼン伯爵:古川雄大
ルイ16世:佐藤隆紀
レオナール:駒田一
ローズ・ベルタン:彩吹真央
ジャック・エベール:坂元健児
ランバル侯爵夫人:彩乃かなみ
オルレアン公:吉原光夫
ロアン大司教:中山昇
ラ・モット夫人:真記子
べメール:中西勝之
ギヨタン博士:松澤重雄
2006年、日本初演のミュージカルですが、日本ではぱっとせず、逆にヨーロッパで受け入れられて、韓国で改訂版が作られてそれがまたヨーロッパで公演されて、ようやく日本でも「新演出版」として再度披露されることになった、という作品。
初演版の原型がどのくらい残っているのか、こうなってみると「見ておけばよかったな~」と今更なことを思います。
きっと、この10年超のミュージカルの進化が如実に反映されてるんだろうな~、と、それを実感してみたかったな、と。
遠藤周作の「マリー・アントワネット」を原作として取っているので、マリーアントワネットともう一人、マルグリット・アルノ―という庶民側の女性もほぼ主役級として登場します(つまり二人のMAの物語、なんですね)。
最初は対極にいる二人が、紆余曲折を経て距離が近づくことで、人として通じる瞬間が出てくる・・・という感じでしょうか。
「エリザベート」のように、王家に生きる個人的苦悩を掘り下げるというのではなく、「レディ・ベス」のように1人の女性が王になるまでの成長を描くのでもなく、「革命」という事象におけるそれぞれの階級の役割を描く、みたいな・・・そんな風に私には見えました。
史実から見てもフェルゼン伯爵との恋愛は確かなことだったようですが、今回は2人が「アクセル」「マリー」と呼び合うのがすごく新鮮で、本当にアントワネットにとっては大きな心の支えだっただろうなぁと実感しました。
それでも最後まで王妃として全うすることを選んだのもまた史実であって、それだけで彼女は天から与えられた役割を果たしたと言えるんじゃないかと思いましたねー。
まあ、なんにしても大変な時代でしたよね。人の進化の過程なのかもしれないけど、あらためて「革命とはなんぞや」と勉強し直したくなるような作品でもありました。
2019年の初芝居は、大阪松竹座の初春大歌舞伎夜の部「金門五三桐」。
石川五右衛門が桜を眺めて「絶景かな、絶景かな・・・」と言うセリフで有名な作品、原作は江戸時代のものですが、長らくその有名な場面しか上演されなかったのを、(プログラムによると昭和42年に)先代猿之助(現・猿翁)が通し狂言として復活させたもの、だそうです。
幕開き、まず、嵐の海で船がどこぞの浜に漂着して、そこで秀吉の家臣が、唐人(中国人)による日本転覆の野望が書かれている石碑を見つける、という場面があり、ひとしきり芝居が進むと役者たちが客席に向き直り「さて、今ご覧いただいたのがこの話の発端です」と説明する「歌舞伎的プロローグ」があって、いよいよ本編の始まりとなります。
人物関係は、誰かと誰かが兄妹弟だったり親子だったり主従だったりと複雑ですが、3役を担っている片岡愛之助が石川五右衛門として登場するあたりからは、演出も派手になり見せ場も多くなり、名セリフもいろいろ出てきて話も分かりやすくなってきます。
特に、五右衛門が自分の身内であることを見分けるアイテムとして蘭奢木(らんじゃぼく)というお香があるのですが、それが舞台上で実際に焚かれて2階席までその香りが届いてくるのが、なんだかとても良かったです。
舞台全面に桜が咲き乱れて、その中に赤い楼門、そこにキセルを構えた金襴の衣裳の石川五右衛門、という「絶景かな・・」の場面。
2階席からだと一目で、1枚の絵のように視界に収まってその美しさは格別!
主演は「当代随一の人気役者」という言葉がピッタリの片岡愛之助。
1人3役を務め、早替りあり、殺陣あり(花道で2階席に梯子をかけて登ってくる!)、六方ありだんまりあり、そして最後は宙乗りと、もう、八面六臂の活躍です。
脇を固めるのは、成駒屋の皆さん。
中村扇雀の白鷹の精が凛として美しく、踊りも確かで見惚れました。
そして若手の2人。中村鴈治郎さんの息子の中村壱太郎くん(女形)と、中村扇雀さんの息子の中村虎之介くん(立役)。こういうのを血は争えないというのか、これから先間違いなく素晴らしい歌舞伎役者になっていくと確信の持てる二人でワクワク、惚れ惚れしました。
一緒に行くはずだった夫がインフルで寝込んでしまい高熱でぐったりしていたので、行くのを一瞬迷いましたが、「七草がゆ作っといたし」とあとは子どもたちに任せて行ってきました。
お正月に歌舞伎を観るというのはやっぱりちょっと特別感がありますね。
幸せな観劇でした。
石川五右衛門が桜を眺めて「絶景かな、絶景かな・・・」と言うセリフで有名な作品、原作は江戸時代のものですが、長らくその有名な場面しか上演されなかったのを、(プログラムによると昭和42年に)先代猿之助(現・猿翁)が通し狂言として復活させたもの、だそうです。
幕開き、まず、嵐の海で船がどこぞの浜に漂着して、そこで秀吉の家臣が、唐人(中国人)による日本転覆の野望が書かれている石碑を見つける、という場面があり、ひとしきり芝居が進むと役者たちが客席に向き直り「さて、今ご覧いただいたのがこの話の発端です」と説明する「歌舞伎的プロローグ」があって、いよいよ本編の始まりとなります。
人物関係は、誰かと誰かが兄妹弟だったり親子だったり主従だったりと複雑ですが、3役を担っている片岡愛之助が石川五右衛門として登場するあたりからは、演出も派手になり見せ場も多くなり、名セリフもいろいろ出てきて話も分かりやすくなってきます。
特に、五右衛門が自分の身内であることを見分けるアイテムとして蘭奢木(らんじゃぼく)というお香があるのですが、それが舞台上で実際に焚かれて2階席までその香りが届いてくるのが、なんだかとても良かったです。
舞台全面に桜が咲き乱れて、その中に赤い楼門、そこにキセルを構えた金襴の衣裳の石川五右衛門、という「絶景かな・・」の場面。
2階席からだと一目で、1枚の絵のように視界に収まってその美しさは格別!
主演は「当代随一の人気役者」という言葉がピッタリの片岡愛之助。
1人3役を務め、早替りあり、殺陣あり(花道で2階席に梯子をかけて登ってくる!)、六方ありだんまりあり、そして最後は宙乗りと、もう、八面六臂の活躍です。
脇を固めるのは、成駒屋の皆さん。
中村扇雀の白鷹の精が凛として美しく、踊りも確かで見惚れました。
そして若手の2人。中村鴈治郎さんの息子の中村壱太郎くん(女形)と、中村扇雀さんの息子の中村虎之介くん(立役)。こういうのを血は争えないというのか、これから先間違いなく素晴らしい歌舞伎役者になっていくと確信の持てる二人でワクワク、惚れ惚れしました。
一緒に行くはずだった夫がインフルで寝込んでしまい高熱でぐったりしていたので、行くのを一瞬迷いましたが、「七草がゆ作っといたし」とあとは子どもたちに任せて行ってきました。
お正月に歌舞伎を観るというのはやっぱりちょっと特別感がありますね。
幸せな観劇でした。
シアター・ドラマシティ「レベッカ」あえての感想
2018年12月26日 演劇先週でしたが、観てきました。
感想は書かないでおこうかとも思ったのですが、ミュージカルファンとして、書いておくべきかと思い直しました。
5年前に開催された「ウィーンミュージカルコンサート2」で、メインはドイツ語圏ミュージカル界のスターさんたちだったのですが、日替わりゲストで出演した韓国のオク・ジュヒョンさんがこの「レベッカ」のダンヴァース夫人のナンバーを歌い上げ、私と娘は圧倒され、それ以来、いつか観たい、と願い続けて来た作品、「レベッカ」。
キャストは、
・マキシム・ド・ウィンター(マンダレイという広大な土地を持つ)…山口祐一郎
・マキシムと結婚する「わたし」…大塚千弘
・マキシムの親友・フランク…石川禅
・レベッカの従兄弟・ジャック…吉野圭吾
・マキシムの姉・ベアトリス…出雲綾
・保安官・ジュリアン大佐…今拓哉
・ベアトリスの夫・ジャイルズ…KENTARO
・マンダレイの海辺にいる男・ベン…tekkan
・ヴァン・ホッパー夫人…森公美子
・レベッカの幼少時からの召使でマンダレイを取り仕切る女中頭・ダンヴァース夫人…涼風真世
何といってもダンヴァース夫人の涼風真世。
真の主役、と言っても過言ではないのでは?
亡くなったレベッカの部屋で、「レベッカ様」を思い歌うダンヴァース夫人の、妖しさ、危うさと言ったら!
ダブルキャストの保坂千寿も評判良かったようで、できることならどちらも観てみたかったです。
クンツェ&リーヴァイ節炸裂の、間違いのない素晴らしい作品だった・・・と感動する反面、演出的に残念なところが1か所。
それと、主役の2人がこなしきれていない・・・という物足りなさを感じた舞台でもありました。
演出面では、1幕ラスト。
パーティーに、ある扮装で登場する「わたし」。
それは、ダンヴァース夫人の罠だったわけなんですが、あそこはもっと「タメ」が必要でしょう!
あまりにもあっさりしすぎで、不穏な空気というのが醸し出される前に幕が下りてしまった感じで、もったいなかったです。
そして、主役のお二人はというと。
大塚千弘さんは、華奢なスタイル、透明感のあるキレイな声、清純派と形容したくなる容姿は「わたし」のキャラクターにピッタリ。お芝居はすごく良かったんです。おどおどと戸惑っているうちに罠に落とされて終わる1幕から、立ち向かおうと前を向く2幕での切り替えがすごく良くて、「わたし」という人物がちゃんとそこにいました。
だけど、肝心の歌が。音程はしっかりしているんだけど、とにかく声量がなさ過ぎる。
ソロでもかなり細い歌声なのに、アンサンブルになったり、他の人との掛け合いやデュエットになると、歌声が完全に負けてしまって聞こえないのです。
それがすごくストレスでした。
そして主役の山口祐一郎氏。
劇団四季の時代を知っています。華やかなスターでした。キャッツのラム・タム・タガー、エビータのペロン、コーラスラインのボビー、どれも覚えています。
あの頃は「歌える人」というイメージだったのですが。
四季退団後の山口氏を初めて観たのが何の作品だったか、多分2005年の「モーツァルト!」のコロレド大司教だったかなと思うのですが、それ以来この方の歌に対して苦手意識があります。四季の頃からこんな歌い方だったかな、という違和感を感じつつも、好きになれず。
だけど、巷では人気があるし、ファンの方からは「歌が上手い」という評価があるようだったので、この歌い方がこの方の個性であるという受け止め方で観てきました。
けれど、今回はどうにも。
失礼ながら、もう声が出ていませんよね?というか、歌えていませんよね?
