ああ~、これは、元はブロードウェイミュージカルなのかぁ・・・
道理で・・・・・中身のないのもむべなるかな・・・・・

・パーシー・ブレイクニー
イギリスの洒落者の貴族だが、実は「スカーレット・ピンパーネル」のリーダー。
・マルグリット・サン・ジュスト
パーシーの妻。コメディ・フランセーズの花形女優だったが、パーシーとの結婚のため引退し、イギリスに渡った。
・ショーヴラン
フランス革命政府の公安委員で、革命政府全権大使。
・ロベスピエール
フランス革命政府のトップで、ジャコバン派の指導者。

※Wikipediaより


今回のキャストは
パーシー:石丸幹二
マルグリット:安蘭けい
ショーヴラン:石井一孝
ロベスピエール:佐藤隆紀

宝塚版は面白いんですよ。
妻を疑ってしまうパーシーにも、夫の豹変に心を痛めつつ信じようとするマルグリットにも、こういう風にしか生きられないっていうショーヴランにもドラマがあって感動するし、印象的なエピソードもあって、ラストにはハッピーエンドの爽快感と幸福感があって。

でも今回のは・・・
延べ3時間もあったのに、印象に残るシーンが一つもなく、なににそんなに時間がかかったの?と言う感じ。
宝塚版にあった、フランス王太子を救うエピソードもないし、マルグリットの葛藤もほとんど描かれない。
パーシーが怪しいスパイになりすましてショーヴランと駆け引きするのがおもしろいのに、そういうシーンもとても少ない。
で、強いて言えば、何が一番印象的だったかというと、石井さんのショーヴランで、一人で歌う場面が多かったなぁ・・・と。
曲も、なんか同じような感じのものが多くて、気持ちを動かされなかったし、宝塚版のテーマ曲だった「ひとかけらの勇気」はヅカ用に書き下ろされたものだったらしく、序盤に全然違う歌詞でさらっと一度歌われるだけなので、ヅカ版から入ってるとそこにも違和感ありまくりで。

役者はそろっているのに、脚本と演出の問題だとしか思えない。
もったいない。
脚本と演出をした人は、どこで盛り上がると思って作ったかなあ、どこがクライマックスなのか聞いてみたい。
まさか最後の、殺陣の場面じゃないよね、ミュージカルなんだからさ。
あそこで、マルグリットが二刀流で戦うのも違和感ありまくりだったけど。

ヅカ版の潤色・演出は小池修一郎。
イケコの、というべきか、宝塚歌劇団の、というべきかわからないけど、底力を痛感した。

佐藤隆紀がミュージカル俳優としてものすごいスピードで進化してる。
これからが楽しみ。

そして、星組の新トップお披露目で上演されるのが、ものすごい楽しみ。


星組トップ・北翔海莉の退団公演。
退団公演に名作なし・・・というヅカことわざがあるのですが、これは

名作です

北翔海莉=みっちゃんは、スチール写真だけで見るといまどきのスターさんとしては容姿がちょっと地味・・・な印象だけど、舞台で観るとぶっ飛びます。
歌上手い、ダンス上手い、芝居で滲み出る男役としての包容力と優しさがハンパない・・・
私はみっちゃんを初めて意識したのは、月組の「ルパン」の時でしたが、なんでこんなになんでもかんでも上手くてオーラのある人が、専科なんかにいるんだろう???と思ったものでした。
もう、存在感が圧倒的で、絶対トップになるべきだろう、この人!と。

そのあと、梅田芸術劇場での「メリー・ウィドウ」がすごく良くて、柚希礼音のナポレオンの時のちょっと黒っぽいタレーランがカッコよくて、花組のエリザベートが決まった時は「フランツはみっちゃんだろう、他にいないだろう」と思ってたらその通りになって、ますます、このままでは終わらない予感がしていたら・・・

そしたらホントにトップになった。
二番手になることもなく専科に行った人が、トップになるということは、ズカではかなり異例のことのはずで、嬉しかったけどもびっくりもしたのでしたが。

でも、お披露目の「ガイズ&ドールズ」は、ちょっとヤクザなキャラがみっちゃんには合ってないような気がしました。
つぎの「こうもり」は諸事情でチケットがあったのに行けず。
そしたらもう、その次はサヨナラだというじゃありませんか。
私は仕事が忙しくなってきていて先の予定が立たず、前売りでのチケットがとれなくて、もうこのトップさんとは縁がなかったと思おう・・・と思っていたら。
公演が始まってもあきらめきれずに、チケット余ってないかなーと観てみると・・・余りまくりじゃん!

もったいないです、もう、たくさんの人に観てもらいたい。
サヨナラ公演のオリジナル作品というのは、「サヨナラ」を目いっぱい意識して書かれるアテ書き脚本なので、どんな時でも多少は涙腺を刺激してくるのだけど、今回の作品は脚本の力というより、みっちゃんと星組生の想いが作品を作り上げています。
舞台からほとばしってくその熱を感じるだけでもこの舞台を観る価値があると思います。

物語は、幕末の薩摩藩士・桐野利秋(中村半次郎)を主役としたもので、宝塚的に脚色されてはいますが、国を思い一途に駆け抜けた薩摩藩士というキャラがみっちゃんに良く合っていたし、男たちの物語としても、ダンスや殺陣がとてもかっこいいものになっています。

ショーは名匠・岡田敬二のロマンチック・レビュー。
古き良き時代の香りを残しつつ、今どきのシャープさもしっかり入っていて、そこにみっちゃんの熱さが加わって、もう涙腺が緩んで緩んで・・・

日にちに余裕があったら何度でも観に行きたい。
けど、余裕がない。
なんか仕事がごちゃごちゃしてて。

今回は相方の妃海風ちゃんと同時退団。
二人とも、外に出たらミュージカルの舞台が待ってるよ、と言いたい。
歌ウマな二人だから、きっとこれからも会えるはず。


明るくて楽しくて、華やかで可愛くて歌うまな、大好きな龍真咲=まさおくんが、ついに退団です。
生まさおの見納めに行ってきました。

◆ロックミュージカルNOBUNAGA-下天の夢-

オープニング、武将姿でのダンスがカッコイイ。たまきち(珠城りょう)が2番手になるのと一緒に、みやちゃん(美弥るりか)が別格ポジションでセンターに立つことが多くなり、嬉しいです。
今後、どうなるのかな。たまきちトップの2番手に、なるだろうか?

全体的に、月組内部事情をなぞったような脚本・・・に思えた。
演じている方にしたら、いろいろ走馬燈なんじゃないかな(^_^;)
宝塚の常識からは少々外れた組だったけど、まさおの意向だったんだな。その意味では、まさおは立派に「龍真咲の月組」を作り上げたんだな・・・と納得。

まさおのセリフ回しが、なんかもう開き直ったように「まさお節全開」で、退団後、演じる方には行かないつもりなのかも、と思った。歌1本でやっていくのも難しい気がするけど、でもコンサートするなら、まさおの歌なら聴きに行ってみたい。

次期トップは珠城りょう。ダイキンのCMに出ています。


◆シャイニング・ショー Forever LOVE!!

色使いのキレイなショーだった。オープニングのピンクや、フィナーレ前のパステルグリーン×ゴールド。
私が観に行ったのは、クレジットカード会社の貸切公演だったんだけども、まさかのアフロ祭り。
月組には伝統的に、公演期間中にランダムで、ショーの中詰めシーンを出演者全員がアフロのかつらを被ってやる、というサプライズがあるのです。
ずっと月組見てきて、最後にアフロ祭りに遭遇できて、もう思い残すことはないわ(涙)
その回しか観ない一般のお客様には申し訳ないかもしれないけど。
でも、やってるみんなも普段よりノリノリで、ファンとしては大ごちそうです。


今は、大千秋楽のライブ中継があるのでありがたいです。
当たれば、だけど・・・多分行けると思うので。
スクリーン越しに、だけどあと1回。
2度と観れない、宝塚のアイドル・龍真咲を目に焼き付けておきたいです。
OSK「春のおどり」
大阪松竹座にて。

第1部「花の夢 恋は満開」
第2部「Take the beat!」

第1部は和物ショー。
いつものような、場毎に設定の違うショーではなく、一応ストーリー仕立て?な感じ。
若旦那が廓に遊びに行って、お座敷で寝入ってしまい見る夢、みたいな。
そのせいか、なんとなくいつもの勢いと華やかさに欠ける気がした。
ただ、トップの高世麻央の助六風な伊達男とか、2番手・桐生麻耶の纏持ちとか、ピンポイントでははっとするほどカッコイイ。
夢の入りの場面、娘役さんたちが花灯篭を持って踊るシーンがキレイだった。
OSKは娘役のシーンがキレイなのも印象的だよね。
寝入る場面があって、夢醒めの場面があるということでその間が全部夢だったんだとわかるんだけど、夢としての場面の設定に一貫性がなくて、そこもちょっと違和感。
例えば高世さんの役も場ごとに違ったりするし。
そこはなんか、夢の中で別世界に入り込んでそこでひとつのストーリー展開があってもよかったんじゃないかなとも思った。

第2部は洋物ショー。
桐生さんがカッコイイ。
この人は不思議な人で、パンフレットの写真はぱっとしないのに、舞台上ではすごいオーラがある。
ただ、華、という意味では高世さんなんだよな~。
でも、だから今のこのトップと2番手のバランスがすごく良いとも思うんだけど。
「サマータイム」の場面、こういう場面ができるのが、桐生さんなんだよね。
OSKはこの人を失ったら厳しいと思うけど、でもお歳を考えると、桐生さんのいないOSKを考えないといけないと思う。
OSKの制作体制ってどうなってんのかな、宝塚みたいに先のことまでちゃんと考えてる人がいるんだろうか。

チェスを模したチェックメイトのシーンでは、3番手の真麻里都ではなく、若手ホープの悠浦あやとにソロがあって、へーと思った。
100周年まであと6年、そこを見据えての真のホープかな?

次の、女はみんなダイヤモンドが好き、みたいな場面は、高世さんの美女ぶりが披露されます。
確かにキレイなんだけど、コミカルな場面でもあるので、高世さんがもっとハジケないとなー。真面目な人なんかなー。

次の「キャラバン」からは一気に踊りっぱなし。
OSKの醍醐味を満喫。
OSKのダンスはねー、ホント、クセになる。
劇場が狭いからなのかもしれないけど、舞台上の熱気がストレートに伝わって来て、すごく幸せな気持ちになるんだよね。
あー、みんな、ホントに好きでやってるんだなー、1回1回が楽しくて仕方ないんだろうなーっていうのがね、観てる側もそういう気持ちになって嬉しくなっちゃうの。

昔、あやめ池遊園地の小さな専用劇場でやっていた頃は、宝塚みたいに1部はお芝居、2部はレビューっていう形だったけど、いろいろあって再生してからは、本公演(って言っていいのかな、年1回の松竹座と新橋演舞場)はレビューに特化するようになって、そのことがOSKの独自性を作ってきてるように思う。
最近の宝塚がミュージカルに振れてきてるのに対して、レビューはOSKっていう方向で発展していったらいいなぁと思うんだよね。
それで、将来的に、歌劇をやりたいっていう人たちに、自分は踊りたいからOSKにっていう選択肢が出てくるところまで行けたら、人材も集まってくるしね。

今回、開演前にパンフレットを見たらは朝香さんも牧名さんももういなくて、「寂しいな~」と思ったけど、幕が開いてみると一気に若返った感があって、代替わりは必要なんだなぁと痛感した。
規模的に宝塚みたいにコロコロ世代交代はできないけど、6年後の100周年にはもう1世代変わっていないといけないだろうなと思う。
なんとか頑張って、華やかな100周年を迎えてほしいなあ。

宝塚宙組「ヴァンパイア・サクセション」
2番手・真風涼帆をセンターに据えた宙組公演。
21世紀に蘇ったヴァンパイアの恋物語・・・とまとめちゃっていいでしょうか、石田先生。

その作者先生がプログラムで「昨今はやりの演劇感覚から置いてきぼりを喰らっている」と「カミングアウト」されているように、せっかくのヴァンパイアもの、もう少しロマンチックにできなかったかな~と「昨今はやりの演劇感覚」にどっぷり浸かっている者としては、やはりちょっと物足りなさがありました。
※昨今はやりの・・・とは、2.5次元やBL、韓流、アニメ、コスプレ、ゲーム等を取り入れる演劇感覚。

が。

そこを補って余りある、真風涼帆の存在感!
まだ研3であるはずの、星風まどかの安定感!
そして、このコンビのバランスの良さ!

まぁ様とみりおんの現トップコンビも、今絶頂期を迎えている感があるので、先のことは考えたくないけど、宙組はとりあえず「次期」までは道が舗装されたと思っていいのかな?

それと、うららちゃんから、吹っ切れたようなさわやかさを感じて、娘1の期待から解放されたってことかな、と思ったのですが、もしかしたらもっとはっきりとした道が拓けたのかもしれない、とも思いました。
まぁ、そんなことを邪推してしまうのはヅカファンの悪い癖ですが・・・
もし、うららちゃんが組替えして、次期トップが決まっている彼女のヨメになるのなら、それはそれで目に麗しい芝居巧者コンビになるなぁ、と、そんな妄想もしつつ・・・

宙組の次回公演は「エリザベート」。
今の宙組なら、期待するのみ。




スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」
スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」
昨年の11月には東京・新橋演舞場で、そして先週末には大阪松竹座で、観てきました。

これほど「百聞は一見に如かず」という諺があてはまるものもない、というくらい、言葉では到底伝えきれない、夢の国で我を忘れて遊んできたような3時間半。

新しい歌舞伎であることは間違いないのですが、歌舞伎としての伝統もきっちり押さえていて、当代猿之助の歌舞伎に対する情熱を感じました。

一人二役の早変わり、本水、宙乗り、などの歌舞伎のワクワクもてんこ盛り。
マンガのキャラを見事なまでに体現した役者たち。

私は原作マンガもアニメもそんなには知らないのですが、猿之助のルフィを見て、なんで「ワンピース」というマンガが世界中から支持されているのかがとてもよく伝わってきました。

大牢獄インペルダウンからニューカマーランドへの流れの2幕の強烈なエンターテインメント性。

打って変わって3幕のドラマ性。

感情が、ジェットコースターのように上がったり下がったり、観客は猿之助の掌の上で転がされっぱなしです。

観ていてこんなにも幸せな気持ちにさせてくれる舞台って、今までにあっただろうかと、なんだかわからない涙が込み上げてくるのでした。

画像は、特に完成度の高かったお二人。
坂東巳之助のボン・クレーと、浅野和之のイワンコフ。
顔だけではなく姿かたちも、動きもしぐさも口調も何もかもが、マンガの中から出てきたとしか思えない、もうそのまんなのお二人でした。
宝塚で「るろうに剣心」
早霧せいなの雪組、昨年のお正月公演の「ルパン三世」に続き、今年は「るろうに剣心」です。
ルパンの時はショーとの2本立てで、良い感じにまとまった出来上がりでしたが、今回は巨匠・小池修一郎センセイの新作1本立て。
さーて、どうでしょうか・・・・

と、スレたヅカファンはついつい斜め目線で行ってしまうのですが、るろ剣を良く知っている子供たちの素直な感想は
「キャラをうまく作っていて、るろ剣ワールドの基本も大体抑えていて、とても良かった、面白かった」
でした。