もともと、声にもなっていないような小さな声、ファンの間では(?)「ウィスパーヴォイス」と言われて好評(?)な声も、私には「何言ってんのかわかんないよ!」とストレスの素だったのですが、それでも、2016年の「ダンスオブヴァンパイア」の時には、お腹から声を出して歌い上げるようなシーンではそれなりに歌えていて、クロロック伯爵という役はこの方に合っているのだなと納得できたものでした。
が、今回は。
ウィスパーボイスはさらに「ウィスパー」になっていて、もはや歌の態をなしていないし、声を張って歌う場面でも声を出すのに必死で、メロディラインが見えてこないのです。もともとお芝居の面でもそれほど多様性のある方ではないので、歌があそこまで崩れてしまうと、とてもじゃないけど役を表現するといったことができているようには見えず。
私には、マキシムという人物の苦悩がどこにあるのか、「わたし」に対しての気持ちがどういうものなのか、さっぱりわからず。
今回、大劇場ではなく、キャパ898人のシアター・ドラマシティの6列目で観ていてこの状態というのはどうなんだ、と考えざるを得ませんでした。
レミゼやエリザなどの大作は「卒業」的な状態で退かれましたが、まだまだ主役および主要な役でキャステイングされています。
「レディ・ベス」や「貴婦人の訪問」、「マディソン郡の橋」、「王家の紋章」・・・どれも魅力的な役ばかり。
そして今回の「レベッカ」。原作は古典とも言える古い作品ですが、愛とサスペンスに満ち溢れた素晴らしい作品でした。本来ならマキシムと言う人はもっとミステリアスで、そうであるからこそ「わたし」を通して観客は翻弄され、それがこの舞台の醍醐味であるはずなんです。
上記どの作品も、きちんと歌える方での再演を切に望みます。
感想は書かないでおこうかとも思ったのですが、ミュージカルファンとして、書いておくべきかと思い直しました。
5年前に開催された「ウィーンミュージカルコンサート2」で、メインはドイツ語圏ミュージカル界のスターさんたちだったのですが、日替わりゲストで出演した韓国のオク・ジュヒョンさんがこの「レベッカ」のダンヴァース夫人のナンバーを歌い上げ、私と娘は圧倒され、それ以来、いつか観たい、と願い続けて来た作品、「レベッカ」。
キャストは、
・マキシム・ド・ウィンター(マンダレイという広大な土地を持つ)…山口祐一郎
・マキシムと結婚する「わたし」…大塚千弘
・マキシムの親友・フランク…石川禅
・レベッカの従兄弟・ジャック…吉野圭吾
・マキシムの姉・ベアトリス…出雲綾
・保安官・ジュリアン大佐…今拓哉
・ベアトリスの夫・ジャイルズ…KENTARO
・マンダレイの海辺にいる男・ベン…tekkan
・ヴァン・ホッパー夫人…森公美子
・レベッカの幼少時からの召使でマンダレイを取り仕切る女中頭・ダンヴァース夫人…涼風真世
何といってもダンヴァース夫人の涼風真世。
真の主役、と言っても過言ではないのでは?
亡くなったレベッカの部屋で、「レベッカ様」を思い歌うダンヴァース夫人の、妖しさ、危うさと言ったら!
ダブルキャストの保坂千寿も評判良かったようで、できることならどちらも観てみたかったです。
クンツェ&リーヴァイ節炸裂の、間違いのない素晴らしい作品だった・・・と感動する反面、演出的に残念なところが1か所。
それと、主役の2人がこなしきれていない・・・という物足りなさを感じた舞台でもありました。
演出面では、1幕ラスト。
パーティーに、ある扮装で登場する「わたし」。
それは、ダンヴァース夫人の罠だったわけなんですが、あそこはもっと「タメ」が必要でしょう!
あまりにもあっさりしすぎで、不穏な空気というのが醸し出される前に幕が下りてしまった感じで、もったいなかったです。
そして、主役のお二人はというと。
大塚千弘さんは、華奢なスタイル、透明感のあるキレイな声、清純派と形容したくなる容姿は「わたし」のキャラクターにピッタリ。お芝居はすごく良かったんです。おどおどと戸惑っているうちに罠に落とされて終わる1幕から、立ち向かおうと前を向く2幕での切り替えがすごく良くて、「わたし」という人物がちゃんとそこにいました。
だけど、肝心の歌が。音程はしっかりしているんだけど、とにかく声量がなさ過ぎる。
ソロでもかなり細い歌声なのに、アンサンブルになったり、他の人との掛け合いやデュエットになると、歌声が完全に負けてしまって聞こえないのです。
それがすごくストレスでした。
そして主役の山口祐一郎氏。
劇団四季の時代を知っています。華やかなスターでした。キャッツのラム・タム・タガー、エビータのペロン、コーラスラインのボビー、どれも覚えています。
あの頃は「歌える人」というイメージだったのですが。
四季退団後の山口氏を初めて観たのが何の作品だったか、多分2005年の「モーツァルト!」のコロレド大司教だったかなと思うのですが、それ以来この方の歌に対して苦手意識があります。四季の頃からこんな歌い方だったかな、という違和感を感じつつも、好きになれず。
だけど、巷では人気があるし、ファンの方からは「歌が上手い」という評価があるようだったので、この歌い方がこの方の個性であるという受け止め方で観てきました。
けれど、今回はどうにも。
失礼ながら、もう声が出ていませんよね?というか、歌えていませんよね?
もともと、声にもなっていないような小さな声、ファンの間では(?)「ウィスパーヴォイス」と言われて好評(?)な声も、私には「何言ってんのかわかんないよ!」とストレスの素だったのですが、それでも、2016年の「ダンスオブヴァンパイア」の時には、お腹から声を出して歌い上げるようなシーンではそれなりに歌えていて、クロロック伯爵という役はこの方に合っているのだなと納得できたものでした。
が、今回は。
ウィスパーボイスはさらに「ウィスパー」になっていて、もはや歌の態をなしていないし、声を張って歌う場面でも声を出すのに必死で、メロディラインが見えてこないのです。もともとお芝居の面でもそれほど多様性のある方ではないので、歌があそこまで崩れてしまうと、とてもじゃないけど役を表現するといったことができているようには見えず。
私には、マキシムという人物の苦悩がどこにあるのか、「わたし」に対しての気持ちがどういうものなのか、さっぱりわからず。
今回、大劇場ではなく、キャパ898人のシアター・ドラマシティの6列目で観ていてこの状態というのはどうなんだ、と考えざるを得ませんでした。
レミゼやエリザなどの大作は「卒業」的な状態で退かれましたが、まだまだ主役および主要な役でキャステイングされています。
「レディ・ベス」や「貴婦人の訪問」、「マディソン郡の橋」、「王家の紋章」・・・どれも魅力的な役ばかり。
そして今回の「レベッカ」。原作は古典とも言える古い作品ですが、愛とサスペンスに満ち溢れた素晴らしい作品でした。本来ならマキシムと言う人はもっとミステリアスで、そうであるからこそ「わたし」を通して観客は翻弄され、それがこの舞台の醍醐味であるはずなんです。
上記どの作品も、きちんと歌える方での再演を切に望みます。
11月
松竹座 るろうに剣心
12月
宝塚雪組 ファントム
京都南座 吉例顔見世興行
IHIステージアラウンド メタルマクベスdisc3
東京宝塚劇場宙組
梅田シアタードラマシティ レベッカ
今年の観劇はここまで。
まだこれからの分も含めての記録。
その都度感想を書いておこうと思うのだが、家に帰ってくるとなんやかやと忙しくてなかなか。
でも、心に残る良い舞台が続いているので、どこかでちゃんと書き残しておきたい。
そして、来年からは、劇場通いは少しセーブするつもり。
なんか、お財布もだけど、時間的にもちょっとしんどくなってきた。
息子が就職して、娘も独立が決まって、私の「自分の時間」というのが確実に増えてきていて、あと何年好きな事できるかわからないと思うと、芝居見るだけじゃなくて、他にもいろいろやりたいことがある。
見たいと思うものは、大体wowowでやってくれるし、今はライブビューイングも充実してるし。
Amazonプライムでも宝塚が観れるんだよ!
劇場へ足を延ばすのは、たまにちょっとおめかししてのお出かけにしたいなーと思う今日この頃。
でも、レミゼは行くよ!
シュガーのジャン・バルジャンとさいとーさんのテナルディエは絶対観たい!
今日のFNS歌謡祭のミュージカル特集も良かったな~♪
メジャーになってきて嬉しいけど、チケットの争奪戦も激しくはなるだろう。
転売禁止法が決まったみたいで、どのくらい効力を発してくれるか・・・
松竹座 るろうに剣心
12月
宝塚雪組 ファントム
京都南座 吉例顔見世興行
IHIステージアラウンド メタルマクベスdisc3
東京宝塚劇場宙組
梅田シアタードラマシティ レベッカ
今年の観劇はここまで。
まだこれからの分も含めての記録。
その都度感想を書いておこうと思うのだが、家に帰ってくるとなんやかやと忙しくてなかなか。
でも、心に残る良い舞台が続いているので、どこかでちゃんと書き残しておきたい。
そして、来年からは、劇場通いは少しセーブするつもり。
なんか、お財布もだけど、時間的にもちょっとしんどくなってきた。
息子が就職して、娘も独立が決まって、私の「自分の時間」というのが確実に増えてきていて、あと何年好きな事できるかわからないと思うと、芝居見るだけじゃなくて、他にもいろいろやりたいことがある。
見たいと思うものは、大体wowowでやってくれるし、今はライブビューイングも充実してるし。
Amazonプライムでも宝塚が観れるんだよ!
劇場へ足を延ばすのは、たまにちょっとおめかししてのお出かけにしたいなーと思う今日この頃。
でも、レミゼは行くよ!
シュガーのジャン・バルジャンとさいとーさんのテナルディエは絶対観たい!