るろ剣を良く知らない私には、るろ剣としての完成度とか、ストーリーがどうか、というよりもまず、
・なるべく多くの生徒に出番を
・中でも力のある生徒にはそれなりの役を
というイケコ先生の「宝塚愛」が感じられて、いまや外部で引っ張りだこの大先生になられたけど、宝塚を忘れないでいてくれてるなと嬉しかったです。

殺陣がみどころの一つなので、随所に出てくるのですが、マンガ独特の効果音-刀がぶつかる「カキーン」とかそういうやつ-が、そのまま音として出てくるのが面白かった。
普段の和物でも、あんなにマンガチックな効果音使ってたかなぁ・・・と改めて考えるとわからないのだけど、今回はとても印象的でした。

さて、今回は家族で観に行ったのですが、休憩時間にあわただしくお弁当を食べるのではなく、帰りに梅田で食事して帰ろうね~、なんて言っていたのです。
ところが、終演時間が14時で、それから梅田まで戻ってきて14時半過ぎ。
そんな時間、まともに食事ができるようなお店はどこも開いていないのですね。
ランチタイムが終わって、17時ぐらいからの夜営業までは店を閉めているところが多く、無駄にウロウロして、お腹は空くし疲れるしで、参ってしまいました。

普段、地元のファミレスとかしか行かないからわからないのかもしれないけど、繁華街のレストランってそういうもの?昔から?それとも、最近の傾向?
日中、買い物途中とかでお腹がすいたら、みんなどうしてるんだろうなぁ~、なんて思ってしまったのでした。


坂東玉三郎×鼓童「アマテラス」
歌舞伎の坂東玉三郎と和太鼓集団・鼓童のコラボレーション公演「アマテラス」、チケットが降臨して観てまいりました。

こういうのってなんというのか・・・太鼓にのせた舞踊劇、というには太鼓演奏の比重が大きく、舞踊と太鼓の共演(競演)という感じ。

で、感想はと言えば・・・・・

すごい

という以外に言葉が見つかりません。

ストーリーは誰もがご存知の、天岩戸の話です。
天照大神の元へスサノオノミコトがやってきて、あまりに荒ぶるため天照大神は天岩戸の向こうへ引きこもってしまう・・・までが1幕。
天岩戸の前で太鼓の演奏、アメノウズメの踊りが行われて、天照大神が現れて・・・が2幕。
セリフが一切ないので、スサノオノミコトがなんで荒ぶっているのかとかそういう具体的なことは示されないです。
天照大神のところにスサノオが来ました、暴れて天照大神は岩に隠れてしまいました、人々は出てきていただこうと演奏やら踊りやらいろいろ頑張ったら、天照大神はついに出てこられました・・・て、ほんとにそれだけ。
そして音楽は鼓童による太鼓、笛、銅鑼、鈴などの原始的な打楽器のみ。

舞踊も、玉三郎の踊りは型と動きとでも言ったらいいようなとりとめのないもので、観客の反応は1幕はまだ「これは一体どういうモノ?」とポカーンとしているうちに幕、って感じでした。

ところが2幕になって、天岩戸前で延々と繰り広げられる太鼓演奏。
そのうち、元宝塚男役の愛音羽麗扮するアメノウズメが出てきて、こちらははっきりとしたコンテンポラリーダンスの形の踊りを踊る。
天岩戸の向こうの天照大神が「ちょっと覗いてみようか」となるのも頷けるほど、観客の気持ちも否が応にも掻き立てられるのです。
そしてついに、舞台奥の岩を模した黒いカーテンから一条の光が射し、それをこじ開けると天照大神が姿を現す・・・・・・

その姿の神々しさと言ったら!!!

玉三郎って神だったんだ、と思いました。
いやもう、大真面目に、笑っちゃうくらい「ははーーーーー」って気持ちに。

そこからまたひとしきり、天照大神をまじえた太鼓演奏と踊りがあって幕、なんですが。

1幕のあの「ポカーン」な感じはなんだったのかと思うような、観客の熱狂ぶり。
繰り返されるカーテンコール、立ち上がって、腕を上げて拍手したり叫んだり。

なんかね、感動したというより、語弊があるかもしれないけど「煽られた」という感じで、何かものすごく不思議な感覚。
普通に舞台観た後に「よかった」とか「いまいちだった」とかいうのとは違う、なんかそういう次元とは違うものを観た、という感じ。
チケットを譲ってくれた方が、「一度観ておいた方がいいよ」と言った意味が、観終わってよくわかりました。

坂東玉三郎がいるからこその舞台、です。
そういう意味で、坂東玉三郎はやっぱり「奇跡の人」だと思ったのでした。
柚希礼音The Last Day
宝塚星組のトップスターであり、宝塚歌劇団のスーパースターであった(と、もう過去形なのが悲しすぎる)柚希礼音の大千秋楽を、ライブビューイングで観ることができました。

感想は、ただただ辛いの一言に尽きます。
もう本当に、諸行無常という言葉をこんなにも痛感することは他にはありません。

宝塚のトップさんというのは組の数だけいるわけで、5組5人のトップさんの中で一番好き、という人ではなかったのですが、ただこの柚希礼音という人はもう好き嫌いを超えた別格な人でありましたし、その柚希礼音が率いる星組もまた、宝塚歌劇としてのオーラの強い組だという印象を持っていました。

今回、その特別な人が卒業してしまう、というだけでなく、その特別な組を構成していた主要な人たちートップ娘役の夢咲ねね、歌姫・音花ゆり、ダンサー・鶴美舞夕も同時退団、そしてトップ柚希礼音、2番手紅ゆずると共に星組の安定のピラミッドを形作っていた3番手真風涼帆が組替えで出ていってしまうということで、ここまで出来上がった星組自体が一旦終わってしまうような、二重三重の痛みがありました。

柚希礼音は歌、芝居、ダンスの三拍子揃ったレベルの高い男役さんでしたが、特に抜きん出ていたのはダンス。
歌はまたどこかで聴けるかもしれないし、役者・柚希礼音にももしかしたら会えるときが来るかもしれない。
でも、宝塚の男役ダンスというのはもう二度と観ることができないのです。

ああ、辛い。
もう本当に、今日も見ている間ずっと辛くて悲しくて。

今後もトップさんのラストデイのライブビューイングは行われるでしょうけれど、こんなに辛いならもう行くのはやめようかと思いながら帰ってきました。

でも、宝塚ファンとして、最後まで見届けるのもまたファンの役目だとも思うのですよね。

インタビューなど垣間見るだけでも、努力に努力を重ねた険しい年月だったことがうかがえ、そのお陰でひとときの夢を見せてもらえたことに、こちらこそ心からの感謝を送りたいです。

ありがとうございました、そして、お疲れさまでした。

今後のこと、きっともういろんなお話が来てることでしょうが、いろんなかせを外し、自由な活動ができますように。

星組はベテラン北翔海莉に引き継がれます。
私もまた宝塚ファンの端くれとして、新しく生まれ変わる星組を応援していきます。
宝塚月組「1789-バスティーユの恋人たち」
GWはカレンダー通りにお休み。

とりあえず宝塚だよね、ということで、大劇場で絶賛上演中の月組公演に。

フランス原産のミュージカルの日本初演版。
前売りがさっぱり売れず、私は楽しみにしていたので「なんで~???」と思っていましたが、幕が開いてみれば観に行った人たちからは絶賛の嵐。また、「宝塚らしくない」という感想も多数。
My初日は5月17日でしたが、そんないろんな感想に刺激され、「とてもそれまで待てない!」状態になり、急きょ行ってきました。