今日のFNS歌謡祭のミュージカル特集も良かったな~♪
メジャーになってきて嬉しいけど、チケットの争奪戦も激しくはなるだろう。
転売禁止法が決まったみたいで、どのくらい効力を発してくれるか・・・
忙しい1週間でした。
まず、病院。
いつもの病院でいつものお薬。
この1ヵ月は調子が悪かったことを伝えると、「腹六分目、甘いのも塩辛いのも味の濃いものは避ける、刺激物、カフェインはダメ、冷たいもの熱いものもダメ」そして「痩せた方がいいですよ」とトドメ。
センセイ、私、一応標準体重なんですけど・・・(泣)
それから、前回の検査から3か月後のMRI検査で総合病院。
前回は、とにかく音が耳障りで「長いなぁ」と感じた検査も、今回は慣れたのか、ウトウトしながら終了。
仕事の合間の休みに、宝塚と歌舞伎。
宝塚は宙組の初日が開きました。
「-本朝妖綺譚-白鷺の城」と「ミュージカルプレイ 偉人たちのルネサンス」
「-本朝妖綺譚-白鷺の城」は和物ショー。
ストーリー仕立てになっていて観やすい。陰陽師・安倍泰成と妖狐・玉藻前が対立しつつも惹かれあう輪廻転生が描かれます。
輪廻転生の過程に中国王朝なんかも入って、とても華やか。
姫路城の長壁姫役で、専科の松本悠理大先生がご出演なんだけど、1957年初舞台で、もう80になるか越えたかというお歳の方なのに、しっかり役を作って踊っていらして素晴らしいです。
音楽も全編良くて、退屈させないショーになってます。
「ミュージカルプレイ 異人たちのルネサンス」
レオナルド・ダ・ヴィンチがモナリザを描く顛末をお芝居にしたもの。もちろん、作者の創作ですが。
初日に観たせいか、お芝居の方はちょっともたついた感あり、眠くなることしばしば。
主人公とヒロインがピュアであるのに対して、周りのキャラが一癖ある人ばかりの為、主人公たちの印象が弱くなってしまっていたという印象です。
2番手のキキちゃん=芹香斗亜や3番手の愛ちゃん=愛月ひかるのカッコよさが印象に残ってます。
ヒロインのカテリーナも、無意識の色香が必要な役だと思うのだけど、もう一歩な感じ。だけど、娘役トップの経験値として必要な役だと思うので、千秋楽までの進化に期待したいです。
最後にいつもより短めのショーがついてるのですが、ここでの群舞が超絶カッコイイです。
お芝居の方も進化してくれたら、非常に充実した公演になることでしょう。
そして、松竹座で十月大歌舞伎。
昼の部を観に行きました。
・華果西遊記
・二代目市川齊入 三代目市川右團次 襲名披露 口上
・神明恵和合取組 め組の喧嘩
・新作歌舞伎舞踊 玉屋清吉 團十郎花火
市川海老蔵と市川右團次がメインの公演。
市川右近が右團次を襲名し、息子さんが右近となり初お目見えです。
「華果西遊記」は西遊記のお話。
市川右團次が孫悟空。三蔵法師の一行が旅の途中で立ち寄った御殿が女人の園で、実は蜘蛛の化身の館だった、ということで、立ち回りあり宙乗りありのスペクタクル歌舞伎です。
楽しい!右近くんの初お目見え、カワイイ、健気、涙腺緩む~。
その後、市川齊入さんと三代目市川右團次の口上が、坂田藤十郎、市川海老蔵、市川猿之助などなどの華々しい面々により行われ、
「神明恵和合取組 め組の喧嘩」
め組の喧嘩って聞くだけで、江戸歌舞伎の代表作、なイメージがあったけど、よく考えてみたら観たこともなく、どんな話かも知りませんでした。
なので、今回初めて観て、いろいろ驚きがありました。
まず、史実が元になってるということ。こんな派手な喧嘩騒ぎが江戸の昔にはあったのね、と。それが、こんな風に美化されてお芝居に残っているということ。
今の感覚ではわからないことばかりですが、テレビドラマで時代劇を見るよりもずっと、江戸時代という時代を実感できる出し物だとは言えるでしょう。
歌舞伎的なエンターテインメントもいろいろ入ってます。暗闇での「だんまり」といわれる立ち回りや、2幕での七五調でのセリフのやり取り、4幕目の喧嘩本番での大立ち回りなどなど。
これもまた、眠くなる暇もない見ごたえのあるお芝居でした。
「新作歌舞伎舞踊 玉屋清吉 團十郎花火」
海老蔵さんによる、新作舞踊。
いなせな花火師が出てきて、女子にちやほやされた後、美しい花火の精として登場して見事な花火を見せる、という筋立て。
花火師から花火の精に変わる間(海老蔵が拵えを変えている間)、舞台に黒幕が降りてそこに花火の映像が音付きで出るのですが、アイデアとしては悪くないと思うものの、花火の音が大きすぎて、そこで演奏されている見事な大薩摩がかき消されてしまうのです。
それがもう、ものすごく残念で、もっと三味線の音を聴かせて~、とちょっとストレスに感じました。
あれは、他にもそういう声が劇場に来てるんじゃないかな。改善するべきだと思いました。
海老蔵、ただひたすらカッコイイ。絵にかいたような役者ぶりです。
團十郎になるべくして生まれた人として、容姿は申し分ないので、今後ただひたすら芸に精進していただきたいです。
連休、親戚が旅行がてら立ち寄ってくれる予定でしたが、台風の情報があったため旅行中止となりました。
めったにお客さんを迎えない我が家、緊張していろいろ構えて準備していたので、正直ホッとしてしまった。ちょっと罪悪感~(^_^;)
まず、病院。
いつもの病院でいつものお薬。
この1ヵ月は調子が悪かったことを伝えると、「腹六分目、甘いのも塩辛いのも味の濃いものは避ける、刺激物、カフェインはダメ、冷たいもの熱いものもダメ」そして「痩せた方がいいですよ」とトドメ。
センセイ、私、一応標準体重なんですけど・・・(泣)
それから、前回の検査から3か月後のMRI検査で総合病院。
前回は、とにかく音が耳障りで「長いなぁ」と感じた検査も、今回は慣れたのか、ウトウトしながら終了。
仕事の合間の休みに、宝塚と歌舞伎。
宝塚は宙組の初日が開きました。
「-本朝妖綺譚-白鷺の城」と「ミュージカルプレイ 偉人たちのルネサンス」
「-本朝妖綺譚-白鷺の城」は和物ショー。
ストーリー仕立てになっていて観やすい。陰陽師・安倍泰成と妖狐・玉藻前が対立しつつも惹かれあう輪廻転生が描かれます。
輪廻転生の過程に中国王朝なんかも入って、とても華やか。
姫路城の長壁姫役で、専科の松本悠理大先生がご出演なんだけど、1957年初舞台で、もう80になるか越えたかというお歳の方なのに、しっかり役を作って踊っていらして素晴らしいです。
音楽も全編良くて、退屈させないショーになってます。
「ミュージカルプレイ 異人たちのルネサンス」
レオナルド・ダ・ヴィンチがモナリザを描く顛末をお芝居にしたもの。もちろん、作者の創作ですが。
初日に観たせいか、お芝居の方はちょっともたついた感あり、眠くなることしばしば。
主人公とヒロインがピュアであるのに対して、周りのキャラが一癖ある人ばかりの為、主人公たちの印象が弱くなってしまっていたという印象です。
2番手のキキちゃん=芹香斗亜や3番手の愛ちゃん=愛月ひかるのカッコよさが印象に残ってます。
ヒロインのカテリーナも、無意識の色香が必要な役だと思うのだけど、もう一歩な感じ。だけど、娘役トップの経験値として必要な役だと思うので、千秋楽までの進化に期待したいです。
最後にいつもより短めのショーがついてるのですが、ここでの群舞が超絶カッコイイです。
お芝居の方も進化してくれたら、非常に充実した公演になることでしょう。
そして、松竹座で十月大歌舞伎。
昼の部を観に行きました。
・華果西遊記
・二代目市川齊入 三代目市川右團次 襲名披露 口上
・神明恵和合取組 め組の喧嘩
・新作歌舞伎舞踊 玉屋清吉 團十郎花火
市川海老蔵と市川右團次がメインの公演。
市川右近が右團次を襲名し、息子さんが右近となり初お目見えです。
「華果西遊記」は西遊記のお話。
市川右團次が孫悟空。三蔵法師の一行が旅の途中で立ち寄った御殿が女人の園で、実は蜘蛛の化身の館だった、ということで、立ち回りあり宙乗りありのスペクタクル歌舞伎です。
楽しい!右近くんの初お目見え、カワイイ、健気、涙腺緩む~。
その後、市川齊入さんと三代目市川右團次の口上が、坂田藤十郎、市川海老蔵、市川猿之助などなどの華々しい面々により行われ、
「神明恵和合取組 め組の喧嘩」
め組の喧嘩って聞くだけで、江戸歌舞伎の代表作、なイメージがあったけど、よく考えてみたら観たこともなく、どんな話かも知りませんでした。
なので、今回初めて観て、いろいろ驚きがありました。
まず、史実が元になってるということ。こんな派手な喧嘩騒ぎが江戸の昔にはあったのね、と。それが、こんな風に美化されてお芝居に残っているということ。
今の感覚ではわからないことばかりですが、テレビドラマで時代劇を見るよりもずっと、江戸時代という時代を実感できる出し物だとは言えるでしょう。
歌舞伎的なエンターテインメントもいろいろ入ってます。暗闇での「だんまり」といわれる立ち回りや、2幕での七五調でのセリフのやり取り、4幕目の喧嘩本番での大立ち回りなどなど。
これもまた、眠くなる暇もない見ごたえのあるお芝居でした。
「新作歌舞伎舞踊 玉屋清吉 團十郎花火」
海老蔵さんによる、新作舞踊。
いなせな花火師が出てきて、女子にちやほやされた後、美しい花火の精として登場して見事な花火を見せる、という筋立て。
花火師から花火の精に変わる間(海老蔵が拵えを変えている間)、舞台に黒幕が降りてそこに花火の映像が音付きで出るのですが、アイデアとしては悪くないと思うものの、花火の音が大きすぎて、そこで演奏されている見事な大薩摩がかき消されてしまうのです。
それがもう、ものすごく残念で、もっと三味線の音を聴かせて~、とちょっとストレスに感じました。
あれは、他にもそういう声が劇場に来てるんじゃないかな。改善するべきだと思いました。
海老蔵、ただひたすらカッコイイ。絵にかいたような役者ぶりです。
團十郎になるべくして生まれた人として、容姿は申し分ないので、今後ただひたすら芸に精進していただきたいです。
連休、親戚が旅行がてら立ち寄ってくれる予定でしたが、台風の情報があったため旅行中止となりました。
めったにお客さんを迎えない我が家、緊張していろいろ構えて準備していたので、正直ホッとしてしまった。ちょっと罪悪感~(^_^;)
宝塚月組「エリザベート」
2018年9月18日 演劇
1996年の初演から数えて10回目の再演。
写真はその10回の、それぞれの時の主役=トート。
「エリザベート」というミュージカルですが、男役絶対主義の宝塚においては、彼女を死へ誘う「死」=トートが主役となります。
が。
今回も、「主役」はあくまでも月組トップ男役・珠城りょう、の役割ではあるのです。
が。
今回は、いまだかつてないほど「エリザベート」の存在感が強い舞台でした。
それによって、作品の持つ本来の意味合いが強く感じられた舞台となりました。
宝塚バージョンの美しいところはそのままに、お芝居としてより深みのある作品になっていると感じました。
エリザベートを演じるのは、6年という、娘役としては長い任期をこの作品で締めくくる、月組トップ娘役・愛希れいか。
まず、圧倒的な歌唱力。
今までの誰よりも上手い。
歌が上手いということは、こんなにも説得力のあることなんだ、ということを思い知らされたという感じ。
それと、細かいお芝居。
宝塚には初代エリザベート・花總まりという絶対的お手本がいるのですが、そのエリザ像の発展形を観た、という印象がありました。
過去のエリザ役の方々もそれぞれ、自分なりの、という思いも努力もあったとは思うけれど、同じくらい「崩してはいけない、はみ出してはいけない」という思いも強かったのではないかと思うのです。
でも今回の、ちゃぴ(愛希れいか)のエリザは、掘り下げて来た感というか、「私はこう演りたい」という思いが伝わってくるものでした。
例えば、「私だけに」のシーン。
姑にいびられて、夫には理解されなくて、いっそ死んでしまおうか、と短剣を自分に向ける。