百聞は一見に如かず。観に行って納得。
今回の公演、宝塚歌劇としてはとても冒険というか、実験的というか、確かに「らしくない」ものでした。

1789年のフランス、と言えば、宝塚大得意のフランス革命の年であり、そのお話なのですが、その革命の年を平民側からと貴族側からの両面から描いている物語です。
登場人物は平民側の人々、貴族側の人々、と分かれてはいますが、その中での主要な人々、という以上に「特にこの人が主役」という設定はされておらず。
それを宝塚風に潤色することで、平民側はロナン・マズリエ(龍真咲)(とオランプ・デュ・ピュジェ(Wキャスト:私が観た時は早乙女 わかば )のカップル)が、貴族側はマリー・アントワネットがクローズアップされてかろうじて「主役」的な立場になっています。
歌のパートなど、フランスの原版とは入れ替わりがあってロナンの歌が増えたりはしているようなのですが、それでも。
普段の宝塚作品での主役と脇役の差が階段のてっぺんと一番下ぐらいの差があるとすると、今回の「主役」ロナンの立ち位置は「脇役」であるカミーユ・デ・ムーラン(凪七瑠海)、ロベスピエール(珠城りょう )、ダントン(沙央くらま )らと比べて階段2、3段ぐらいの違いしか感じられません。
しかも、貴族側は革命が近づくにつれてバラバラになっていく中で、王妃マリー・アントワネットの悲哀がクローズアップされるのに対して、平民側はどこまでも集団としての総意で動くので、マリー・アントワネットほどにはロナンは目立ってこないのです。
男役トップスターという「確固たる主役」が決められている宝塚で、よくこういう作品をやろうとしたな、という驚きがありました。

しかも、ロナンの恋愛の相手役が娘役トップの愛希れいかではないというのも、宝塚の常識からしたら異例のことです。そして、今回、その愛希れいか=ちゃぴちゃんはマリー・アントワネットを演っていおり、私の個人的な印象としては、ロナンをしのぐ存在感で、この作品で誰が主役と言われたらこの人ではなかろうかと思ってしまう程でした。

今回、2階のA席という、舞台全体を俯瞰できる位置からの観劇だったこともあって、宝塚歌劇というより、どこかの普通の劇団の公演を観ているような感じになる瞬間もあって、不思議な感覚でした。

ただ、考えようによっては、今の月組だから出来たものとも言えるような気がします。
5組の中で唯一、故意に宝塚的システムを作動させまいとしているようにも見える月組。
番手をはっきりさせないし、ちゃぴの扱いの重さも他の組の娘役トップと明らかに違う。
まさおの任期が長くなっていることも、劇団として、月組でやろうとしていることがあるのかもしれません。

話がそれましたが、この作品。
音楽はフレンチポップ、あるいはロックテイストで心地よいです。
そしてダンスアンサンブルがまた素晴らしい。
舞台装置も衣装も凝っていて、目にも楽しいです。
貴族側のアルトワ伯を演じている美弥るりかが魅力的で、彼女は本編が終わった後、初舞台生のロケットへ繋ぐ間の銀橋渡りを担当しているのですが、美しいです。
そのあとに展開されるショーも、超絶カッコイイ。電子音の音楽での大階段を使ったダンスは、星組ロミジュリの時のショーにも引けを取らないのではないかと思う程です。

一人一人が自分の役をしっかりモノにしていて、歌にも不安がなく、レベルの高いものに仕上がっていると感じました。
5月の半ばと、前楽の日と、あと2回観に行きます。
きっと進化した舞台が観れるでしょう。楽しみです。

祝!新生花組

2015年4月8日 演劇
前回、「エリザベート」でトップお披露目をした明日海りおが新トップ娘役の花乃まりあを迎えての新生花組、本拠地での本格的お披露目公演。
正二番手に芹香斗亜、三番手に柚香光と番手もきっちり、組としての形を整えてのスタートです。
すべてが若く初々しく、勢いと華のある、胸の熱くなるような公演でした。

◆ミュージカル「カリスタの海に抱かれて」
脚本はテレビドラマでも有名な大石静。おそらくプロットはちゃんとした筋の通ったものになっているだろうと思われるけれど、演出の石田先生の言うところの「宝塚のお家事情」の故か何か、後半かなりはしょった展開になってしまっています。
まあ、宝塚では珍しくないことなんだけども、トップコンビがすごく良かっただけに、少々残念ではありました。

その、トップコンビ。
まず印象的だったのが、花乃まりあのアリシア。島に生まれ育った素朴で純真な女の子で、しぐさや言葉遣いはぶっきらぼうなんだけどそれがすごく可愛い。アリシアのキャラがしっかりできてるから、明日海りおのシャルルがどんなふうにアリシアを好きになったかがよくわかって、二人が絡む場面ではキュンキュンしてしまいました。
特に、シャルルがアリシアにドレスを届ける場面。ここではシャルルは、アリシアが親友の許嫁だと知ってアリシアを拒む決心で来ており、実際にそう告げるのですが、心は全然拒めていないのですよね。その、言葉とは裏腹な心情がすごく良く出ていて、明日海りお、上手いです。セリフとは真逆なその心情がちゃんと出ているから、拒まれたアリシアが「あんた、あたしを好きだろ?」っていうセリフも真っ直ぐに響いて、そう言うアリシアが可愛くて、シャルルもますますアリシアが好きになっちゃって辛いよねっていう・・・なんというか、ただセリフをこなすだけでは出てこない、二人のやり取りから醸し出される相乗効果みたいなのがあって、このコンビは成功するのではという期待感が持てました。

ロベルトの芹香斗亜。
文句なしにカッコよくって、この人こんなにカッコよかったっけ?と目を奪われました。
ただ、終盤の話の展開が急展開過ぎて、ロベルトの心情がよくわからなくなってしまったのがね・・・それはキキちゃんの罪ではないですが、どう収めたらよいのかわからなくなっちゃった感があって、その辺は東京へ行く時にもう少し整理されるといいなと思いました。

柚香光の若き日のナポレオン・ボナパルト。
ちょっとデフォルメされたナポレオンを上手く演じています。歌も安定していて、上達したなあ、努力してるんだなあ、と胸熱。
宝塚って、最近ほんとに歌に弱い人が多いんだけど、こんなふうに努力がみえると、逆にそれが観てる方にとっても喜びになるんですよね。

このお芝居、中盤でちょっとした戦闘シーンみたいなのがあるのだけど、そのシーンがまさしく「新生花組のお披露目」感があって、なにかいろいろと感慨深かったです。
一言でいうと、蘭とむさん時代の花組とは雰囲気が全然ちがっていて。
なんというか、「新しく生まれ変わったんだな」っていう感じがすごく強くて。
今までの花組の雰囲気を引継ぐ、というのではなくて、まっさらなものに生まれ変わった感が強くて、大げさに言えば諸行無常感とでもいいましょうか。ちょっと切なさを感じてしまったのですが、でも、新しい組でありながら、組としての安定感も感じられて、みりおは長期政権とも言われているので、今のこの体制で長く観ていきたいなと、柚希の星組みたいに熟成して行くのを観ていきたいなという期待感も溢れてきて。

まあそんなこんなで、観劇を楽しむという以上に、ヅカファンの端くれとしていろいろと思いの交差するひとときでした。

◆レビューロマン「宝塚幻想曲~タカラヅカファンタジア」
これはもう!
前半のお芝居の時のもろもろの物思いなど吹っ飛ばされる、素晴らしいショー!
今年の夏の台湾公演にもっていくものなので「タカラヅカ、本気出しました」ってことなんでしょうか。
観てるうちに胸の鼓動がどんどん高まっていって、終盤、「さくらさくら」のシーンが終わった時には呼吸困難になりそうでした。
セット、照明、衣装、という部分も含めてすべてが、美しく、華やかで、カッコイイ。
そんなの宝塚なんだから当たり前、と言われそうだけど、いつものレベルではないんですよ!!!
ヤバイです、もう、リピートしたい。ああ、お金と時間があれば。いや、お金はなんとかなる、時間さえあれば・・・。
でも、もうその時間がないのです(涙)もう、あと1回しか観れない・・・
このショーは遠目で見ることをお勧めしたいです。舞台全体が見えた方がより楽しめると思います。
私が持ってるあと1回分のチケット、普通なら大喜びの1階8列なんですが、今回のショーには近すぎると思うんですよね・・・
贅沢言ってますが・・・あと1回、新生花組のパワーを全身で受け止めて浸って来ようと思います。