ちゃぴのエリザは、最初は泣いていますが、短剣を出してからは死の誘惑と生の誘惑、つまり死への恐怖との間で葛藤します。「死ぬこともできない弱虫な私」という涙ではなく、「負けるもんか」という気持ちが見えて、そこからは若さというものも感じられます。
それから、1幕、寝室でフランツを拒むシーンと、2幕、今度は息子のルドルフを拒むシーン。
どちらも、今までは“王室に嫁に来ていろいろ理不尽なことがあって心を閉ざしてしまった”という「史実から見える最終的なイメージ」に基づいたお芝居だったのが、今回のちゃぴのエリザには、ゆらぎが見えたように感じました。
夫フランツに、息子ルドルフに、寄り添いたい、歩み寄りたい、でも自分が壊れてしまいそうでできない、自分を失くしてしまうことは怖い、という、恐れや葛藤や悲しみ。
旅に出るということは、心乱すものを視界から出し物理的な距離を置く、という手段で、そうしないと息ができなかったのだな、とエリザベートの苦しみが今までになくリアルに感じられました。
それともうひとつ印象的だったのが、ラスト。
レマン湖畔でルキーニに刺されたエリザは、現実の黒いドレスから昇天の白いドレスになって黄泉の国の湖のほとりに立ちます。
そこでようやく、トートとエリザは抱き合い口づけを交わすのですが、今までは、そこでようやく「結ばれた」という、「トートの想いが叶った」的な印象だったわけです。
それが、今回は。
ちゃぴは、トートのキスを受けて「死ぬ」というお芝居を入れてきました。
トートが人間に口づけをするのは、その命を奪うことを意味しているわけで、それをきちんと見せたのです。
その、ほんの一瞬のお芝居を入れたことで、見え方がガラッと変わりました。
エリザベートがようやく「死」を受け入れることができ、現実のしがらみからようやく解放され、真に自由になれたのだな、トートはその魂を黄泉の国へ連れて行く存在なのだな、という風に。
そういう、ある意味今までとは全然違う「エリザベート」に見えた、ということには、たまきち(珠城りょう)のトートにも要因があります。
今までいろんなトートがいました。トート像については、徹底的にクールだった初代・一路真輝のトートより、2代目の麻路さきのエモーショナルなトートの方が支持され踏襲されてきた印象があります。
たしかにマリコさんのトートは妖しく切なく魅力的でした。
でも今回のたまきちのトートからは、人間的な恋愛感情というのはあまり感じられず、あくまでもエリザベートを惑わす「死の誘惑」としてのトート、という印象が強かったです。
死にたがっているから誘う、と、拒まれる。今度こそ、と誘うとまた拒まれる。
生と死の狭間で揺らいでいる人間を、どこかでこちら側に連れてくるために追いかける・・・そういう構図が、この作品を何十回と観てきて初めてストンと腑に落ちました。
今回そう見えたのは、ヅカに厳しい娘が言うようにたまきちが「歌に必死で芝居が追い付いてない」だけだったのかもしれません。
が、もしそうだったとしても、それが幸いしたと言えると思います。
エリザベートの造形がリアルで存在感が強い分、それに対して恋愛感情むき出しのトートだったら、ただのストーカーのような印象になったかもしれないと思うのです。
なんだかくどくどしい長文になってしまいましたが、そういうことで今回、非常に新鮮な「エリザベート」でした。
ちゃぴの歌は別格としても、今の人はみんな歌が上手いです。
初演の頃は歌いこなせない人の方が多いくらいだったのが、今はみんな、ちゃんと聴ける歌を歌ってくれる。
たまきちだって、言う程悪くはなかったよ、娘。
(制作発表の時は確かにムニャムニャだったけど)
東宝の方のエリザベートが前回から3年開いてくるのでそろそろでしょう。
来年は日本オーストリア修好150周年だそうで、あるんじゃないかというウワサも聞きます。
来年が再来年になろうとも、ちゃぴはもうすでに決定しているのではないでしょうかね。
写真はその10回の、それぞれの時の主役=トート。
「エリザベート」というミュージカルですが、男役絶対主義の宝塚においては、彼女を死へ誘う「死」=トートが主役となります。
が。
今回も、「主役」はあくまでも月組トップ男役・珠城りょう、の役割ではあるのです。
が。
今回は、いまだかつてないほど「エリザベート」の存在感が強い舞台でした。
それによって、作品の持つ本来の意味合いが強く感じられた舞台となりました。
宝塚バージョンの美しいところはそのままに、お芝居としてより深みのある作品になっていると感じました。
エリザベートを演じるのは、6年という、娘役としては長い任期をこの作品で締めくくる、月組トップ娘役・愛希れいか。
まず、圧倒的な歌唱力。
今までの誰よりも上手い。
歌が上手いということは、こんなにも説得力のあることなんだ、ということを思い知らされたという感じ。
それと、細かいお芝居。
宝塚には初代エリザベート・花總まりという絶対的お手本がいるのですが、そのエリザ像の発展形を観た、という印象がありました。
過去のエリザ役の方々もそれぞれ、自分なりの、という思いも努力もあったとは思うけれど、同じくらい「崩してはいけない、はみ出してはいけない」という思いも強かったのではないかと思うのです。
でも今回の、ちゃぴ(愛希れいか)のエリザは、掘り下げて来た感というか、「私はこう演りたい」という思いが伝わってくるものでした。
例えば、「私だけに」のシーン。
姑にいびられて、夫には理解されなくて、いっそ死んでしまおうか、と短剣を自分に向ける。
ちゃぴのエリザは、最初は泣いていますが、短剣を出してからは死の誘惑と生の誘惑、つまり死への恐怖との間で葛藤します。「死ぬこともできない弱虫な私」という涙ではなく、「負けるもんか」という気持ちが見えて、そこからは若さというものも感じられます。
それから、1幕、寝室でフランツを拒むシーンと、2幕、今度は息子のルドルフを拒むシーン。
どちらも、今までは“王室に嫁に来ていろいろ理不尽なことがあって心を閉ざしてしまった”という「史実から見える最終的なイメージ」に基づいたお芝居だったのが、今回のちゃぴのエリザには、ゆらぎが見えたように感じました。
夫フランツに、息子ルドルフに、寄り添いたい、歩み寄りたい、でも自分が壊れてしまいそうでできない、自分を失くしてしまうことは怖い、という、恐れや葛藤や悲しみ。
旅に出るということは、心乱すものを視界から出し物理的な距離を置く、という手段で、そうしないと息ができなかったのだな、とエリザベートの苦しみが今までになくリアルに感じられました。
それともうひとつ印象的だったのが、ラスト。
レマン湖畔でルキーニに刺されたエリザは、現実の黒いドレスから昇天の白いドレスになって黄泉の国の湖のほとりに立ちます。
そこでようやく、トートとエリザは抱き合い口づけを交わすのですが、今までは、そこでようやく「結ばれた」という、「トートの想いが叶った」的な印象だったわけです。
それが、今回は。
ちゃぴは、トートのキスを受けて「死ぬ」というお芝居を入れてきました。
トートが人間に口づけをするのは、その命を奪うことを意味しているわけで、それをきちんと見せたのです。
その、ほんの一瞬のお芝居を入れたことで、見え方がガラッと変わりました。
エリザベートがようやく「死」を受け入れることができ、現実のしがらみからようやく解放され、真に自由になれたのだな、トートはその魂を黄泉の国へ連れて行く存在なのだな、という風に。
そういう、ある意味今までとは全然違う「エリザベート」に見えた、ということには、たまきち(珠城りょう)のトートにも要因があります。
今までいろんなトートがいました。トート像については、徹底的にクールだった初代・一路真輝のトートより、2代目の麻路さきのエモーショナルなトートの方が支持され踏襲されてきた印象があります。
たしかにマリコさんのトートは妖しく切なく魅力的でした。
でも今回のたまきちのトートからは、人間的な恋愛感情というのはあまり感じられず、あくまでもエリザベートを惑わす「死の誘惑」としてのトート、という印象が強かったです。
死にたがっているから誘う、と、拒まれる。今度こそ、と誘うとまた拒まれる。
生と死の狭間で揺らいでいる人間を、どこかでこちら側に連れてくるために追いかける・・・そういう構図が、この作品を何十回と観てきて初めてストンと腑に落ちました。
今回そう見えたのは、ヅカに厳しい娘が言うようにたまきちが「歌に必死で芝居が追い付いてない」だけだったのかもしれません。
が、もしそうだったとしても、それが幸いしたと言えると思います。
エリザベートの造形がリアルで存在感が強い分、それに対して恋愛感情むき出しのトートだったら、ただのストーカーのような印象になったかもしれないと思うのです。
なんだかくどくどしい長文になってしまいましたが、そういうことで今回、非常に新鮮な「エリザベート」でした。
ちゃぴの歌は別格としても、今の人はみんな歌が上手いです。
初演の頃は歌いこなせない人の方が多いくらいだったのが、今はみんな、ちゃんと聴ける歌を歌ってくれる。
たまきちだって、言う程悪くはなかったよ、娘。
(制作発表の時は確かにムニャムニャだったけど)
東宝の方のエリザベートが前回から3年開いてくるのでそろそろでしょう。
来年は日本オーストリア修好150周年だそうで、あるんじゃないかというウワサも聞きます。
来年が再来年になろうとも、ちゃぴはもうすでに決定しているのではないでしょうかね。
宝塚宙組「West Side Story」
2018年8月6日 演劇
今年の1月に東京フォーラムで、7~8月にかけて梅田芸術劇場で、宝塚宙組により「WEST SIDE STORY」が上演されました。
その東西の公演を観ることができましたので、まとめて感想。
主役の2人は、トニー:真風涼帆、マリア:星風まどか、のトップコンビですが、その他の主要キャストが東西で少し変わっています(東京→大阪)。
・ベルナルド:芹香斗亜→愛月ひかる
・リフ:桜木みなと→澄輝さやと
・アニータ:和希そら→桜木みなと
ブロードウェイ初演は61年前、映画のヒットは57年前の作品で、宝塚では実に19年ぶりの再演です。
制作発表の時には、時代は変わったけどなあ・・・と思ったものでしたが。
世界一著作権にキビシイと言われている作品ですので、音楽も演出も61年前からのまま(のはず)。
なのに、音楽もダンスも全く色褪せておらず、過去のものになったと思っていた「格差社会問題」も同じく全く色褪せておらず、この作品の完成度というものを痛感しました。
某宙組スターさんのお茶会に参加した時のお話で、今回アメリカから演出に来てくれたジョシュア・ベルガッセ氏から、当時の時代背景や物語世界の社会背景について結構突っ込んだ解説があったそうで、そういったものを宙組生がしっかり吸収した結果なのか、今までで一番重くて暗い「WSS」であったようにも感じました。
とはいえ、東京フォーラムで観た時には、組全体としていつもよりレベルの高いダンスにかなり必死な感じ、というのが見えたのでしたが、大阪ではそこからの更なるブラッシュアップが感じられ、余計なことは考えずただただ見惚れて、どっぷり物語世界に引き込まれ涙する、という観劇になりました。
宝塚的改変ができないからか、演出でテーマの重さがより浮き彫りになったからか、主役のトニーがちょっと霞んだ感があった気がします。不良にも見えないし、ジェッツの面々が一目置く存在というわけでもなく、恋に囚われてどんどん道を誤っていく愚かな若者、という感じに見えてしまったところがあります。
真風ファンにはちょっと物足りなかったかも。
まどかちゃんのマリアは、東京からの進化が感じられました。お芝居にメリハリが出たというか。感情が入ると声が高くなって早口になってしまうということがあって気になるところでしたが、発声や滑舌を勉強したのか、大阪公演ではほとんどなかったように感じ、それによってお芝居がクリアになったのかもしれません。