3月の観劇

2015年3月30日 演劇
感想を書いておこうと思っているうちに日々はどんどん過ぎてしまったので、今月何を観たか、とりあえずの記録。そんなにたくさん行ったわけじゃないんだけどね。

・宝塚星組「黒豹の如く/Dear DIAMOND!!」
 (ここまではなんとか書けたんだけど)

・京都南座 三月花形歌舞伎
 若手による公演。メインの出演者は、
 尾上松也・坂東巳之助・中村歌昇・中村隼人・中村種之助・中村米吉・尾上右近(順不同)
 昼の部:「矢の根」曽我五郎・・・中村歌昇
      「鳴神」鳴神上人・・・尾上松也 雲の絶間姫・・・中村米吉
      「流星」流星・・・坂東巳之助 織姫・・・尾上右近 牽牛・・・中村隼人
 夜の部:「弁天娘女男白浪」
       弁天小僧菊之助・・・松也  南郷力丸・・・巳之助  忠信利平・・・隼 人 
       赤星十三郎・・・右近  日本駄右衛門・・・歌昇
       浜松屋伜宗之助・・・米吉  鳶頭清次・・・種之助 
      「闇梅百物語」
      骸骨/読売・・・種之助  小姓白梅/雪女郎・・・右近
      新造・・・・米吉  河童・・・隼人  傘一本足・・・巳之助
      狸・・・歌昇  大内義弘・・・松也 

昼・夜とも観に行けて、大満足。
最年長が松也くんで30歳、あとは20~25歳ぐらいという、超若手による公演。
いろいろと初々しかったけど、勢いと華があって良かった。

・宝塚宙組「TOP HAT」
新トップ:朝夏まなとのプレお披露目。ブロードウェイミュージカルを新生宙組で。
楽しい作品だった。たくさんの出演者に見せ場があって、宝塚オリジナルでもこんな風に作って欲しい。
コメディ・ミュージカルで、主役のまぁ様より個性的な脇役の七海ひろきや愛月ひかるが目立った感もあったけど、明るい演目は新トップのまぁ様によく合っていて、これからの宙組がどんな感じになっていくかがよく見えた公演だったのではないでしょうか。
相手役の実咲凜音も水を得た魚のようだった。
新しい宙組はトップコンビとしての二人を楽しめるかな。


7月の帝劇・エリザベート、厳しかったけどなんとか、なんとか取れました。
遠征組としては連休を狙ったけど、そこはやっぱり集中したみたいで難しかった・・・。
まあ、連休はホテル代も高くなるし、平日でいいいよね、と、娘と二人、有休とって行くことにしました。こういう時のためにこそ、有休はあるのだ~!(笑)



宝塚星組公演、2回目。
私にとって、男役・柚希礼音の見納めです。

ちえちゃんは少しお疲れのようにも見えました。
ムラでの公演が残すところあと2回というところまで来ていて、もう余力を考えずに突っ走っているのかもしれません。
あるいは、午後の公演はもう前楽、サヨナラショーの1回目を控えていて、気持ちがそういうモードに入りかけていたのかもしれません。
お疲れのように見えても、そのダンスや歌、お芝居に遜色があるわけではなく、むしろ一つ一つ丁寧に、悔いの残らないように演じ、歌い、踊っているようにも感じられました。

お芝居「黒豹の如く」
改めて観て、ちえねねの大人な雰囲気を上品に生かした名作になってるなと思いました。
終盤、二人が想いを確かめ合うシーン、「こいつめ」という気恥ずかしいセリフもこなれて、しっとりとした名シーンになっていました。
本当に、さばさばと進んでいくのに、ラストシーンではどうしても涙腺が緩んでしまう。
お芝居の中のセリフのように、いつか帰ってきてくれるならどんなにいいかと思いますが。

ショー「Dear DIAMOND!!」
今回は2階席だったので、全体が俯瞰できて、ショーとしてとても楽しめました。
ダイアモンドがモチーフということで、宝石箱をひっくり返したような煌びやかさで進んでいきますが、大階段が降りてからは雰囲気がガラッと変わります。
ショパンのバラードがもう・・・切なくてどうしようもない。
そして、珠玉のデュエットダンス。
ほんとうにほんとうに、美しいデュエダン。

私が柚希礼音を見れたのは、最後のほんの2年ほどだったけど、出会えてよかった。
ヅカファンに戻ってきて、この人に間に合ってよかったと思います。

東京での大千秋楽、またライブビューイングがあるだろうけど、今度はチケットも厳しそう。
見れたら良いんだけどなあ・・・。
東宝エリザベート、ポスター出た~!
東宝エリザベート、ポスター出た~!
楽しみにしている、この夏の帝劇「エリザベート」、ビジュアルが出ました。

な、なんというイメチェン・・・
ちょっとびっくり。

宝塚歌劇ではない、東宝による「エリザベート」は2000年の初演から一貫して、→上の写真のような、端的にいえば陰々滅々としたイメージでポスターその他のビジュアルが作られてきました。(写真は2010年版)
それは、ハプスブルク王朝の黄昏とエリザベート自身の苦悩を象徴するものでもあったと思います。
エリザベートはリアルな王妃として佇み、黄泉の帝王トート閣下は黒を基調とした衣装で、そのイメージは作られておりました。

ところが、今回のビジュアルは。(下の写真)

こ、これは、どう見てもトート閣下は天使・・・
そして、その天使に導かれて昇天していくかのようなエリザベート。
まるで、宗教画のような神々しさはどういうことでしょうか。

今回、キャストが一新されて、詳しい方のお話だと衣装担当者なども今までとは変わるとのことで、なにかいろいろと今までからは一新された「エリザベート」を期待してしまうのですが、もしかして演出なんかも新演出となったりするのでしょうか。
ブロードウェイミュージカルと違って、ヨーロッパミュージカルは輸入した側で割と自由に演出をすることができるそうで、確かにウィーン版本家「エリザベート」と日本で見た東宝版ではセットも違えば、ストーリーの流れすらも、ウィーン版にある歴史的な描写が削られていたりとだいぶ違っており、幕切れの演出なども、ウィーン版ではルキーニがすべてを語り終えて真に死刑を執行されるという割とショッキングな幕切れであったのに対して、私が見た時の東宝版は、ついにトートに身を委ねたエリザベートがお棺の中に目を閉じて横たわり、その棺の蓋が閉じられる、というものだったように記憶しています。

今回のこのポスターイメージからすると、なにかまた違う解釈に基づいて、新しい演出がなされるのではないかしらと・・・
宝塚版では、そこは宝塚ですので、トート閣下がエリザベートに一目ぼれ的なものが基調にあるわけですが、ウィーン本家版とそれを踏襲している東宝版は、トートというのはあくまでもその時代に漂う「死」の雰囲気として舞台上に登場し、それに誘惑されながらも抗うエリザベートという構図で物語は進んでいたわけです。
もし、このビジュアルからイメージする、現世において生きることに苦悩していたエリザベートが、死によって解放され救われるというような解釈がなされるとすると、割と宝塚版に近いような気もするので、宝塚版にあるようなトートがエリザベートに恋をするような描き方はされないにしても、トートとエリザベートとの関係性が今までよりも多少強調されるような演出になったりするかな・・・などと妄想が膨らみます。
具体的にどこでどうしてほしい、と言うほどのことはないのですが、一つだけ勝手な希望をするなら、エンディングは宝塚的な、二人で手を取り合って旅立っていく的な演出の方が、観終わった後味がいいかな~、なんて、勝手なことを思ったりしております。

まあとにかく、今回は今までに比べてかなり歌ウマさんたちをキャスティングしてくれているし、割と、かなり、楽しみにしているもので。

でも、一番の問題はチケットが取れるかってことなんですけどね。

星組「黒豹の如く/Dear DIAMOND!!」
昨日に続き、本日もタカラヅカ。
大劇場で星組公演に行ってきました。

星組も、トップスター柚希礼音のサヨナラ公演。
2日続けてのサヨナラ公演はキツイです・・・辛すぎる・・・
星組は千秋楽ではなかったけど、もう1回観れるけど、それでも。
今日、帰ってきてからもう寂しくて寂しくて。

さて、気を取り直して感想を。

◇ミュージカルプレイ・黒豹の如く
名匠・柴田 侑宏先生の脚本。
正しい日本語での洗練されたセリフ、ナチュラルな会話。
余計なことを気にせず、すんなりと物語に入っていけます。
たくさんの組子たちをまんべんなく登場させていて、宝塚のオリジナル作品のお手本を見るよう。
柚希礼音のアントニオと英真なおきの叔父さんとの会話のシーン、脚本も演じる方も上手いなあと唸りました。
夢咲ねねとの恋愛模様はとっても大人。ただ、濃厚なシーンの多かったこのコンビとしては少しおとなしすぎたような感じでもありました。
体調が心配だった2番手・紅ゆずるは安定の悪役。
徹底的に悪で、夢咲ねねのカテリーナへの片思いに同情する気にもならないくらい可愛げがないのは、役作りなのかな。
個人的には、悪にもそういう一分の可愛げがある方が好みなので、ちょっとそんな風に思ってしまったのだけど。
アントニオの側近・ラファエルの真風涼帆。この人はこのところ見るたびに上手くなってると感じます。何をやってもすっとした気品が漂うのがこの人の個性かと。
将来、真ん中に立つ時が来るのが楽しみ。次回から宙組に組替えで、星組でセンター、というわけにはいかなかったけど。
セバスチャンの十輝いりすは、貫録があってカッコよかった。役的にも。
物語を最後に動かすアルヴィラ、誰だろうと思ってたら次期娘トップの妃海風だった。
ゆがんだ女を見事にしっかり演じてました。
ダメ出しをするなら、何が“黒豹”だったのかな~と(^_^;)
でもまあ、そんなことはもう関係ない。
ラストシーンで全部吹っ飛んだ。割とあっさりエンディングまで来たなーと思ってたら。
思わず涙腺が緩みました。

◇ショー・Dear DIAMOND!!
オープニングのリベルタンゴが超絶カッコイイ。
そのあとずっと、なんかもうずっと中詰めかと思うような怒涛の展開だった印象。
いっぱい詰め込まれていて、これじゃあ今回は大階段の男役群舞はないかなと思ってたら、それもちゃんとあって。
しかも、黒燕尾!見惚れました。
あと、デュエットダンスがすごい。なんかもう、この二人じゃないと成立しないよねっていう世界だった。
終盤、ちえちゃん(柚希)が自作の歌詞の歌を歌いながら客席を回るのですが、心に沁みた・・・
私の席からも近くまで来てくれて、しっかり目に焼き付けました。

前作の時も感じたけど、今の星組は完璧だと感じます。
盤石なトップコンビと、紅、真風、礼真琴とはっきりした番手、十輝いりすという脇を固める別格。そのほかの組子たちも役割分担が大体できていて、安心して見ていられる。
宝塚の組の形として理想形だなと。
でもそれも、今回までだなあと思うと、この理想的な組は、柚希が6年間トップにいたから出来上がった、というよりは、彼女が6年かけて作り上げたと言えるものなんでしょう。
星組生え抜きでトップまで上り詰めた柚希。
辞めるの、名残惜しいだろうなあ。
心残りはないだろうけど、それとは別に、きっと組に対する愛着が他の組のトップさんたちとは比べ物にならないくらい大きいだろうから。

あと、今日見ていて痛恨だと思ったのが、次期トップのいないサヨナラ公演ということ。
次期トップは専科からくる北翔海莉=みっちゃん。
みっちゃんがトップなのは良いのです、むしろ大歓迎なのです。
だた、引き継ぎのないトップ交代っていうのがなんとも・・・
それなら、100周年幕開けのナポレオンにはキャスティングされていたのだからそこから2番手に降ろしておいて、1年でもいいから組子としていて欲しかったなと思うわけです。
みっちゃんに対してではなくて、プロデューサーに対してそう思うのです。
私は、みっちゃんが次期トップと知った時に、星プロデューサーはちえねね星組を一旦瓦解させるつもりなのかなと思ったものでした。
プロデューサーのやり方として、トップが強力だったからこそ一新するための荒治療というのもありだとは思うのだけど、ちえちゃんの心情を考えると残酷なことだなと思わずにはいられません。

昨日観た宙組の、かなめさんのサヨナラとはまた違う、ちえちゃんらしい暖かさの感じられるサヨナラ公演でした。
10年に一人と言われる大きな人でしたので、喪失感がものすごいです。


宝塚宙組“6代目”トップスター凰稀かなめさんの、東京宝塚劇場での大千秋楽。
一昔前なら、ちょっとやそっとのコネがあっても観ることの叶わなかったサヨナラショー付のその最後の公演を、今の時代は幸せなことにライブビューイングというものがあり、映画館で生中継で見ることができました。

いつも通りの公演が終了した後、組長さんからご挨拶があり、サヨナラショー。
その後、再び組長さんから退団者の紹介があり、退団者の挨拶、という流れです。
今回初めてこの宝塚公演千秋楽というものを観て、ああ、何年宝塚を観てきていてもこれを知らずしてホントに宝塚を知ってることにはならないなと思ってしまった、そのくらい特殊な、独特のセレモニーでした。
宝塚歌劇団は、学校なのですね。そういう建前でやっているのだと理解はしていましたが、いや、建前ではなく、その精神は紛れもなく学校なのだと認識しました。
退団者というのは卒業生。私たちが学校を卒業したら2度とそこには戻ることがないように、彼女たちも2度とこの舞台に戻ってくることはないのです。
宝塚がいつもまぶしいほどに輝いて見えるのは、きらびやかな衣装やお化粧のせいではなく、本当の意味でその時その瞬間だけの“時分の花”だからなのだと実感しました。

サヨナラショーでのかなめさん、素に近いシンプルなヘアスタイルに純白の衣装。
息を飲むほどに美しかったです。
銀河英雄伝説の曲、ロミジュリのティボルトの曲、モンテ・クリスト伯でのみりおんとのデュエットダンスと続きます。
その後かなめさんは一旦はけて、他の退団者さんたち、緒月遠麻・風羽玲亜・留美絢の歌、そして宙組のみんなとの「明日へのエナジー」。
これは私がかつて大ファンだった宙組初代トップ・姿月あさとのトップお披露目の時の名シーンで、ビデオテープが擦りきれるほど見た大好きなショーだったので、何か18年前に突然タイムスリップしたような不思議な感覚もあり、それを今、当時はまだ音楽学校生でもなかった子たちがこんなに大きく立派になってあのシーンを再演してる、また、当時は下級生だった寿つかさが今は組長としてそこにいるって言う、かなめさんのサヨナラとはまた別のいろんな感慨がこみ上げてきて胸がいっぱいになりました。
あの、宙組がスタートしたときの気持ちというのをこうして受け継いでくれてるって言うのがすごく嬉しいと思ったし、組替えで宙組トップになったかなめさんがサヨナラショーにこれを選んだ気持ちというのを考えると、そこにはいろんな思いが詰まってるように思えて、それもまた切ないような気持ちにもなりました。