あっきー(澄輝さやと)のリフは、大人な感じ。ノーブルな持ち味の人なので、不良の役はちょっとハードルが高かったかもしれないけど、カッコ良かったから全然オッケー(^_^;)
研13とベテランの域に入ってきた人ですが、昨年の「神々の土地」のコンスタンチン、新トップお披露目の「天は赤い河のほとり」のネフェルティティ、と好演が続いていて目が離せません。
東西を通して私が一番持って行かれたのが、ずんちゃん=桜木みなと。
東京では、ジェッツのリーダー、リフ。
民族的に家庭的なプエルトリコのシャークスに対して、ジェッツというのは家庭、家族が崩壊している子どもたちの集団です。だから「唯一楽に息ができる自分たちの縄張り」が新参者に荒らされる、という以上に奪われる、ということに対する危機感が強い。リフはグループのリーダーとしてそういった危機感も人一倍強いし「自分がなんとかしなければ」とも思っていて、その気持ちを親友のトニーにはわかってもらいたい。
そういう必死さがすごく伝わってくるリフで、私はとにかくリフが哀想でしかたがなくて、東京公演では恋に浮かれているトニーにちょっとイラっとしてしまったりしました。
大阪では、アニータ。
ベルナルドを愛していて、マリアが可愛くて、一族をファミリーとして愛していて、このアメリカで生きていくんだって前を向いている強い女性。
華やかで魅力的で、登場人物の中で一番、というか唯一、希望が感じられる存在で、私はこの物語の悲劇を、マリア以上にこの人に感じてしまいました。
「アメリカ」でのダンスシーン、普段は男役であることを忘れてしまうようなその美脚にも目を奪われてしまった。もう二度とお目にかかれないかも。
ずんちゃん(桜木みなと)は先々代のトップ・凰稀かなめ氏の時代から目立つところにいた人ではありますが、今回は宝塚のスターさんの「一皮むける」瞬間というのに遭遇できたのかもしれないな、と感じました。とにかく、これからに期待大です。
今やミュージカルの古典といえる作品かもしれないけど、いいものはいい。
宝塚だけでなく、東宝でも、四季でも、たまにはやって欲しいし、映像化、切望!著作権の問題でムリらしいけど、どういう問題があって許可されないのかなあ・・・
その東西の公演を観ることができましたので、まとめて感想。
主役の2人は、トニー:真風涼帆、マリア:星風まどか、のトップコンビですが、その他の主要キャストが東西で少し変わっています(東京→大阪)。
・ベルナルド:芹香斗亜→愛月ひかる
・リフ:桜木みなと→澄輝さやと
・アニータ:和希そら→桜木みなと
ブロードウェイ初演は61年前、映画のヒットは57年前の作品で、宝塚では実に19年ぶりの再演です。
制作発表の時には、時代は変わったけどなあ・・・と思ったものでしたが。
世界一著作権にキビシイと言われている作品ですので、音楽も演出も61年前からのまま(のはず)。
なのに、音楽もダンスも全く色褪せておらず、過去のものになったと思っていた「格差社会問題」も同じく全く色褪せておらず、この作品の完成度というものを痛感しました。
某宙組スターさんのお茶会に参加した時のお話で、今回アメリカから演出に来てくれたジョシュア・ベルガッセ氏から、当時の時代背景や物語世界の社会背景について結構突っ込んだ解説があったそうで、そういったものを宙組生がしっかり吸収した結果なのか、今までで一番重くて暗い「WSS」であったようにも感じました。
とはいえ、東京フォーラムで観た時には、組全体としていつもよりレベルの高いダンスにかなり必死な感じ、というのが見えたのでしたが、大阪ではそこからの更なるブラッシュアップが感じられ、余計なことは考えずただただ見惚れて、どっぷり物語世界に引き込まれ涙する、という観劇になりました。
宝塚的改変ができないからか、演出でテーマの重さがより浮き彫りになったからか、主役のトニーがちょっと霞んだ感があった気がします。不良にも見えないし、ジェッツの面々が一目置く存在というわけでもなく、恋に囚われてどんどん道を誤っていく愚かな若者、という感じに見えてしまったところがあります。
真風ファンにはちょっと物足りなかったかも。
まどかちゃんのマリアは、東京からの進化が感じられました。お芝居にメリハリが出たというか。感情が入ると声が高くなって早口になってしまうということがあって気になるところでしたが、発声や滑舌を勉強したのか、大阪公演ではほとんどなかったように感じ、それによってお芝居がクリアになったのかもしれません。
あっきー(澄輝さやと)のリフは、大人な感じ。ノーブルな持ち味の人なので、不良の役はちょっとハードルが高かったかもしれないけど、カッコ良かったから全然オッケー(^_^;)
研13とベテランの域に入ってきた人ですが、昨年の「神々の土地」のコンスタンチン、新トップお披露目の「天は赤い河のほとり」のネフェルティティ、と好演が続いていて目が離せません。
東西を通して私が一番持って行かれたのが、ずんちゃん=桜木みなと。
東京では、ジェッツのリーダー、リフ。
民族的に家庭的なプエルトリコのシャークスに対して、ジェッツというのは家庭、家族が崩壊している子どもたちの集団です。だから「唯一楽に息ができる自分たちの縄張り」が新参者に荒らされる、という以上に奪われる、ということに対する危機感が強い。リフはグループのリーダーとしてそういった危機感も人一倍強いし「自分がなんとかしなければ」とも思っていて、その気持ちを親友のトニーにはわかってもらいたい。
そういう必死さがすごく伝わってくるリフで、私はとにかくリフが哀想でしかたがなくて、東京公演では恋に浮かれているトニーにちょっとイラっとしてしまったりしました。
大阪では、アニータ。
ベルナルドを愛していて、マリアが可愛くて、一族をファミリーとして愛していて、このアメリカで生きていくんだって前を向いている強い女性。
華やかで魅力的で、登場人物の中で一番、というか唯一、希望が感じられる存在で、私はこの物語の悲劇を、マリア以上にこの人に感じてしまいました。
「アメリカ」でのダンスシーン、普段は男役であることを忘れてしまうようなその美脚にも目を奪われてしまった。もう二度とお目にかかれないかも。
ずんちゃん(桜木みなと)は先々代のトップ・凰稀かなめ氏の時代から目立つところにいた人ではありますが、今回は宝塚のスターさんの「一皮むける」瞬間というのに遭遇できたのかもしれないな、と感じました。とにかく、これからに期待大です。
今やミュージカルの古典といえる作品かもしれないけど、いいものはいい。
宝塚だけでなく、東宝でも、四季でも、たまにはやって欲しいし、映像化、切望!著作権の問題でムリらしいけど、どういう問題があって許可されないのかなあ・・・
宝塚花組「MESSIAH(メサイア)/BEAUTIFUL GARDEN」
2018年7月20日 演劇
宝塚花組公演に行ってきました。
◆MESSIAH(メサイア)−異聞・天草四郎−」
3月頃にこの作品のビジュアルが発表になった時の写真が画像のようなものでした。
これを見て、最近にわか花組ファンとなっている娘と「悪そう♪」「今回も人外?」「魔法使う天草四郎?」などど勝手に思い込んでワクワクしたものでしたが、実際にはごく普通の熱血正義漢の話でした。
なんていう書き方をすると頭からけなしているようですが、そんなことはなく、話としてはうまく纏まっていたし、たくさんの生徒さんたちへの役の振り分けも、それぞれ目立つ書き方がされており、ミュージカル的盛り上がりシーンも、宝塚ならではのダンスによる戦闘シーンもあり、最後は客席のそこここからすすり泣きも聞こえ、「ライブビューイングは絶対観に行く!」と思わせてくれる良作だったと思います。
ただ、そこにはどうしても「ヅカファンには」という但し書きが付いてしまうような気がするのがとても残念なところで。
というのも、一つの芝居作品として考えた時、これを「天草四郎」でやる必然性は全くなかった話なので。
だってここでの天草四郎はキリシタンではないし、「遭難した倭寇の生き残り」、つまり日本人ですらないんですから。それはすでに「天草四郎」ではないのでは?と思うのです。
明日海りおの美貌を活かす作品を、と考えた時に、題材として「天草四郎」だったというのはわかります。ヅカファンである私にはその思考回路がわかるから、それほど抵抗なく、おもしろく見ることができました。
けれど、「宝塚」の枠を外して一つの作品として見たとき、これを「異聞」としてしまうのは言い訳、もっと厳しく言うと「これは宝塚なんだから」という「甘え」じゃない?と思ってしまうのです。
「天草四郎」をタイトルに入れるなら、そのアイデンティティを壊すような設定はアカンでしょう。どうしてこうなった、原田先生、産み苦しんでしまったのかな、と思わずにはいられません。
芝居好きのヅカファンとしては、「宝塚歌劇」の枠を外しても通用する脚本というのを目指してもらいたいと切に願う次第です。
◆BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−
ゴシック調のオープニングが美々しく豪華。これぞ宝塚、これぞ花組、と言った感じです。
中詰め前に、マイティーがセンターでのロケットというのも珍しい展開。
その後、中詰めでは今年のこの暑さすら吹っ飛ばしてくれそうな鮮やかなショーが展開されます。
なんかもう、花組メンバーは男役娘役問わずみんな美しくて眩しいくらい。「眼福」を実感します。
トップの明日海りおはもちろんなんですけど、2番手の柚香光が見る度に輝きを増しているというか。その昔麻路さきというスターさんにハマった時、その方が2番手でいる時代がすごく好きでした。なんていうか「2番手を観る楽しみ」というのがあるんですよねー。それを久々に感じています。
トップ娘役の仙名彩世=ゆきちゃん、も大大大好きな娘役さん。可愛くもあり、大人っぽくもあり、控えめでもあり色っぽくもあり、そして素晴らしい歌ウマさん!もうずーっと観ていたい人です。
男役は、みりお、ゆずかれー以下、瀬戸かずや、鳳月杏、水美舞斗、優波慧、聖乃あすか、等々、「みんな違ってみんないい」状態で目がいくつあっても足りません。
今回は特に「タカラヅカらしさ」を堪能できた公演でした。
早くもライブビューイングが楽しみです♪
◆MESSIAH(メサイア)−異聞・天草四郎−」
3月頃にこの作品のビジュアルが発表になった時の写真が画像のようなものでした。
これを見て、最近にわか花組ファンとなっている娘と「悪そう♪」「今回も人外?」「魔法使う天草四郎?」などど勝手に思い込んでワクワクしたものでしたが、実際にはごく普通の熱血正義漢の話でした。
なんていう書き方をすると頭からけなしているようですが、そんなことはなく、話としてはうまく纏まっていたし、たくさんの生徒さんたちへの役の振り分けも、それぞれ目立つ書き方がされており、ミュージカル的盛り上がりシーンも、宝塚ならではのダンスによる戦闘シーンもあり、最後は客席のそこここからすすり泣きも聞こえ、「ライブビューイングは絶対観に行く!」と思わせてくれる良作だったと思います。
ただ、そこにはどうしても「ヅカファンには」という但し書きが付いてしまうような気がするのがとても残念なところで。
というのも、一つの芝居作品として考えた時、これを「天草四郎」でやる必然性は全くなかった話なので。
だってここでの天草四郎はキリシタンではないし、「遭難した倭寇の生き残り」、つまり日本人ですらないんですから。それはすでに「天草四郎」ではないのでは?と思うのです。
明日海りおの美貌を活かす作品を、と考えた時に、題材として「天草四郎」だったというのはわかります。ヅカファンである私にはその思考回路がわかるから、それほど抵抗なく、おもしろく見ることができました。