ご挨拶は黒燕尾。
宝塚では白の軍服だったということで、もしかしたらこちらでも、と思いましたが、さすがに大千秋楽はフォーマルにキメて来られたなと。
やはりかなめさんには洋装が似合います。
白の肩飾りと白ばらの花束。
最後の最後まで、美しく毅然としたかなめさんでした。

本当に、寂しい寂しいことですが、開幕した第二の人生が素晴らしいものであることを、心よりお祈りいたします。




タカラヅカでお腹いっぱいな週末
タカラヅカでお腹いっぱいな週末
タカラヅカでお腹いっぱいな週末
今月はほぼタカラヅカ月間。
この週末は東京遠征で宙組を堪能してきました。

まず、金曜日には宝塚友の会主催のトークショー。
ご出演は七海ひろき、春瀬央季、彩花まりのお三方。
かいちゃんこと七海ひろきさんは・・・もう研14になるのかぁ、なんかもっと若いイメージがあったけど。中堅どころの男役さん。
かなこちゃんこと春瀬央季さんは研7、今回の公演で新人公演を卒業した若手男役さん。
しーちゃんこと彩花まりさんはかなこちゃんより1コ下の若手娘役さん。
トークショーなので、司会の方のリードでいろんなお話をしてくれるのですが、かいちゃんが結構慣れてて、いろんなお話を上手い事つないでくれて、とても面白かった。
こういう風に、役を離れてお話を聞くと、やはり個人の個性が出るというか、かいちゃんはさすがにプロとしての姿勢が感じられたのに対して、かなこちゃんはまだ自分が楽しんでる感じがあり(悪い意味ではないです)、しーちゃんは若さゆえの真面目さが見えて、なるほどなーなんて思ったり。
あと、舞台の上にいる側からの話っていうのが印象的で、しーちゃんが、今回のショーのオープニングで大階段の上の方から、男役さんの群舞の先にトップのかなめさんが踊っている階段下の景色、普段、観客が見てる方かうからは真逆の景色が壮観で、そんなのを見られて幸せっていう話があって、その情景が想像できてこちらもちょっと幸せな気分になったりしました。

帰りはロビーでお見送りをしてくれたのだけど・・・
なんかこっちの方が緊張しちゃって、まともに顔も見れずにそそくさとお三方の前を通り過ぎてきてしまって、ちゃんとお顔を拝見して「今日はありがとうございました」って言ってくるんだったってすごく後悔してしまった。
だってだって、3人ともすごくきれいで、やっぱりオーラがあるんだよねー。
常に見られてる人っていうのは、スタイルとかだけでなくて佇まい自体が引き締まってるっていうか、独特の雰囲気があって、圧倒されてしまいました。

翌日の土曜日には、とある生徒さんのお茶会。
友人がその生徒さんのファンクラブに入っているのでお誘いを頂き、参加させていただきました。
なんか、お茶会のことはこういうところであんまり詳しくレポートしちゃいけないらしい(^_^;)
なので、どんなお話が聞けたとかそういうことは書きませんが、今回感激したのは、ほんとにお茶会らしいお茶会だったこと。
つまり、ほんとにお茶とケーキが用意されていて、みなさんでそんなテーブルについてお話を伺ったり、ちょこっとゲームなんかもあって生徒さんと触れ合えたり。
私が大昔に行ったことのあるスターさんのお茶会は、その方はもうトップさんだったからかもしれないけど、お茶会とは名ばかりの、ずらっと並んだパイプ椅子にひな壇のほうを向いて座って、一方的にそのスターさんのお話を聞くだけみたいな、ちょっとした講演会みたいなものだったので。
今回はほんとにその雰囲気が素敵でした。
あ、もちろんその生徒さんも、ですが。

そして、3日目は宙組公演観劇。
トップスター凰稀かなめさんのサヨナラ公演でもある今回の宙組公演はスウェーデン国王グスタフ3世を描いたお芝居「白夜の誓い ―グスタフIII世、誇り高き王の戦い―」と、ショー「PHOENIX 宝塚!! ―蘇る愛―」。
私は今回のこの公演が好きで好きで、本拠地宝塚での公演も3回行ったのですが、友達から誘われたのをいいことに東京まで観に行ってしまったのでした。
お芝居の方は、実はあまり評判が良くないのだけど・・・でもなんか私は好きで。
で、ショーの方はお芝居に輪をかけて、サヨナラ感満載の、何度見ても涙腺が緩んじゃうという素晴らしいショーで。
私は宝塚観劇を再開したのがここ3年ぐらい前からで、かなめさんのこともトップのお披露目も見てないくらいファン歴は浅いのだけど、今回の公演を見ていると「かなめさん、好きだったなぁ、ほんとに好きだったなぁ」としみじみ思ってしまうのです。
美貌のトップさん。ちょっと陰があるというか、クールビューティーで、親近感があるというよりはちょっと近寄りがたい感じのするスターさん。役を離れると素敵なお姉さまのような雰囲気で、年下の気分で憧れちゃうのです。
スタイル抜群で線が細いようでいて、「風と共に去りぬ」のレット・バトラーなんかがすぐく合ってて、もうめっちゃ男臭くてセクシーでカッコよかったし、かと思えば、ベルばらのオスカルのあの可愛らしさ。変に女っぽく作りこむことはしていなくて、ほんとに自然体の「男として育てられたけどあくまでも女」であるオスカル。
かなめさんは芝居心のある人だなという印象で、お芝居がほんとに心に残るので、観終わってからも尾を引くというか、余韻が残ってまた見たいと思ってしまう人でした。

今回はそれに加えてショー。
もう、素晴らしすぎるショー。
「孤独だっていいじゃない」という歌詞とリンクして、かなめさんが一人で銀橋に出てきて歌ってる姿っていうのが、本舞台にみんないるのになんか孤独感があって、そういう雰囲気をまとっているかなめさんがすごく好きで。
かと思えば、怪盗カナメールみたいなのをがっつりやってしまうし。

もっともっと見たかったな・・・と思ってしまうのです。

今後、どうするのかな・・・
女優さんとして出てきてくれたら嬉しいな・・・・・


この3日間は、宝塚ファンとしてなかなかに贅沢な3日間でした。

そして来週も日・月(祝)と続けてタカラヅカ。
日曜はかなめさんの、ほんとにほんとのサヨナラを映画館のライブ・ビューイングで。
そして月曜は、こんどは星組トップ・柚希礼音のサヨナラ公演です。

サヨナラが続きます。
タカラヅカでは避けられないことだけど、寂しいです。

宝塚雪組「ルパン三世/ファンシー・ガイ」
宝塚歌劇の101年目はルパン三世で幕開けです。
今日は2度目の観劇。

◇ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-

宝塚でルパン三世って、どういう発想?と最初は思ったものでしたが、ふたを開けてみたらこれが、見事にハマりました。
あんな男くさいマンガなのに、と思うのですが、マンガであることにうまく乗っかって思いっきりマンガチックに作ったことが成功の要因となったのかもしれません。
ルパンを演じた雪組トップスター・早霧せいなは、その細身な身体が活かされて、ビジュアルは完璧。そして台詞回しや声の使い方なんかも、変にモノマネにするのではなく、ちゃんと自分の役として、ルパンになりきれています。
チャラいようで大人で、そして優しいルパン。魅力的でした。

1回目の観劇は初日から2週間ほどのところでしたが、すでに満足できるレベルにはなってまして、「もう1回見られるなんて、楽しみ~♪」と思いながら帰ってきたのでしたが、それから更に2週間。
みなさん、もうすっかり役が身体に染み込んだような安定感があって、幕開きすぐからあっという間にルパン三世の世界に引き込まれました。
たぶん、演ってる方も楽しいんじゃないかな~、そんな風に思える出来上がり方。