けれど、「宝塚」の枠を外して一つの作品として見たとき、これを「異聞」としてしまうのは言い訳、もっと厳しく言うと「これは宝塚なんだから」という「甘え」じゃない?と思ってしまうのです。
「天草四郎」をタイトルに入れるなら、そのアイデンティティを壊すような設定はアカンでしょう。どうしてこうなった、原田先生、産み苦しんでしまったのかな、と思わずにはいられません。
芝居好きのヅカファンとしては、「宝塚歌劇」の枠を外しても通用する脚本というのを目指してもらいたいと切に願う次第です。
◆BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−
ゴシック調のオープニングが美々しく豪華。これぞ宝塚、これぞ花組、と言った感じです。
中詰め前に、マイティーがセンターでのロケットというのも珍しい展開。
その後、中詰めでは今年のこの暑さすら吹っ飛ばしてくれそうな鮮やかなショーが展開されます。
なんかもう、花組メンバーは男役娘役問わずみんな美しくて眩しいくらい。「眼福」を実感します。
トップの明日海りおはもちろんなんですけど、2番手の柚香光が見る度に輝きを増しているというか。その昔麻路さきというスターさんにハマった時、その方が2番手でいる時代がすごく好きでした。なんていうか「2番手を観る楽しみ」というのがあるんですよねー。それを久々に感じています。
トップ娘役の仙名彩世=ゆきちゃん、も大大大好きな娘役さん。可愛くもあり、大人っぽくもあり、控えめでもあり色っぽくもあり、そして素晴らしい歌ウマさん!もうずーっと観ていたい人です。
男役は、みりお、ゆずかれー以下、瀬戸かずや、鳳月杏、水美舞斗、優波慧、聖乃あすか、等々、「みんな違ってみんないい」状態で目がいくつあっても足りません。
今回は特に「タカラヅカらしさ」を堪能できた公演でした。
早くもライブビューイングが楽しみです♪
梅田芸術劇場「Morzart!」
2018年7月14日 演劇 コメント (2)
2014年から4年ぶりのミュージカル「モーツァルト!」
◇キャスト
ヴォルフガング・・・古川雄大
コンスタンツェ・・・平野綾
ヴォルフの父・レオポルド・・・市村正親
ヴォルフの姉・ナンネール・・・和音美桜
コロレド大司教・・・山口祐一郎
ヴァルトシュテッテン男爵夫人・・・涼風真世
シカネーダ・・・遠山裕介
セシリア・・・阿知波悟美
アルコ伯爵・・・武岡淳一
アマデ・・・加藤憲史郎
ウィーンオリジナル版は数年前に新演出となっています。ヴォルフの象徴のような「貴族の赤い上着」がなくなったり、曲がカットされたりしています。
私はそのCDをウィーンから取り寄せていて聴いているのですが、耳で聞くだけでは馴染めず、今回の日本再演がどのような形になるのかとても気がかりでした。
で、今回の公演。
まず、舞台装置が一新されており、衣裳も一部新しくなっていました。
気になる演出部分では、1幕を観ていると各場面が明らかに短縮されています。
「あの場面好きだったのに」という程の目立ったカットではないものの、今までを知っている者としては駆け足でどんどん物語が進んでいく印象ではありました。
ただ、2幕になると新しい場面が登場します。ヴォルフ vs. コロレド大司教、という場面。
父親亡き後の、「自由になりたい」ヴォルフにとって最後の「枷」であるコロレド大司教、ヴォルフの才能を愛し独占したい「パトロン」であるコロレド大司教。
そのコロレド大司教との決別の場面です。その場面での歌のタイトルは「破滅への道」
やっぱりこの物語は、どうしても大人になり切れなかったモーツァルトの悲劇を描いているんだなぁ・・・と。
主人公のヴォルフが魅力的である故に、どこかで、彼を肯定している物語であってほしいという願望が私にはあって、その願望がこの物語を理解することを拒否していたんだなぁ・・・と、今回は少し絶望感というか、そういうものもありました。
このあと、謎の人物(死んだ父親のように見える)がレクイエムの作曲を依頼に来る。「自分の力で、書くのです」との言葉が非常に強調されて響く。ヴォルフの才能の擬人化であるアマデ(子役)はヴォルフの元から離れ、ヴォルフはまさに「一人で」レクイエムを書こうともがくけれども書けない・・・
そうか、そういうことなのか・・・と、今まで自分の中で「認めたくない」と思っていた部分を、もう認めざるを得ないなと観念するような、そんな「わかりやすさ」がありました。
前回でヴォルフガング役を卒業した井上芳雄に代わって、今回から古川雄大がヴォルフとして登場。
今、旬を迎えている山崎育三郎とのWキャストでしたが、今回私は古川ヴォルフが観たくて行ってきました。
古川ヴォルフは、井上芳雄や山崎育三郎に観られるようなエキセントリックさはまだありません。
けれど、身体はどんどん大人になって行くのに、その中には子どもの部分を残したまま、その内面の成長が上手くいかなかったゆえに破滅した天才、という姿がとてもストレートに見えてくるものでした。
この作品を理解する、という点においてはとても的確なヴォルフガングだったと思います。
ここに、先輩たちが持っているエキセントリックさが加わって行ったら、もしかしたら山育を超える最強のヴォルフが出来上がるかもしれません。
楽曲の美しさや場面構成のメリハリなど、私の中では「エリザベート」を超える作品。
今後も再演を続けていってほしいです。
◇キャスト
ヴォルフガング・・・古川雄大
コンスタンツェ・・・平野綾
ヴォルフの父・レオポルド・・・市村正親
ヴォルフの姉・ナンネール・・・和音美桜
コロレド大司教・・・山口祐一郎
ヴァルトシュテッテン男爵夫人・・・涼風真世
シカネーダ・・・遠山裕介
セシリア・・・阿知波悟美
アルコ伯爵・・・武岡淳一
アマデ・・・加藤憲史郎
ウィーンオリジナル版は数年前に新演出となっています。ヴォルフの象徴のような「貴族の赤い上着」がなくなったり、曲がカットされたりしています。
私はそのCDをウィーンから取り寄せていて聴いているのですが、耳で聞くだけでは馴染めず、今回の日本再演がどのような形になるのかとても気がかりでした。
で、今回の公演。
まず、舞台装置が一新されており、衣裳も一部新しくなっていました。
気になる演出部分では、1幕を観ていると各場面が明らかに短縮されています。
「あの場面好きだったのに」という程の目立ったカットではないものの、今までを知っている者としては駆け足でどんどん物語が進んでいく印象ではありました。
ただ、2幕になると新しい場面が登場します。ヴォルフ vs. コロレド大司教、という場面。
父親亡き後の、「自由になりたい」ヴォルフにとって最後の「枷」であるコロレド大司教、ヴォルフの才能を愛し独占したい「パトロン」であるコロレド大司教。
そのコロレド大司教との決別の場面です。その場面での歌のタイトルは「破滅への道」
やっぱりこの物語は、どうしても大人になり切れなかったモーツァルトの悲劇を描いているんだなぁ・・・と。
主人公のヴォルフが魅力的である故に、どこかで、彼を肯定している物語であってほしいという願望が私にはあって、その願望がこの物語を理解することを拒否していたんだなぁ・・・と、今回は少し絶望感というか、そういうものもありました。
このあと、謎の人物(死んだ父親のように見える)がレクイエムの作曲を依頼に来る。「自分の力で、書くのです」との言葉が非常に強調されて響く。ヴォルフの才能の擬人化であるアマデ(子役)はヴォルフの元から離れ、ヴォルフはまさに「一人で」レクイエムを書こうともがくけれども書けない・・・
そうか、そういうことなのか・・・と、今まで自分の中で「認めたくない」と思っていた部分を、もう認めざるを得ないなと観念するような、そんな「わかりやすさ」がありました。
前回でヴォルフガング役を卒業した井上芳雄に代わって、今回から古川雄大がヴォルフとして登場。
今、旬を迎えている山崎育三郎とのWキャストでしたが、今回私は古川ヴォルフが観たくて行ってきました。
古川ヴォルフは、井上芳雄や山崎育三郎に観られるようなエキセントリックさはまだありません。
けれど、身体はどんどん大人になって行くのに、その中には子どもの部分を残したまま、その内面の成長が上手くいかなかったゆえに破滅した天才、という姿がとてもストレートに見えてくるものでした。
この作品を理解する、という点においてはとても的確なヴォルフガングだったと思います。
ここに、先輩たちが持っているエキセントリックさが加わって行ったら、もしかしたら山育を超える最強のヴォルフが出来上がるかもしれません。
楽曲の美しさや場面構成のメリハリなど、私の中では「エリザベート」を超える作品。
今後も再演を続けていってほしいです。
宝塚雪組「凱旋門/Gato Bonito!!」
2018年7月8日 演劇
7/6~7/8にかけて、前代未聞の水害に襲われた日本列島でした。
被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
テレビに映される水害の状景は信じがたいもので、東日本大震災の時の不安とやるせない思いが蘇りました。
今回のような雨の降り方や、地震や竜巻など、天候が確実に一昔前から変化してきていることを実感します。これから先、いつ何が起きてももうおかしくないのでしょう。
そんな中でしたが、せっかくチケットがあり、交通手段もJRは止まっていましたが阪急線が動いていたので、重い気持ちながら宝塚観劇に行ってきました。
今回は雪組。トップ男役は“だいもん”こと望海風斗。
ですが、今回、お芝居の方は専科の轟悠を迎えての「凱旋門」。
轟悠が雪組トップだった2000年に初演され、平成12年度の文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞を受賞したものの再演です。
柴田侑宏×謝珠栄の作品で、やはり格の違いを感じました。
暗い時代の暗い物語ですが、脚本が文学的で、詩が語られているようでもあり、セットや衣裳など全体的に抑えた色調で作られた舞台上の世界は、暗いながらも美しく、音楽もダンスも完成度が高く、引き込まれました。
少し残念だったのは、主役のとど様が、千秋楽前日というタイミングだったからか、少しお疲れが見えてしまっていたことです。
ただ、舞台作品として、とても良かった。大楽のライブビューイングは絶対に行きたいと思いました。
ショーは「ショー・パッショナブル」と銘打たれ、「ガート・ボニート、美しい猫のような男」とサブタイトルがついています。
だいもんはどっちかというと犬のイメージだけどな・・と思いましたが、実際見てみると、そんなに「猫」な感じはなく(あくまでも私の主観ですが)、熱くはじけるラテン・ショーで、重たい気持ちが少し晴れるような気がするものでした。
オープニング、銀橋に飛び出してくる彩凪咲奈がカッコイイ!
トップのだいもんは歌ウマさんで、とにかく聞かせてくれる人ですが、ダンスシーンではさきちゃんに目を奪われます。
だいもんが歌い、さきちゃんが踊る、という感じのバランスがすごくよかったし、朝美絢以下の若手も華やかな人が多くて、今の雪組をとても魅力的に見せるショーになっていると思います。
中詰めの前ぐらいだったかな、組子全員が上手から銀橋を通って下手へ、ただ通っていくだけ、という場面があって、おもしろいなーと思いました。
もちろん、音楽に合わせてなんですが、ただ通り過ぎて行くだけなんですよね。
今日の私の席は結構舞台に近かったので、組子さんたち一人一人の表情が良く見えて楽しかったのですが、遠くの席からはどう見えるのかな、とちょっとそんなことも思いました。
トップ娘役の真彩希帆ちゃん、ベビーフェイスなんだけども大人っぽい雰囲気も併せ持っていて、明るくて可愛いんだけども陰もあって、すごく好きな娘役さんです。
次回の雪組は大作「ファントム」
すでに楽しみで仕方ありません。
※「エリザベート」、無事、チケット取れました。
娘、頑張ってくれてありがとう!
被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
テレビに映される水害の状景は信じがたいもので、東日本大震災の時の不安とやるせない思いが蘇りました。
今回のような雨の降り方や、地震や竜巻など、天候が確実に一昔前から変化してきていることを実感します。これから先、いつ何が起きてももうおかしくないのでしょう。
そんな中でしたが、せっかくチケットがあり、交通手段もJRは止まっていましたが阪急線が動いていたので、重い気持ちながら宝塚観劇に行ってきました。
今回は雪組。トップ男役は“だいもん”こと望海風斗。
ですが、今回、お芝居の方は専科の轟悠を迎えての「凱旋門」。
轟悠が雪組トップだった2000年に初演され、平成12年度の文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞を受賞したものの再演です。
柴田侑宏×謝珠栄の作品で、やはり格の違いを感じました。
暗い時代の暗い物語ですが、脚本が文学的で、詩が語られているようでもあり、セットや衣裳など全体的に抑えた色調で作られた舞台上の世界は、暗いながらも美しく、音楽もダンスも完成度が高く、引き込まれました。
少し残念だったのは、主役のとど様が、千秋楽前日というタイミングだったからか、少しお疲れが見えてしまっていたことです。
ただ、舞台作品として、とても良かった。大楽のライブビューイングは絶対に行きたいと思いました。
ショーは「ショー・パッショナブル」と銘打たれ、「ガート・ボニート、美しい猫のような男」とサブタイトルがついています。
だいもんはどっちかというと犬のイメージだけどな・・と思いましたが、実際見てみると、そんなに「猫」な感じはなく(あくまでも私の主観ですが)、熱くはじけるラテン・ショーで、重たい気持ちが少し晴れるような気がするものでした。
オープニング、銀橋に飛び出してくる彩凪咲奈がカッコイイ!
トップのだいもんは歌ウマさんで、とにかく聞かせてくれる人ですが、ダンスシーンではさきちゃんに目を奪われます。
だいもんが歌い、さきちゃんが踊る、という感じのバランスがすごくよかったし、朝美絢以下の若手も華やかな人が多くて、今の雪組をとても魅力的に見せるショーになっていると思います。
中詰めの前ぐらいだったかな、組子全員が上手から銀橋を通って下手へ、ただ通っていくだけ、という場面があって、おもしろいなーと思いました。
もちろん、音楽に合わせてなんですが、ただ通り過ぎて行くだけなんですよね。
今日の私の席は結構舞台に近かったので、組子さんたち一人一人の表情が良く見えて楽しかったのですが、遠くの席からはどう見えるのかな、とちょっとそんなことも思いました。
トップ娘役の真彩希帆ちゃん、ベビーフェイスなんだけども大人っぽい雰囲気も併せ持っていて、明るくて可愛いんだけども陰もあって、すごく好きな娘役さんです。
次回の雪組は大作「ファントム」
すでに楽しみで仕方ありません。
※「エリザベート」、無事、チケット取れました。
娘、頑張ってくれてありがとう!
宝塚歌劇団で、またまた「エリザベート」が上演されます。
今回は月組。トート閣下は“たまきち”こと、珠城りょう、エリザベートは“ちゃぴ”こと愛希れいか。
今回のエリザは、2012年に月組トップ娘役に就任以来、いつの間にか“Top of the Top娘役”となったちゃぴの退団公演です。上演理由として公式に言われていることではないですが、退団作品としてちゃぴがリクエストしたのでは、というウワサも聞こえてきます。
確かに、龍真咲のころから「トップ男役の相手役」の枠を超えた役柄を当てられたり、ショーで1場面担ったりと、今の宝塚では別格娘役となったちゃぴであれば、最後の到達点として「エリザベート」を望むのは納得です。
どんなエリザを見せてくれるか、そして、“ダンスのちゃぴ”のフィナーレがどんなものになるのか、考えるだけでワクワクします。
とはいえ、宝塚における「エリザベート」の主役はあくまでもトップ男役=トート閣下。
前トップの龍真咲の時ならともかく、現在の5組の中で一番若いことに加えて、一番陽性で元気印(で、お歌はちょっと弱い(^_^;))な印象のたまきちで「エリザベート」というのはとても意外でした。
我が家では私も娘も、キャストよりまず作品が好き、というのがあって、エリザが上演されるのならといあえず行く!という派なのですが、「トート閣下は美しくあらねばならない」と考える方々の中には、今回のエリザは勘弁、という人もいるようです。
ただ、日本ではその「耽美性」が好まれてヒットしたと思われる「エリザベート」ですが、ウィーンのオリジナル版におけるトート閣下はロックテイストの強いワイルド・セクシー系なので、たまきちのトートは案外、オリジナルに近い物となるのかもしれません。
ちゃぴがどんなエリザベートを作り上げてくるか、それによっては今までとは全く違う新鮮なものになるかもしれません。
それをこの目でじかに確かめるために!
もう何か月も前からチケット確保に頑張っているのですが、今のところ全敗・・・
「たまきちのトートなんて見たくない」とか言いながら、やっぱりヅカファンはみんな、チケ取り頑張ってるんですよね・・・
チケットぴあの抽選も、クレジットカード系の抽選も、宝塚友の会の先行抽選もすべからく敗れ、あすはいよいよ自力ゲットの「先着順方式」での発売日です。
そして、実は私は、明日は宝塚の雪組公演の観劇に行くため、これに直接参戦できません・・・
なので、娘よ!あとは任せた!
根性で頑張ってちょーだい!!!
今回は月組。トート閣下は“たまきち”こと、珠城りょう、エリザベートは“ちゃぴ”こと愛希れいか。
今回のエリザは、2012年に月組トップ娘役に就任以来、いつの間にか“Top of the Top娘役”となったちゃぴの退団公演です。上演理由として公式に言われていることではないですが、退団作品としてちゃぴがリクエストしたのでは、というウワサも聞こえてきます。
確かに、龍真咲のころから「トップ男役の相手役」の枠を超えた役柄を当てられたり、ショーで1場面担ったりと、今の宝塚では別格娘役となったちゃぴであれば、最後の到達点として「エリザベート」を望むのは納得です。
どんなエリザを見せてくれるか、そして、“ダンスのちゃぴ”のフィナーレがどんなものになるのか、考えるだけでワクワクします。
とはいえ、宝塚における「エリザベート」の主役はあくまでもトップ男役=トート閣下。
前トップの龍真咲の時ならともかく、現在の5組の中で一番若いことに加えて、一番陽性で元気印(で、お歌はちょっと弱い(^_^;))な印象のたまきちで「エリザベート」というのはとても意外でした。
我が家では私も娘も、キャストよりまず作品が好き、というのがあって、エリザが上演されるのならといあえず行く!という派なのですが、「トート閣下は美しくあらねばならない」と考える方々の中には、今回のエリザは勘弁、という人もいるようです。
ただ、日本ではその「耽美性」が好まれてヒットしたと思われる「エリザベート」ですが、ウィーンのオリジナル版におけるトート閣下はロックテイストの強いワイルド・セクシー系なので、たまきちのトートは案外、オリジナルに近い物となるのかもしれません。
ちゃぴがどんなエリザベートを作り上げてくるか、それによっては今までとは全く違う新鮮なものになるかもしれません。
それをこの目でじかに確かめるために!
もう何か月も前からチケット確保に頑張っているのですが、今のところ全敗・・・
「たまきちのトートなんて見たくない」とか言いながら、やっぱりヅカファンはみんな、チケ取り頑張ってるんですよね・・・
チケットぴあの抽選も、クレジットカード系の抽選も、宝塚友の会の先行抽選もすべからく敗れ、あすはいよいよ自力ゲットの「先着順方式」での発売日です。
そして、実は私は、明日は宝塚の雪組公演の観劇に行くため、これに直接参戦できません・・・
なので、娘よ!あとは任せた!
根性で頑張ってちょーだい!!!
宝塚月組「グランドホテル/カルーセル輪舞曲(ロンド)
2017年1月28日 演劇
宝塚月組、新トップ・珠城りょうのお披露目公演。
たまきち(珠城りょう)は研9でのトップ就任。初舞台から10年以内でのトップ就任は、天海祐希以来だそうで。
天海は音楽学校入学時からいろいろを騒がれていた人だったので、研7でトップになっても納得でしたが、たまきちくんはそんな風ないわくのある人ではなかったので、劇団がなんでそんな英断を下したのかまったく謎でした。
が、実際に観てみると大きな可能性が感じられて、ちゃんと先見の明をもってトップに据えたんだなと。
今の今、はまだまだ「弱い」です。組の真ん中に立って組を従えるトップ、としての存在感、オーラ、という意味で、まだ「普通の人」
だけど、天海の時のような「劇団からトップのマントを着せられたけど、中身の本人は自覚も自信も持ててない」っていう不安定感というもの全くなくて、「今の自分にできることを、地道に精一杯」という真摯なものが伝わって来て、今後がとても楽しみな、ヅカファンにとってはたまらない「若きトップ」の誕生でした。
2年後3年後、と、どんどん進化していくでしょう。
トップ就任4年目の柚希礼音を見た時に、「これこそが宝塚のトップスター!」というものすごいオーラを感じたものでしたが、そういうトップになっていく予感がします。
そして、今の月組を引っ張っているのは、娘役トップのキャリアが6年目となる愛希れいか=ちゃぴ。
「グランドホテル」での、落ちぶれかけている世界的バレリーナ・グルーシンスカヤは名演でした。プライド、不安、年増の落ち着き、色気、そんな人が恋に落ちた時のかわいらしさ・・・
素晴らしかった。
このちゃぴとたまきちとのバランスが、すごくいい。
背の高いちゃぴと、それ以上に大柄で「男臭い」タイプのたまきちとのコンビは、そのうちいろんな意味での「大型トップコンビ」と言わる様になるのではないでしょうか。
踊れるのも、ダンサー・ちゃぴとの組み合わせとしてすごくいい。
グランドホテルの最後の方で、すごいリフトを見せてれます。
あのリフトを見るためだけにでも、もう1回行きたかったな。
そして、美弥るりかが羽を背負って、2番手に確定しました。
みやちゃん、おめでとう。
前トップの龍真咲の時代に、2番手格4人が競わされている中で私が一番応援していたのがみやちゃんだったので、本当に嬉しい。
あと、今回印象に残ったのはフラムシェンの早乙女わかば。
娘役の2番手位置にいるわりには、今までどの役ももう一味物足りない感があったんだけど、今回はすごく良かった。役者と役がちゃんと一体化していたというか、ちゃんとフラムシェンという女の子がそこに生きていました。
龍真咲の時代の月組がすごく好きでした。
宝塚としてはちょっと異質な感じと、まさおのキャラの醸し出すアイドルっぽい華やかさが。
だけど、まさおとは正反対のタイプと言っても良いようなたまきちがトップになって、2番手もきっちり決まってみると、その安定感たるや・・・!