ストーリーも、マンガだからこその自由な展開でほっこりなハッピーエンド、でもどこか哀愁を漂わせてのエンディングは、脚本・演出の小柳先生、ちゃんとツボを抑えてます。

何も考えずに楽しめるものに仕上がっていて、新生雪組の幸先良いスタートになったのではないでしょうか。
新トップの早霧せいな、歌が苦手と言われてるけど今回、ぜんぜん気にならなかったし、この難しい役を完璧にモノにしていて、今後に期待が高まります。

同じく新トップ娘役の咲妃みゆ、演技も歌も心配はないのですが、全体的に子供っぽさがあるのがちょっと気になりました。
まあ、研5とまだ若いからしょうがないかなあ、これから鍛えられるにしたがってシャープになっていくでしょうか。

◇ファンシー・ガイ

実は今回、こっちのショーの方がね・・・今ひとつで。

で、今日は、なんで、どこが、今ひとつなのかじっくり見てこようと思ってました。

2回目見ても、やはり今ひとつな印象は変わらず。
その理由として感じたことを。

まずは、衣装がしょぼい。
100周年が終わって、緊縮財政にでもなったんでしょうか、なんか全体的に安っぽいのと、デザインも色使いも良くない。
オープニング、蛍光色の黄色と紫の組み合わせが目にちかちかするし、大人数の場面なのに奥行きが感じられなくて、迫力に欠けるんですね。

それから、振り付けがいまいち。
これは個人的な好みもあるかもしれないけど、私は見ていて、なんというか「カッコイイ~」とツボにくるダンスシーンがなかった。
タンゴのシーンなんかも、もっと娘役も絡めてがっつりタンゴを踊ってくれたらいいのに、男役のみの群舞で、タンゴも最後の方にちょろっと入ってくるくらいで。
後半の、アルビノーニのアダージョでの男役群舞も、なにかもひとつ決まりきっていないもどかしさを感じました。

全体的に、歌が目立つショーだったなという印象で、歌は前回からみんな上達したなあと感じたのだけど、その分、あんまり動いている(踊っている)印象がないのです。

中詰めがないっていうのも、なんか締まらない感じが。
盛り上がらないまま終わっちゃった、みたいな。

ルパン三世が良かっただけに、ショーがいまいちだったのがとても残念です。

残念と言えば、今回銭形を好演した夢乃聖夏がこれで退団ということ。
ダンスがめちゃうまで、どんなポーズもかっこいい人で。
歌もお芝居もうまくて、どこにいても目を惹く人で。
こういう力のある人こそ残って欲しいのに、そういう人こそ辞めてしまうのよね(涙)


さて、今月は来週も再来週も週末はタカラヅカなのです。
あ~、忙しい、忙しい(^_^;)
宝塚歌劇団、来年のラインナップが徐々に発表されておりますが…

2015年初っぱなが「ルパン三世」と言うのにはあんまり驚かなかったけど、今日発表された“柚希礼音武道館コンサート”と“紅ゆづるで風と共に去りぬ”には、かなり驚きました。

でも、ちえちゃんが武道館コンサートというのは、ある意味当然とも思えるので、びっくりしても次の瞬間には深く納得。
ただ、ねねちゃんの出演もクレジットされていることで、出番は少ないかもしれなくても“ちえねね”としての場面も用意されるってことだよね…と、今更ながらちえねね人気の高さを物語るなあ、と思いました。
もちろん私もちえねねファンのはしくれとして、ねねちゃんの出演は大歓迎だし、とにかく是非とも行きたい!
でも、チケットの争奪戦はものすごいことになるでしょうね~。

そして、べにーの風共。全国ツアー主役。

風共という作品は、正直なところべにーのニンではないような気がします。
バトラーですよね?いや、スカーレットだったとしても…
彼女の男役の魅力が活かされる役とは思えないのだけども。
でも今回は、そんなことより「風共で全ツ主役」ということが重要なんだろうなという気がします。
次代を担うトップ候補の筆頭ってことなんだろうなと…

そして、考えたくないことだけど、ちえねねの卒業も近いのかなと…

いやいや、でもまだ行けるんじゃない?
何十年に一人の人だし。
ねねちゃんとのコンビも滅多にないゴールデンコンビだし。

でも、べにーが星組以外のトップにというのも、なんかヤダ…

ああっ、悩ましすぎる~m(。≧Д≦。)m
ヅカファンとなってかれこれうん十年ですが、今回初めて新人公演というものを観る幸運を得ました。

実際に行けるとなって初めて知ったのですが、新人公演って本公演をそのまんまなぞるのではないのですね。
二部構成(お芝居とショー)の場合は大体お芝居のみ、今回のように2幕で1作品の通しものの場合はダイジェストになる、ということで、今回は1幕が大分はしょられておりましたが、その分芝居としての密度は高かったような気がします。

◆主なキャスト
・オスカル・・・・・・・・・・和希そら(研5)
・ロザリー・・・・・・・・・・伶美うらら(研6)
・アンドレ・・・・・・・・・・・実羚 淳(研6)
・ジェローデル・・・・・・・桜木みなと(研6)
・アラン・・・・・・・・・・・・留依蒔世(研4)
・オスカルの父・・・・・・美月悠(研7)
・オスカルの乳母・・・・花咲あいり(研7)
・ブイエ将軍・・・・・・・・風馬翔(研7)
・オスカルの母・・・・・・彩花まり(研6)
・ベルナール・・・・・・・・瑠風輝(研3)
・オスカルの姉・・・・・・桜音れい(研7)
・ル・ルー・・・・・・・・・・・華雪りら(研3)

オスカルの和希そらが、すごく良かったです。
男として育った強さと、家族やアンドレの前だけで見せる女性的な部分とがすごく自然に出ていて、「男として育てられた女性」というのが全く違和感なく、それは歴代の本役オスカルに負けてなかったと思います。
バスティーユの出撃の場面では思わず落涙しそうになり、新人公演はフィナーレがないので「フランス、ばんざい・・」(オスカル絶命)で幕、なのですが、幕が下りた時には結構鳥肌でした。
新人公演というのは劇団の期待度が反映されると言われるので、10年先にはトップとして舞台の真中に立っているのかもしれません。

あともう一人「上手い・・・!」と思ったのが、ジェローデルの桜木みなと。
ビジュアルがちょっとぽちゃぽちゃしてて、「ちょっとジェローデルとしてはどうなのよ」と最初は思ったのですが、芝居も歌もまったく危なげなく安定していて良かったです。
これから身体が絞れて来たらステキな男役スターになるでしょう。

ベルナールの瑠風輝は研3。抜擢、と言えるのかな。
安定したお芝居で、帰ってきて調べてみるまで、まさか研3とは思わなかったです。

アンドレがちょっと頼りなかったかな・・・でも、「今宵一夜」の場面のアンドレは、私は本公演の芝居よりずっとこっちの方が良かったと思いました。
私が本公演で観た時のアンドレは、オスカルに「おまえは私が好きか」と聞かれてからオスカルに抱きつかれるまでずっと、「好きだ」「愛している」と言いながら一度もオスカルの方を見ない、という芝居だったので、それがなんかすごく違和感ありまくりで。
今日のアンドレはちゃんとオスカルの目を見て愛を語っていたので、とても納得できました。

若い人たちだからなのか、お稽古の時間が足りないのか、はたまた緊張感からなのか、歌がとんでもなかったり(特にロザリーちゃんとか(^_^;))、セリフかんだりとか、そういうもろもろはあったけれども、やっぱり本公演とは違った熱気というか必死感があって、これはこれでヅカファンとしてはたまらんですね・・・・・
新たな扉を開けてしまった感があります。

でも、なかなかチケットとれないので・・・
次はいつ見れるかなあ。




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