まさおの時代は「月組、いつになっても落ち着かないなー」だったのに、今回、新トップ第一作目にして「月組、落ち着いたなー」と思ってしまいました。
もうほんとに、これからが楽しみでたまらん。
あ、ショーの「カルーセル輪舞曲」、衣装がめっちゃヅカヅカしていてステキだった。
大柄なたまきちが、トップ仕様の超ド派手な衣装を着て登場すると、ものすごく映える!
2階の一番後ろの席でも十分楽しめるトップさんだと思います。
たまきち(珠城りょう)は研9でのトップ就任。初舞台から10年以内でのトップ就任は、天海祐希以来だそうで。
天海は音楽学校入学時からいろいろを騒がれていた人だったので、研7でトップになっても納得でしたが、たまきちくんはそんな風ないわくのある人ではなかったので、劇団がなんでそんな英断を下したのかまったく謎でした。
が、実際に観てみると大きな可能性が感じられて、ちゃんと先見の明をもってトップに据えたんだなと。
今の今、はまだまだ「弱い」です。組の真ん中に立って組を従えるトップ、としての存在感、オーラ、という意味で、まだ「普通の人」
だけど、天海の時のような「劇団からトップのマントを着せられたけど、中身の本人は自覚も自信も持ててない」っていう不安定感というもの全くなくて、「今の自分にできることを、地道に精一杯」という真摯なものが伝わって来て、今後がとても楽しみな、ヅカファンにとってはたまらない「若きトップ」の誕生でした。
2年後3年後、と、どんどん進化していくでしょう。
トップ就任4年目の柚希礼音を見た時に、「これこそが宝塚のトップスター!」というものすごいオーラを感じたものでしたが、そういうトップになっていく予感がします。
そして、今の月組を引っ張っているのは、娘役トップのキャリアが6年目となる愛希れいか=ちゃぴ。
「グランドホテル」での、落ちぶれかけている世界的バレリーナ・グルーシンスカヤは名演でした。プライド、不安、年増の落ち着き、色気、そんな人が恋に落ちた時のかわいらしさ・・・
素晴らしかった。
このちゃぴとたまきちとのバランスが、すごくいい。
背の高いちゃぴと、それ以上に大柄で「男臭い」タイプのたまきちとのコンビは、そのうちいろんな意味での「大型トップコンビ」と言わる様になるのではないでしょうか。
踊れるのも、ダンサー・ちゃぴとの組み合わせとしてすごくいい。
グランドホテルの最後の方で、すごいリフトを見せてれます。
あのリフトを見るためだけにでも、もう1回行きたかったな。
そして、美弥るりかが羽を背負って、2番手に確定しました。
みやちゃん、おめでとう。
前トップの龍真咲の時代に、2番手格4人が競わされている中で私が一番応援していたのがみやちゃんだったので、本当に嬉しい。
あと、今回印象に残ったのはフラムシェンの早乙女わかば。
娘役の2番手位置にいるわりには、今までどの役ももう一味物足りない感があったんだけど、今回はすごく良かった。役者と役がちゃんと一体化していたというか、ちゃんとフラムシェンという女の子がそこに生きていました。
龍真咲の時代の月組がすごく好きでした。
宝塚としてはちょっと異質な感じと、まさおのキャラの醸し出すアイドルっぽい華やかさが。
だけど、まさおとは正反対のタイプと言っても良いようなたまきちがトップになって、2番手もきっちり決まってみると、その安定感たるや・・・!
まさおの時代は「月組、いつになっても落ち着かないなー」だったのに、今回、新トップ第一作目にして「月組、落ち着いたなー」と思ってしまいました。
もうほんとに、これからが楽しみでたまらん。
あ、ショーの「カルーセル輪舞曲」、衣装がめっちゃヅカヅカしていてステキだった。
大柄なたまきちが、トップ仕様の超ド派手な衣装を着て登場すると、ものすごく映える!
2階の一番後ろの席でも十分楽しめるトップさんだと思います。
宝塚花組「雪華抄/金色の砂漠」
2016年12月2日 演劇久しぶりの宝塚オリジナル2本立て。
◆宝塚舞踊詩・雪華抄
日本物レビュー。
暗転の中、お決まりの「花の踊りは~」「よ~いやさ~」の掛け声でぱっと照明がつく、いわゆる「チョンパ」での幕開き。
踊りは、厳密な日舞ではないし、私も皆さんがお上手なのかそれほどでもないのかもわからない、という状態で、衣装を含めた「宝塚の華やかさ」を楽しむ感じ。
個人的には、今回はあまりグッとくる場面がなかったかな。
ゆずかれーの鷲がカッコイイ、とか、とあちゃんの彦星がステキ、とか、あやせちゃんの織姫のドレスがステキ、とか、かのちゃんの清姫がイイ!、とか・・・・・
みりお?
みりおは、う~ん、なんかキレイすぎてねー。なんか、印象に残らないんだよね。
大御所、松本悠里センセイがご出演。
前回のご出演から6年ぶりぐらい?
大劇場のあのひろーい舞台の真ん中にせりで上がってきて、ほぼその場だけでの踊り。せりの真ん中には大きなバッテンが書いてありました。
ここがセンターですよ、と示すものなんですが・・・
なんか、そのバッテンの大きさで、ああ~、お歳を召されたんだなと。
ラストの総踊りの時にも出てきて、列の中に入って銀橋まで出てくるんだけど、結構なスピードで列が動くので、ちょっと大変そうではありましたが、お歳(推定70代半ば)を考えると、動ける方かなとも。
姿勢もすこし前傾してきているようでしたし、もうこれが最後でしょうかね~。
◆トラジェディ・アラベスク 金色の砂漠
最初は、宝塚きってのイケメン男役・明日海りお、に、ヒールをやらせてみようか、という発想だったのでしょうか。
それとも、元ネタありきだったのでしょうか。
なんかいろいろと無理の感じられる、あまり納得のいかない物語でした。
まず、おそらく元ネタは「ファラオの墓」ですよね、多分。
ファラオの墓の主人公・サリオキスは、かつて王子だったけれど、自国・エステーリアを隣国ウルジナに滅ぼされ、奴隷となる。
が、エステーリアの生き残りの人たちに支えられて国を復興させる。
今回の主人公である奴隷のギィ、実はかつて滅ばされた国の王子は、このサリオキスがモデルかなと。
そして、ウルジナにはスネフェルという、ある意味とても魅力的なヒールがいて、サリオキスの妹との悲恋にはものすごいカタルシスがあって、サリオキスの物語以上にスネフェルの物語にドラマがあるんですが、今回、そのスネフェルのキャラをかのちゃんの王女タルハーミネに持ってきて、この悲恋を再現しようとしたのかな・・・と、ついつい裏を読んでしまいました。
「ファラオの墓」はヅカファンから舞台化の要望が多いマンガですが、おそらく作者からOKが出ないんでしょうね。それで、元の形がわからないぐらいにはデフォルメしなくちゃならなくてこうなったのかな・・・と。
まあ、そうでも考えないと、あの上田久美子先生の作品にしては、なんか中途半端な感じがしてしまいました。
奴隷、というのは、主人と使用人、というよりもっともっと格差がある関係だと思うんですよね。
ご主人様である王女様に対して、オフレコでもあんな風に文句を言ったりするかな、と思うし、王女と奴隷、という言葉からはすごい萌えが感じられるけど、想像していたよりずっと二人の間が最初から近くて、萌えより違和感の方が強かった。
それに、奴隷ギィ=王子イスファンディヤールも、王女タルハーミネも、ツンデレのツンツンばっかりで、どこかでふんわりとデレの部分がほしかったなと。
その辺、雪組の「星逢一夜」は絶妙だったなと、改めて思いました。
個人的には、今回はちょっと残念な感じだったかな。
ライブビューイングもパスです。
◆宝塚舞踊詩・雪華抄
日本物レビュー。
暗転の中、お決まりの「花の踊りは~」「よ~いやさ~」の掛け声でぱっと照明がつく、いわゆる「チョンパ」での幕開き。
踊りは、厳密な日舞ではないし、私も皆さんがお上手なのかそれほどでもないのかもわからない、という状態で、衣装を含めた「宝塚の華やかさ」を楽しむ感じ。
個人的には、今回はあまりグッとくる場面がなかったかな。
ゆずかれーの鷲がカッコイイ、とか、とあちゃんの彦星がステキ、とか、あやせちゃんの織姫のドレスがステキ、とか、かのちゃんの清姫がイイ!、とか・・・・・
みりお?
みりおは、う~ん、なんかキレイすぎてねー。なんか、印象に残らないんだよね。
大御所、松本悠里センセイがご出演。
前回のご出演から6年ぶりぐらい?
大劇場のあのひろーい舞台の真ん中にせりで上がってきて、ほぼその場だけでの踊り。せりの真ん中には大きなバッテンが書いてありました。
ここがセンターですよ、と示すものなんですが・・・
なんか、そのバッテンの大きさで、ああ~、お歳を召されたんだなと。
ラストの総踊りの時にも出てきて、列の中に入って銀橋まで出てくるんだけど、結構なスピードで列が動くので、ちょっと大変そうではありましたが、お歳(推定70代半ば)を考えると、動ける方かなとも。
姿勢もすこし前傾してきているようでしたし、もうこれが最後でしょうかね~。
◆トラジェディ・アラベスク 金色の砂漠
最初は、宝塚きってのイケメン男役・明日海りお、に、ヒールをやらせてみようか、という発想だったのでしょうか。
それとも、元ネタありきだったのでしょうか。
なんかいろいろと無理の感じられる、あまり納得のいかない物語でした。
まず、おそらく元ネタは「ファラオの墓」ですよね、多分。
ファラオの墓の主人公・サリオキスは、かつて王子だったけれど、自国・エステーリアを隣国ウルジナに滅ぼされ、奴隷となる。
が、エステーリアの生き残りの人たちに支えられて国を復興させる。
今回の主人公である奴隷のギィ、実はかつて滅ばされた国の王子は、このサリオキスがモデルかなと。
そして、ウルジナにはスネフェルという、ある意味とても魅力的なヒールがいて、サリオキスの妹との悲恋にはものすごいカタルシスがあって、サリオキスの物語以上にスネフェルの物語にドラマがあるんですが、今回、そのスネフェルのキャラをかのちゃんの王女タルハーミネに持ってきて、この悲恋を再現しようとしたのかな・・・と、ついつい裏を読んでしまいました。
「ファラオの墓」はヅカファンから舞台化の要望が多いマンガですが、おそらく作者からOKが出ないんでしょうね。それで、元の形がわからないぐらいにはデフォルメしなくちゃならなくてこうなったのかな・・・と。
まあ、そうでも考えないと、あの上田久美子先生の作品にしては、なんか中途半端な感じがしてしまいました。
奴隷、というのは、主人と使用人、というよりもっともっと格差がある関係だと思うんですよね。
ご主人様である王女様に対して、オフレコでもあんな風に文句を言ったりするかな、と思うし、王女と奴隷、という言葉からはすごい萌えが感じられるけど、想像していたよりずっと二人の間が最初から近くて、萌えより違和感の方が強かった。
それに、奴隷ギィ=王子イスファンディヤールも、王女タルハーミネも、ツンデレのツンツンばっかりで、どこかでふんわりとデレの部分がほしかったなと。
その辺、雪組の「星逢一夜」は絶妙だったなと、改めて思いました。
個人的には、今回はちょっと残念な感じだったかな。
ライブビューイングもパスです。